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科学に頼らず、妖怪に頼る [▼連載【新型コロナウイルスと社会】]

前回まで「新型コロナウイルスと巨大地震の共通点」として7回ほど
連載致しました。今日は番外編です。今までの記事はこちら。
(1)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-03-22 ※国の情報がわかりにくい
(2)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-03-22-1 ※それを民間が可視化
(3)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-04-02 ※災害は長期化する
(4)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-04-03 ※予測は可能(?)
(5)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-04-18 ※規制の効果あり
(6)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-05-02 ※デマが怖い
(7)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-05-03 ※語情報も怖い

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、医療関係者や感染症の専門家は、口を
揃えて「自粛、外出控える、我慢」と繰り返し、「自粛後も再度流行する」と
警鐘を鳴らし続けています。正直、聞く方も疲れます。私もニュースをあまり
見なくなりました。そのせいでしょうか、ちまたにはこんなものが流行ってます。

●県央画廊 国定三条市長夫人・国定律子さん「妖怪アマビエ」
 http://www.kenoh.com/2020/05/06_garou.html
 amabie.JPG
 ※上図も同記事より。

ご存じアマビエさん。アマエビではありません。妖怪です。なんでも、江戸時代に
熊本の海に現れて、疫病を予言したらしい。それが令和の世に「疫病退散」の
シンボルとして復活していて、ハンコ・和菓子・どら焼きなどになっています。
●アマビエ印鑑で新型コロナ退散祈願 「ハンコ屋としてできることを」収益は全額寄付
 https://maidonanews.jp/article/13298769
●疫病退散の妖怪「アマビエ」、函館で和菓子に
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58728680R00C20A5L41000/
●自慢どら焼きに「アマビエ」 コロナ終息願い、焼き印 湖西
 https://www.at-s.com/news/article/local/west/763025.html

もう、一大コンテンツですね。果てはこちら。
●妖怪「アマビエ様」小学校の校庭に地上絵
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200506-00050070-yom-soci
きぐるみの「アマビエ様」が、保護者とともに小学校の校庭に
アマビエの地上絵を描いたそうな。なんだこれ?
もはやネタとかしていますが、それもやむなし。科学に頼っても、
すぐには新型コロナウイルス感染は収まりませんもんね。

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地震災害も似たりよったりです。
例えば、1662年に発生した「寛文近江若狭地震」では、近畿地方北部、
特に琵琶湖沿岸や京都で大きな被害が発生したそうです。
 jishin1.JPG
  地震時の様子を描いた図
  内閣府中央防災会議 災害教訓の継承に関する専門調査報告会 
  1662寛文近江若狭地震 より
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1662_kanbun_omiwakasa_jishin/pdf/1662-kanbun-omiwakasaJISHIN_09_chap5.pdf

浅井了意による仮名草子『かなめいし』には、このときの京都市中の様子が詳述
されていまして、この地震の後、デマや迷信が流行ったことも記されています。
 例:大入道が市中に現れる。出会った人は災いに遭う
 例:以下の唄(落首、戯歌)を門に貼ると地震避けになる
   棟ハ八つかとハ九つ戸ハひとつ  身ハいさなきのうちにこそすめ

あるいは「この地震は、豊臣秀吉の恨みだ」という噂が流れたり、「地震のときに
豊国神社(秀吉を祀る)はちっとも揺れなかったらしい」という噂が流れたそうな。
jishin2.JPG
 豊国神社の当時の様子(上記PDFファイルより)

地震避けに、豊国神社に生えている草や木を持って帰って、軒先に飾るのが
流行したらしい。でもその後、「この草木を飾ると祟られる!」と言われた
ので、みんな急いで捨てたらしい。結果としては、地震前から寂れていた
豊国神社は、より寂れたとのこと。。。

「江戸の昔の話だね!」と笑いたいとこですが、科学技術が発達した現代でも、
アマビエ様に祈る状態ですから、数百年経っても状況はさして変わらないようです。

新型コロナウイルスに関しては、いずれはワクチンもできるでしょう。
(1年以上の後?)
科学はいずれは人に幸せや安全・安心を与えるでしょう。
一方で、いま差し迫った現実的な問題においては、
科学は役に立たないのでしょうか?
続きます。


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