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新型コロナウイルスと巨大地震の共通点(4) [▼連載【新型コロナウイルスと社会】]

今朝、電車に座って乗っていて、私はクシャミをしました。マスクはして
いました。すると、隣に座っている男性が、足で、私の膝をゴンゴンと
小突くのです。クシャミ→ゴンゴン。クシャミ→ゴンゴン。
花粉症なんですけど、、、なんかすみません。

さて、前回からの続きです。
(1)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-03-22 ※国の情報がわかりにくい
(2)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-03-22-1 ※それを民間が可視化
(3)https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-04-02 ※災害は長期化する

前回、災害の終息予測は難しく、長期化を常に念頭に置くほうがよいと
申し上げましたが、科学はどこまで未来を予測できるのでしょうか?
今回は、素人ながら、新型コロナウイルス感染の今後を考えてみましょう。

結論を先に述べますと、今回の感染はGW前後までさらに拡大し、7月~8月頃に
向けて終息していくように思われます。ただし、これは現在の感染対策が今後も
ずっと継続される場合であって、お花見で楽しく宴会・GWでの大規模イベント
などで感染者数が急増すれば、どうなるかは分かりません。

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以下、具体的な推定方法を述べますが、難しいデータ処理などはやってません。

(1)まず20世紀初頭におきた「スペインかぜ」の流行の様子を見てみます。
spain_flu.jpg
●「早さ」と「徹底」がやはり対策の鍵、スペインかぜの教訓
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/033100207/

「スペインかぜ」はインフルエンザの一種で、世界各地で大流行しました。
上図はアメリカのフィラデルフィアとニューヨークでの感染拡大と終息まで
の様子です。右側のニューヨークでは、早めに強制隔離と時差出勤を実施した
ため、死亡率を抑えることができたそうです。一方、左側のフィラデルフィア
では対策が遅くなった結果、医療崩壊を起こしてしまったそうです。

(2)この2都市の流行の様子は全く違うようで、実はよく似ています。
spain_flu2.jpg
ニューヨークのグラフ(赤)を縦横にそれぞれ引き伸ばして、
フィラデルフィアのグラフ(黒)重ねてみたのが上図ですが、
とても良く似ています。すなわち、行政による対策の有無に関わらず、
感染の流行り始め~ピーク~終息までの様子は似ているのです。
上記だけでなく、他の都市でのスペインかぜの流行り方や、別の感染
(例:2002-2003年のSARS)なども、1日あたり(あるいは1週間あたり)
の感染者数や死亡者数は 概ねこのような「上に凸」のグラフになります。

(3)この、ある種の「法則性」が正しいと思えば、新型コロナウイルスの
感染のピークや終息時期も、推定可能になります。まずは4/2時点での
感染者数のグラフを見てみましょう(1日あたりの感染者数増加)。
kansen.jpg
※三度、以下のサイトからの引用です。
 https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
このグラフに、スペインかぜの時の感染者数増大のグラフ(赤)を重ねて
みましょう。目分量でサイズを調整して、いまの感染の様子と過去の様子を
えいや!っと重ねてみると…
compare.jpg
このようになりました。上側の図では、フィラデルフィアでの感染の様子を
重ねてみました。下側はニューヨークでの様子です(いずれも先程の
ナショナル・ジオグラフィックのグラフを拡大調整して重ねました)。
非常に荒っぽいやり方ですが、日本の新型コロナウイルスの流行は、
まだまだ序盤ということが分かってきます。GWの後でピークを迎えること、
また日々の感染者発生数が減る(2月末の頃の同程度になる)のは、
7月~8月になると予想できます。

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こんないい加減なやり方では、科学的とはあまり言えませんが、予測の
第一歩としてはそう間違ったものではないようです。例えば、これを
もっとちゃんとやった例が、Webにありました。
●新型コロナの国内感染者数を数理モデルで予測してみた
 https://qiita.com/PixelPenguin/items/a663296e320158e108c7
こちらでは「このまま行くと、丁度GWが終わった頃に感染者数がピーク」
とのことでして、私のいい加減な予想と似た結果です。
ちなみに、大事なことは「一人の感染者から何人に伝染するか」でして、
上記サイトの予想では2.9人ですが、これは別の報告ともよく一致します。
   ↓
●How Bad Will the Coronavirus Outbreak Get? Here Are 6 Key Factors
 https://www.nytimes.com/interactive/2020/world/asia/china-coronavirus-contain.html
●「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)
 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610566.pdf
数式を駆使した感染予想は「ブラックボックスだ」とか「数字合わせ」など
と言われますが、その実態は、私がやったような「えいや!とグラフを重ねる」
ことと、さして変わりません。数学的に「えいや!」をきちんと行っただけです
から、数式に基づく予測を「信用ならん」などと毛嫌いするのは間違いです。

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そんなわけで、科学的な予想というのは可能なのですが、最大の問題は
「私達の行動」です。例えば、感染など無視して大勢が交流を行えば、
一人の感染者から4人・5人の感染者が発生するでしょう。そうなると、
上記の数式などはもう成り立ちませんから、予測は当たらなくなります。
また、ニューヨークの例が示すように(本記事の1番目のグラフ)、
感染者数の増加が一旦収まったのに、その後にまた増えることがあります。
都市の強制隔離(ロックダウン)を行えば、一時的には感染者を抑えられる
のですが、ロックダウン解除後には人々の交流が増えて、感染者も増えるのです。

つまり、科学的な予測は、感染者増加の現状をうまく説明できでも、
将来の予測には不確定性があって、しばしば失敗します。現状把握は
できるのに、予測できないといった「科学予測の限界」については、
地震予知・火山噴火予知や、地球温暖化の予測など、
多くの地球科学にも見られる特徴です。

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ところで、人間にはやはり我慢の限界があるようです。日本の場合では、3月に
なって休校処置や自粛などが実践されたため、感染者の増加は一時的に抑えられ
ました。しかし3月末(自粛から3週間程度後)の連休には多くの人が出歩き、
その後、感染者数は増加に転じています。

この3週間というのは、ある種のマジックナンバーかもしれません。
例えば南海トラフ巨大地震を考えましょう。近い将来起きるかもしれない巨大地震
ですが、地震発生域のうち、東側あるいは西側だけで巨大地震を発生する可能性が
指摘されています。いわゆる「半割れ」状態です。
●自治体、「半割れ」の対応に苦慮 南海トラフ対策
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45526150R30C19A5CC1000/
この場合、地震が起きなかった西半分(あるいは東半分)の住民は、
1週間程度、次の巨大地震に対して備えないといけません。しかし1週間で
良いのでしょうか? 過去の南海トラフ巨大地震では「半割れ」状態が
しばしば起きています。南海トラフの半分で巨大地震が起きた1日半後に
残る半分で巨大地震が起きたケースが有る一方、2年後に残る半分で巨大地震が
起きたケースもあります。ただ、人間は「備えよ」と言われて我慢できるのは
1週間、もって3週間でしょう。そういう背景から「半割れ時から1週間は
次の巨大地震に気をつけてね」と言うわけであって、そこに明確な科学的
根拠はないと私は思っています。

感染ピークはまだまだ先、人々の我慢も限界、そしてGW。
ちょっと怖いですね。感染終息までは、まだまだ掛かりそうです(※)
次回、またちょっと違った目線から、ウイルスと巨大地震という災害の
共通点を考えてみます。

※(追伸)
イギリスの大学は、9月頃に感染が収まった後で、第2波が来るのではないか
と予測しています。この場合は、感染終息は来年になります。
●新型コロナウイルスの大流行はいつ終わる? 生活はもとに戻るのか?
 https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51974942
元ネタは下記のようです。
●COVID-19: Imperial researchers model likely impact of
 public health measures (Imperial College London)
 https://www.imperial.ac.uk/news/196234/covid19-imperial-researchers-model-likely-impact/
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MANTA

追伸:
上記のqiita.comの記事は3/9時点。その段階でもうピークはGW後と分かっていたみたい。このサイトの管理人は感染症の専門家ではありません。しかし、専門家たちには長期化が予想できていたようにも思えます。

それから上記の厚生労働省の3月19日の資料には、今回のウイルス蔓延~終息がモデル化されていますが、50日間程度で感染開始~ピーク
~落ち着く、という予想です。ただ、私の調べた限りでは、どう考えてもこんなに短期間で終息は迎えられないと思います、、、
by MANTA (2020-04-03 22:37) 

MANTA

追記(2020/04/07):
昨日1日の感染者数増は、+350以上となりました。
もう上の予想は大外れですわ。
by MANTA (2020-04-07 17:39) 

MANTA

あらためてみると、このときの感染ピークは4/10前後、5月末には終息していました。おそらくは緊急事態宣言の効果だと思います。
by MANTA (2021-06-27 11:53) 

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