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新型コロナウイルスと巨大地震の共通点(1) [▼連載【新型コロナウイルスと社会】]

しばらくブログをお休みしていました。
学生の英語論文が4件、私自身の英語論文が1件。
卒業研究の学生が6名に、修士研究の学生が2名。
さらにはこの冬に博士論文を提出した学生1名と、
ブログをかける時間的余裕がゼロでした。

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さて久々のブログ記事ですが、今日は、昨今大騒ぎになっている「新型コロナ
ウイルス」と「巨大地震発生」という、2つの災害について考えてみたいと
思います。この2つはたぶん、とても良く似ています。新型コロナウイルス
の対応もまだ終わっていない中で、近い将来に来るであろう巨大地震災害の
話をするのも、的外れな印象を拭えませんが、
「あー、きっと巨大地震がまた来ても、こういう問題が起きるんだろうな」
と私自身思う次第を、いまのうちにまとめておこうと思います。

★共通点その1:国からの情報配信がイマイチ★
毎日のトップニュースを飾っている新型コロナウイルスですが、ニュースの
内容はたいてい「〇〇県で何人発症した」「日本全体では〇〇人の患者」と
いう報道ばかりが目立ちます。それは大事な情報ですが、もう一つ大事なのは
患者が増える割合(患者の増加数・増加率)です。例えば下記を御覧ください。
China_COVID.JPG
※読売新聞より:中国の感染者数の増加幅、3日連続で2桁…抑制傾向に
 https://www.yomiuri.co.jp/world/20200309-OYT1T50303/

赤い棒グラフは中国での1日あたりの患者増加数です。
黒い折れ線グラフは総患者数(赤い棒グラフを足していった積算値)です。
中国政府のこの発表によれば、最初の2週間で爆発的に患者数が増えていき、
(赤い棒グラフはだんだん高くなっていて、2月上旬にピークに)
(黒い折れ線グラフも2月上旬にかけて急角度で上昇している)
その後、1ヶ月強かかって、患者増加数が減っていく様子が読み取れます。
(赤い棒グラフは2月下旬以降、どんどん下がってくる)
(黒い折れ線グラフも傾きが緩やかになって、ある一定値に落ち着く)

この傾向は、2002~2003年に流行したSARSでも見られます。
SARS.JPG
※The Sun誌(1月31日)より
https://www.the-sun.com/news/338103/coronavirus-worse-than-sars-outbreak-as-number-infected-hits-almost-10000-worldwide/
新型コロナウイルス(黄色)がものすごい勢いで流行している様子が
分かりますが、SARS(赤色)に注目すると、患者数の増え方は40日目
あたりが一番大きくて、80日目くらいで落ち着きます(新たな患者が
現れなくなってくる)。

患者総数や、患者数増加の様子が違いますが、
「患者数がだんだん増えて(流行)、だんだん一定値に近づく(終息)」
「患者が急増するのにかかる時間と、患者数が増えなくなる(病気の流行が
 落ち着く)のにかかる時間は、同じ~数倍くらい」
という傾向が読み取れます。おそらく多くの伝染病はこのようなパターンに
従うのでしょう。

だとすれば、日本の患者数の増加傾向(いまの!)がわかれば、日本での
新型コロナウイルスの流行も少し予想できそうです。
さっそく、厚生労働省のホームページにジャンブ!!
   ↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
mhlw1.JPG
  :
  :
ほうほう、、、
  :
  :
mhlw2.JPG
  :
  :
ふむふむ、、、、

って、わかりやすいグラフが一つもない!!(※)

こんなときだからこそ、政府はわかりやすく情報を示すべきだと私は思います。
東日本大震災のときも、災害時の情報不足が指摘されていました。
今後の首都直下型地震や、南海トラフ巨大地震でも、政府からのわかりやすく
正確な情報によって、救われる命や生活が増えるのではないでしょうか?

さてどうしたものか、、、つづきます。

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※3/18以前は、数表のみでグラフは一つもなかった厚生労働省のサイトですが、
 3/19に「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」 という資料が
 公開されました。ただ、ここにも分かりやすいグラフは少ない。こういう
 部分が、国民の不安をさらに掻き立てる要素になっていると思います。
 (まさしく、科学コミュニケーションの欠落ですね)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html 
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Working Dad Oversea

お疲れ様。

こっちにグラフ出てるよ。
対数表示もあるよん。

https://www.worldometers.info/coronavirus/
by Working Dad Oversea (2020-03-22 15:43) 

MANTA

Working Dad Overseaさん、コメントありがとうございます。
国ごとにグラフを見ることができて、便利ですね!
続きの記事もアップしました。どうぞよろしく! (^^)

by MANTA (2020-03-23 08:03) 

MANTA

Twitter経由でコメントを頂きました(pmagshibさん、感謝!)
”グラフに書くという習慣が全くないのは驚くこと。学生さんに測定したらすぐにグラフ化をしなさいと言っても、なかなかやらないのと同じ。学生さんは測れと言われたから測っているので、結果を知りたいと思っていない。政府の情報発信は発信しろと言われたからで「事態を理解したい」と思っていないから”

別の方からこんなコメントも頂きました。
"国の機関は新型コロナウィルス対応で忙しい。データをだすだけで精一杯で、ホームページ用にグラフを書く時間はないし、書いてもグラフの読み方が分からない国民が多い"

さて、どうすればよいのでしょうね?
一方で、データさえあれば、情報をわかりやすく伝える手立ては
いくらでもあったりします。次の記事に続きを書きました。
  ↓
https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-03-22-1
by MANTA (2020-03-23 08:12) 

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