事実を伝えることの大事さ [ 科学コミュニケーション]
研究の世界では昨今、研究不正などが多々見られる。STAP細胞などは
有名な例である。自分が全く関与していなくても、学問という仕組み上、
研究機関や学会の側が、社会に対して説明せねばならない局面が発生する。
私の研究分野でも、今年になって論文捏造のニュースが増えている(下記)。
●熊本地震でデータ捏造、大阪大学元准教授 調査結果公表
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42514180V10C19A3AC8000/
●熊本地震論文で不正、撤回を勧告 京大(注1)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42952160W9A320C1000000/
私自身はこれらの不正と一切関わりはないが、某学会での某調査に
携わっている。調査はほぼ終わり、その結果をどう公開するべきか、
つい先日、関係者で議論を交わしたばかりである。
…で、芸能界の話題に急にジャンプしてしまって申し訳ないが、
週末を騒がせているニュースが、適切な対応方法を教えてくれている。
●宮迫さん「社長に『会見したら全員連帯でクビ』と」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00000047-asahi-soci
●宮迫さんと田村亮さん謝罪会見(全文1)会見すれば全員クビだと言われた
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00010002-wordleaf-ent
●宮迫さんと田村亮さん謝罪会見(全文2)入れ墨も一瞬だったので気付かなかった
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00010003-wordleaf-ent
元はといえば、事務所を通さずに、怪しげなパーティーへ出演する芸能人が
悪いのだろう。しかし、当の芸能人が問題を認識し、ちゃんと謝罪したいと
言っていても、芸能事務所は隠匿の姿勢。時が経つに連れて、事務所側でも
隠しきれないと判断したら、今度はしっぽ切り(謹慎処分、契約解除)。
なるほど、雇用する会社側の論理としては正しいだろう。そもそもの原因は
事務所を通さない「直仕事」にあるわけだし。しかし大企業には「商品」に
関する管理義務や社会への説明責任があると思われる(注2)。
そして昨今はTwitterや、ネットのライブ放送がある。案の定、切られた芸人側が
Twitterで「直会見」を開く旨を連絡し、問題への謝罪と事務所の隠匿の暴露に
至ったわけだ。本件、真実が気になるところではあるが、ここでの教訓は
「知っていることは包み隠さず、社会に報告せねば致命傷」
ということである。"公人"たる芸能人も、CSRを怠った芸能事務所も。
…で研究不正に話が戻るのだが、私と共に調査に携わった某氏はこう言った。
「海外の学会・研究機関では、研究の捏造問題で頻繁に声明出したり、
謝ったりはしない」
果たしてそうだろうか? SNSやライブ放送で、一個人ですら世界に情報を
発信できる昨今、強い側の論理だけで「これは公開しないほうが、適正・適切」
などと言えるのだろうか? 社会への報告はもはや全世界で義務では??
今回の芸能ニュースと、学問の研究不正には、不正の報告という面では
さしたる違いはない。不正を行う側はもちろん、不正を行なっていなくても
どこかで関わってしまった人や組織は、知っていることを できるだけ早期に
適切に公開することが肝要である、ってことやね。
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注1:京大の論文不正については、論文は掲載取り下げとなったようだ。
●京大教授の不正論文撤回、米科学誌サイエンスが発表へ
https://www.asahi.com/articles/ASM4Z7SRGM4ZPLBJ004.html
----
注2:同事務所は本件に関して記者会見は開いておらず、また社内でも
嘘の連絡を行っていたようである。
●最初から白状していれば……宮迫博之、「口裏合わせ」の主犯!?
闇営業問題で「ギャラもらってない」とウソついた背景
(2019/06/27)
https://www.cyzowoman.com/2019/06/post_239740_1.html
(以下、上記記事より引用)
”翌25日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)では、同じ吉本所属でMCを務める極楽とんぼ・加藤浩次と、サブMCのハリセンボン・近藤春菜がコメント。加藤は、亮だけでなく吉本からも「お金をもらってない」と聞いていたと明かし、「僕の信用している仲の良い後輩が言ったこと、会社が言ったことを信用して『スッキリ』でコメントした」と、謝罪した。また、近藤もショックを隠せない様子で、「会社自体も保身に走った」と、嘘を見破れなかった吉本サイドへの批判も口にした。”
ただし一部の所属芸能人は、事務所の隠匿の事実を把握していたらしい。
●松本人志 衝撃の告白「吉本興業にはいたくないかもって…」会社側の「静観」態度に不信感
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190721-00000191-spnannex-ent
有名な例である。自分が全く関与していなくても、学問という仕組み上、
研究機関や学会の側が、社会に対して説明せねばならない局面が発生する。
私の研究分野でも、今年になって論文捏造のニュースが増えている(下記)。
●熊本地震でデータ捏造、大阪大学元准教授 調査結果公表
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42514180V10C19A3AC8000/
●熊本地震論文で不正、撤回を勧告 京大(注1)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42952160W9A320C1000000/
私自身はこれらの不正と一切関わりはないが、某学会での某調査に
携わっている。調査はほぼ終わり、その結果をどう公開するべきか、
つい先日、関係者で議論を交わしたばかりである。
…で、芸能界の話題に急にジャンプしてしまって申し訳ないが、
週末を騒がせているニュースが、適切な対応方法を教えてくれている。
●宮迫さん「社長に『会見したら全員連帯でクビ』と」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00000047-asahi-soci
●宮迫さんと田村亮さん謝罪会見(全文1)会見すれば全員クビだと言われた
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00010002-wordleaf-ent
●宮迫さんと田村亮さん謝罪会見(全文2)入れ墨も一瞬だったので気付かなかった
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00010003-wordleaf-ent
吉本せい 笑いを商売に変えた吉本興業創業者の波乱の人生 (三才ムックvol.967)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2017/09/28
- メディア: ムック
元はといえば、事務所を通さずに、怪しげなパーティーへ出演する芸能人が
悪いのだろう。しかし、当の芸能人が問題を認識し、ちゃんと謝罪したいと
言っていても、芸能事務所は隠匿の姿勢。時が経つに連れて、事務所側でも
隠しきれないと判断したら、今度はしっぽ切り(謹慎処分、契約解除)。
なるほど、雇用する会社側の論理としては正しいだろう。そもそもの原因は
事務所を通さない「直仕事」にあるわけだし。しかし大企業には「商品」に
関する管理義務や社会への説明責任があると思われる(注2)。
そして昨今はTwitterや、ネットのライブ放送がある。案の定、切られた芸人側が
Twitterで「直会見」を開く旨を連絡し、問題への謝罪と事務所の隠匿の暴露に
至ったわけだ。本件、真実が気になるところではあるが、ここでの教訓は
「知っていることは包み隠さず、社会に報告せねば致命傷」
ということである。"公人"たる芸能人も、CSRを怠った芸能事務所も。
…で研究不正に話が戻るのだが、私と共に調査に携わった某氏はこう言った。
「海外の学会・研究機関では、研究の捏造問題で頻繁に声明出したり、
謝ったりはしない」
果たしてそうだろうか? SNSやライブ放送で、一個人ですら世界に情報を
発信できる昨今、強い側の論理だけで「これは公開しないほうが、適正・適切」
などと言えるのだろうか? 社会への報告はもはや全世界で義務では??
今回の芸能ニュースと、学問の研究不正には、不正の報告という面では
さしたる違いはない。不正を行う側はもちろん、不正を行なっていなくても
どこかで関わってしまった人や組織は、知っていることを できるだけ早期に
適切に公開することが肝要である、ってことやね。
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注1:京大の論文不正については、論文は掲載取り下げとなったようだ。
●京大教授の不正論文撤回、米科学誌サイエンスが発表へ
https://www.asahi.com/articles/ASM4Z7SRGM4ZPLBJ004.html
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注2:同事務所は本件に関して記者会見は開いておらず、また社内でも
嘘の連絡を行っていたようである。
●最初から白状していれば……宮迫博之、「口裏合わせ」の主犯!?
闇営業問題で「ギャラもらってない」とウソついた背景
(2019/06/27)
https://www.cyzowoman.com/2019/06/post_239740_1.html
(以下、上記記事より引用)
”翌25日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)では、同じ吉本所属でMCを務める極楽とんぼ・加藤浩次と、サブMCのハリセンボン・近藤春菜がコメント。加藤は、亮だけでなく吉本からも「お金をもらってない」と聞いていたと明かし、「僕の信用している仲の良い後輩が言ったこと、会社が言ったことを信用して『スッキリ』でコメントした」と、謝罪した。また、近藤もショックを隠せない様子で、「会社自体も保身に走った」と、嘘を見破れなかった吉本サイドへの批判も口にした。”
ただし一部の所属芸能人は、事務所の隠匿の事実を把握していたらしい。
●松本人志 衝撃の告白「吉本興業にはいたくないかもって…」会社側の「静観」態度に不信感
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190721-00000191-spnannex-ent
芸能界といえば、こんなニュースも最近話題となりましたな。
●ジャニーズへの公取委の注意 TV各局、圧力に言及なし
https://www.asahi.com/articles/ASM7L61BDM7LUCVL019.html
●ジャニーズに「注意」 公取委の狙いは?
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47464800Y9A710C1000000/
こちらも真実はどうなのか、、、隠していても隠しきれない昨今です。
by MANTA (2019-07-21 18:35)