UFOはなぜ頻繁に目撃されるのか?(2) [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]
昨日の続き。怪しい地震予知のような「オカルト科学」が
世に浸透するプロセスを、アメリカでのUFO事件を事例に考えている。
元となったのはNHK「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」
のうち、2014年放送の「徹底追究!アメリカUFO神話に迫る!」である。
その2)ロズウェル事件
墜落した空飛ぶ円盤と宇宙人の死体を米軍が回収したとされる事件。
おそらく世界で一番有名なUFO関連の噂話であるが、この場合はこうだ。
・1947年、ある牧場主が奇妙な金属製の破片を多数発見。
↓ ↓ ↓
・すぐに軍少佐がかけつける。彼にもなんの残骸かは不明。
新聞に「軍がUFOを回収」と報道
↓ ↓ ↓
・1980年頃、話題に。本も出版。
↓ ↓ ↓
・「1947年のロズウェルのUFO」に関する証言が急増。
(300名以上の証言者に取材した人もいたそうだ)
※なおロズウェル事件の真相については…放送内容をご参照のこと。
昨日の(1)と今日の(2)をあわせて考えれば、つまり、報道がキッカケとなって
(ある期間)「UFOは頻繁に目撃される」のだ。
しかしマスコミだけが元凶とも言えない。番組によれば、1950年頃のUFO
目撃報告の増大に対して、米軍は調査プロジェクトチームを立ち上げたが
調査の結果、「米国に危害を及ぼさず、脅威にはならない」として、
UFOの正体を追求はしなかった。UFOの実体に対する記者からの質問にも、
軍は明確に答えなかった。しかしその姿勢は「軍は何かを隠しているのでは?」
という憶測を生むことになり、UFO騒ぎをかえって増長させる一因となった。
また昨日の記事にも記したが、とある作家が軍関係者・大学関係者らの
「匿名」証言に基づいて「UFO=宇宙人説」を唱えたこともあって、
UFOはその知名度を確固たるものにしていった。
まとめれば次のようである。
・マスコミの認識不足の報道や誤報
・専門家による無視
・新説を唱える側の巧妙さ
「雲で地震が予知できる」「電波で地震が予知できる」などの怪しい地震予知に、
これら三要素は実によく当てはまる。そしてUFOと同じく、「通説」として
社会に溶け込んでいっているようである。
しかしそもそも、なぜアメリカで「UFO=宇宙人説」などが流行るのか?
アメリカ国民はアホなのか? いやいや、私が見た番組(幻解!超常ファイル)
の中では「米国は歴史の短い国。神話が欲しかったのではないか?」としていた。
たしかに米国製SF映画「未知との遭遇」では、米国という地球で最も進歩的な国に
宇宙人がコンタクトをとる描写がある。UFO=新たなフロンティア、新たな神話
というわけか。
ちなみに同番組の「神々の遺産!?謎の超古代文明を徹底解明!」も見た。
(2015年の番組の再放送)(お盆休みだったのでセッセと録画を消費)
こちらは「アトランティス大陸」についてであるが、図式はUFOとそっくりだ。
・かつて大西洋に存在したが、一日で没した大陸と古代文明の話
・古代ギリシアの哲学者プラトンが伝聞に基づいて記した。
↓ ↓ ↓
・1882年、米国の政治家ドネリーがアトランティスに関する本を出版。
アメリカ大陸とアフリカ大陸に似た文明(どちらにも四角錐のピラミッド)、
似た宗教(太陽信仰)等があることに注目。これらが大西洋にアトランティス
があった証拠であり、アトランティスが文明の祖と主張。
↓ ↓ ↓
・「アトランティス人が最初の文明人、私達白人の祖先!」
欧米でアトランティスブーム。当時のイギリス首相が「軍艦を派遣して、
アトランティス大陸を探せ!」と提案するほどのブーム。
(やがて、ドイツの選民思想へ、、、だそうだ by NHK)
要するに、自分たちに都合の良い歴史的・科学的な事実(でなくてもよい、
ほんの欠片や科学のようにみえる何か)が流行するということか。
歴史の勝手な解釈や、怪しい科学技術が流行する背景に、発案者の功名心や、
さらには市民の強い期待感があるとすれば、なかなか厄介である。
だからこそ、歴史学者や科学者の役割は非常に大きいと言えるだろう。
世に浸透するプロセスを、アメリカでのUFO事件を事例に考えている。
元となったのはNHK「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」
のうち、2014年放送の「徹底追究!アメリカUFO神話に迫る!」である。
ロズウェル/星の恋人たち シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: DVD
その2)ロズウェル事件
墜落した空飛ぶ円盤と宇宙人の死体を米軍が回収したとされる事件。
おそらく世界で一番有名なUFO関連の噂話であるが、この場合はこうだ。
・1947年、ある牧場主が奇妙な金属製の破片を多数発見。
↓ ↓ ↓
・すぐに軍少佐がかけつける。彼にもなんの残骸かは不明。
新聞に「軍がUFOを回収」と報道
↓ ↓ ↓
・1980年頃、話題に。本も出版。
↓ ↓ ↓
・「1947年のロズウェルのUFO」に関する証言が急増。
(300名以上の証言者に取材した人もいたそうだ)
※なおロズウェル事件の真相については…放送内容をご参照のこと。
昨日の(1)と今日の(2)をあわせて考えれば、つまり、報道がキッカケとなって
(ある期間)「UFOは頻繁に目撃される」のだ。
しかしマスコミだけが元凶とも言えない。番組によれば、1950年頃のUFO
目撃報告の増大に対して、米軍は調査プロジェクトチームを立ち上げたが
調査の結果、「米国に危害を及ぼさず、脅威にはならない」として、
UFOの正体を追求はしなかった。UFOの実体に対する記者からの質問にも、
軍は明確に答えなかった。しかしその姿勢は「軍は何かを隠しているのでは?」
という憶測を生むことになり、UFO騒ぎをかえって増長させる一因となった。
また昨日の記事にも記したが、とある作家が軍関係者・大学関係者らの
「匿名」証言に基づいて「UFO=宇宙人説」を唱えたこともあって、
UFOはその知名度を確固たるものにしていった。
まとめれば次のようである。
・マスコミの認識不足の報道や誤報
・専門家による無視
・新説を唱える側の巧妙さ
「雲で地震が予知できる」「電波で地震が予知できる」などの怪しい地震予知に、
これら三要素は実によく当てはまる。そしてUFOと同じく、「通説」として
社会に溶け込んでいっているようである。
未知との遭遇 製作30周年アニバーサリー アルティメット・エディション(3枚組み) [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: DVD
しかしそもそも、なぜアメリカで「UFO=宇宙人説」などが流行るのか?
アメリカ国民はアホなのか? いやいや、私が見た番組(幻解!超常ファイル)
の中では「米国は歴史の短い国。神話が欲しかったのではないか?」としていた。
たしかに米国製SF映画「未知との遭遇」では、米国という地球で最も進歩的な国に
宇宙人がコンタクトをとる描写がある。UFO=新たなフロンティア、新たな神話
というわけか。
ちなみに同番組の「神々の遺産!?謎の超古代文明を徹底解明!」も見た。
(2015年の番組の再放送)(お盆休みだったのでセッセと録画を消費)
こちらは「アトランティス大陸」についてであるが、図式はUFOとそっくりだ。
・かつて大西洋に存在したが、一日で没した大陸と古代文明の話
・古代ギリシアの哲学者プラトンが伝聞に基づいて記した。
↓ ↓ ↓
・1882年、米国の政治家ドネリーがアトランティスに関する本を出版。
アメリカ大陸とアフリカ大陸に似た文明(どちらにも四角錐のピラミッド)、
似た宗教(太陽信仰)等があることに注目。これらが大西洋にアトランティス
があった証拠であり、アトランティスが文明の祖と主張。
↓ ↓ ↓
・「アトランティス人が最初の文明人、私達白人の祖先!」
欧米でアトランティスブーム。当時のイギリス首相が「軍艦を派遣して、
アトランティス大陸を探せ!」と提案するほどのブーム。
(やがて、ドイツの選民思想へ、、、だそうだ by NHK)
要するに、自分たちに都合の良い歴史的・科学的な事実(でなくてもよい、
ほんの欠片や科学のようにみえる何か)が流行するということか。
歴史の勝手な解釈や、怪しい科学技術が流行する背景に、発案者の功名心や、
さらには市民の強い期待感があるとすれば、なかなか厄介である。
だからこそ、歴史学者や科学者の役割は非常に大きいと言えるだろう。
NASA超常ファイル~地球外生命からの挑戦状~ (小学館ジュニア文庫)
- 作者: 伊豆 平成
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/10/25
- メディア: 単行本
宇宙人の乗り物としてのUFOは、『存在しない』より『存在する』の方が万人受けします。
地震予知も、『できない』より『できる』の方がメディアも扱いやすいでしょう。
真実なんてどうでも良いのです。
肯定的な意見は、どんなにデタラメでも問題ないようです。
肯定的な意見であれば、正しいか、間違っているかの議論は知識人(大学教授ら)の仕事で、一般人は関心がありません。
だから、大学教授や名誉教授が「地震予知に成功」と言ったら、肯定的な意見を知識人が言うわけですから、否定的意見は世間に拡がり難くなります。
MANTA様
御愁傷様です。
私と違い、知識人に分類されるMANTA様にデタラメ地震予知を否定する役割があるようです。
by 伊牟田勝美 (2018-08-19 20:58)
>真実なんてどうでも良いのです。
コメント、ありがとうございます。
上記のUFOは、アメリカでの話でした。合理的なアメリカ人ですら、
UFOを信じているところを見ると、人類全体として、真実よりも
見た目や希望的観測が大事なのでしょうか?
そんなことはない、とおもって学問を続けていますが、
時に無意味、無力感を感じます。
それでも私には続けるしかないのだとも思います。
by MANTA (2018-08-20 04:04)