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スーパームーンの今日、日本で大地震は起きない [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

ちまたでは、今日14日に地震が起きるのではないかという噂があるらしい。
●スーパームーンで地震が起きる!? 14日、68年ぶりの大接近
 東日本大震災の8日後にも同現象
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161112/dms1611121530002-n1.htm

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supermoon by R Singh (protected by CC License)

はぁ、、、週刊誌やスポーツ誌って、どうしてこんなネタをいつまでも引きずるのだろうか?
しかもご丁寧に、「マスコミが使いやすい学者」を利用しながら、さも科学的なネタのように
仕上げてくる(下記は上記の夕刊フジのサイトからの引用)。

”武蔵野学院大学の島村英紀・特任教授によれば、この引力と地震の関係はこれまで
学会でもたびたび触れられてきたという。(中略) 「月と太陽による引力そのものは、
地震を引き起こすほど強いものではない。しかし、地下でひずみが発生し、地震が起こり
そうになっている場所では、この引力が最後のひと押しになることは十分に考えられる」”

この先生の発言は、後述するように学術的には正しい。ではなぜ私は、
「スーパームーンの今日、日本では大地震が起きない」と言い切れるのか?
過去のデータがそれを教えてくれる。

-----
非常にありがたいことに、下記サイトでは「歴史上の巨大地震と満月・新月の関係性」
を詳しく調べてくれている。こちらを使わせて頂こう。
●超巨大地震と満月・新月の関係を「21世紀に起きたすべてのM8以上の地震」を
 加えて、気象庁データから確認し直しました
 http://indeep.jp/relationship-between-earthquake-with-full-moon-new-moon/
このサイトによれば、、、
・歴史上で最も大きかった 10の地震のうち、7つが満月あるいは新月の時期とリンク
・21世紀のマグニチュード8以上の地震20のウチ、12の地震が、満月か新月とシンクロ

「半数以上の地震が満月や新月の日に起きている!」とおもいがちだが、上記サイトを
よくみてほしい。「満月や新月と地震発生日が同じか、前後3日以内の場合」について
リンクもしくはシンクロとしている。つまり、新月~満月~次の新月までの29.5日間のうち、
7+7=14日間、1ヶ月の約半分が「シンクロ期間」である。ならば10個の地震のうちの7個、
あるいは20個の地震のうち12個が起きても、そう不思議ではない。(※)
しかも新月や満月の時に、世界で同時発生的に大地震が起きているわけではない。
月の影響を地球スケールで受けているのならば、大地震が同時発生しても良いが
そうはならない。こうして考えれば、今日がスーパームーンであろうとなかろうと、
日本で大地震が起きる確率はほとんど無関係であると言えるだろう。

冒頭の夕刊フジの記事に戻ると、「日本で大地震が起きる」とは一言も書いていない点
は巧妙だ。でもなんか日本で起きそうな空気が漂っているのは下記の一文のため。
(以下、引用)
”東日本大震災の混乱に紛れ、当時は大きく報じられることはなかったが、
地震発生から8日後の2011年3月19日にスーパームーンを迎えていた。”
だったら、今日のスーパームーンの8日前、この夕刊フジの記事が出るよりも前に
もう大地震が起きてなければならないよね。おかしくないか?

----
「え、でも武蔵野学院大学の先生の話はあってるんだよね?」
そう、あっている。例えば下記に同様の発表がある。
●月や太陽の引力が作り出す地球潮汐と地震の発生との関連を調べ、
 将来的な地震予知を目指す
 http://www.nature.com/ndigest/journal/v2/n4/pdf/ndigest.2005.050428.pdf
●巨大地震の前兆? 地球潮汐が「最後の一押し」:なゐふる No.91(2012)
 http://zisin.jah.jp/pdf/nf-vol91.pdf
●巨大地震を「月の満ち欠け」で予測できる可能性 東大研究チームが発表
 http://www.sankei.com/wired/news/161022/wir1610220002-n1.html
しかしこれらは「月の満ち欠けと地震の発生には何かしらの関係がありそうだ」
という研究である。地震発生の確率はほんのわずかに変わるようではあるが、
「満月や新月の時に大地震が起きる!」と言っているわけではない。

これをわかりやすく喩えれば、「宝くじは買わなければ当たらない」のは本当だが
「宝くじは買えば大当たり」というわけではないのだ。大地が地震の発生へ向かう過程
(地震の準備過程)を理解する際に上記2つの研究は重要であるが、地震予知に直結は
しない。というか、月の満ち欠けで地震が予知できてたら、もう地震予知は完成してるよ。

この手の報道記事は、科学的根拠もないのに大地震だ、巨大地震だと読者を煽りに
煽ったあげく、【大災害の「引き金」とならなければよいが。】として締めくくることが多い。
まったくもって無責任である。「本記事は万が一に備えての警鐘である」
「想定外は少しでも避けよう」「地震が起きなければヨカッタじゃないか」とでも
言いたいのかもしれないが、過剰な警鐘は「オオカミ少年」を生むだけだ。
っていうか、これ、もう立派なニセ科学記事です。

----
熊本地震や鳥取の地震が起きた今年。また自然災害のデマ記事が多くなってきた。
上記はその典型だし、下記もそのたぐいだ。残念なのは、大学の先生のコメントなどが
(ご本人の意図はさておき)、ニセ科学の「科学的」な裏付けに利用されている点だ。
これじゃニセ科学者のレッテルを貼られても仕方ないですな。気をつけねば。
●複数の巨大地震が発生した地震の特異日「10月28日」、どんな地震が起きたのか
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/fukuwanobuo/20161028-00063758/
 ・・・おきなかったねぇ・・・
●専門家には違和感 鳥取巨大地震「横ずれ型」発表の不気味
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161028-00000013-nkgendai-life
 (以下、引用)”これまでは、鳥取や熊本と似たようなタイプの地震でも、
 『横ずれ断層型』と表現することはありませんでした(高橋氏)"
 ・・・え? 例えば2000年(平成12年)鳥取県西部地震でも、発生直後から
 「横ずれ型」って発表されてます。他の地震もそうです(こちら)。
 この立命館大学の先生によれば「南海トラフの予兆から目をそらすため」
 とか言ってますが、、、この方、本当に専門家?
●11月15日頃から太陽が2週間消える?追記あり
 laglog.hatenablog.com/entry/2016/10/25/11月15日頃から太陽が2週間消える?
 この記事の締めくくりも”何が起こるかわからない時代。災害に備えて準備しておくのも
 悪くはないでしょう”だそうな。嘘ニュース、防災には百害あって一利なし。

(※)とはいえ、シンクロ期間は14÷29.5=約47%、それに対して満月や新月付近で地震が起きた割合は7/10=70%、12/20=60%である。やはり「満月や新月に大地震は起きやすいのでは?」と考える人もいるだろう。
確率論では、この「%の違い」に意味があるかどうかを議論(検定)できる。例えば「フィッシャーの正確確率検定」によれば、10個中7個や、20個中12個の大地震発生率では、ランダムに大地震が発生する場合と有意な差はない。
すなわち、この程度の少ない地震数で、この程度の偏り具合では、大地震と新月・満月との間に強い相関関係があるとは言えないのだ。

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鈴木

 最近、南関東で大地震が起きる危険性があるという、村井氏らの予測記事が散見されます。地震への備えを促している記事だと考えているので、はずれてもそんなに腹は立ちません。個人的には、島村氏の「現在の地震学では、いつ、どこで、どれだけの規模の地震が起きるかは誰にもわからない。」という考えが正しいと思っています。
 東日本大震災から約2週間後、私が訪れた地区の避難所で配布されていた一人あたりの食料は、朝はミニあんパン2個、昼はカップラーメン1個、夜は小さなおにぎり2個と味噌汁でした。他に500mLのペットボトルが一日1本。公的な支援はこの程度でした。避難所による差はあったようですが、生活環境が急変し、心身共に疲れ切ってストレスがたまっているのにこの内容かと思いました。ここは日本だし、地震・津波から2週間も経っているので、滋養に富んだ暖かい食事が提供されているとばかり思っていました。家を津波で流された人や、元々備えが少なかった人は、食料だけでなく他の生活物資も足りず、持っている方から分けてもらってなんとか凌いでいました。
 ところで、首都圏の直下型地震はいつ起きてもおかしくないと言われていますが、備えは充分なのでしょうか。首都圏は、住民だけでなく観光客も多いので、被災者の数は東日本大震災の比ではないと思います。それだけに、公的支援にはさらに時間がかかることが予想されます。地震から助かった人は、当分の間、自分の備蓄で生き延びるしかないと思います。ただ、熊本の地震直後のマスコミ報道よれば、首都圏に住んでいて、2週間分以上の備蓄を持っている人はそれほど多くないとか。それが正しければ、当たらないかもしれない地震予測でも、備えを呼びかける手段としては、あった方が良いと思います。その後は自己責任です。オオカミと少年に例えると、オオカミに食べられるのは少年ではなく、備えを怠った村人たちになります。人間の力では地震を止めることはできませんが、備えがあればある程度災害は防げます。村井氏等の地震予測やスーパームーンによる地震誘発を否定するだけでなく、いつ起きるかわからない大地震への備えの呼びかけも管理人様の記事の文末に入れていただければ幸いです。備えあれば憂いなしです。
 東日本大震災直後のあの荒涼とした風景や、津波の後の海水と泥の混じった生臭い臭いは未だに忘れられません。私の親戚や知人も津波で亡くなりました。二度と起きて欲しくないと思っています。

※ 地震予測の正誤に関わらず、いつ地震が来ても対応できるように備えて欲しいとの思いがあり、管理人様のブログに長文のコメントを書かせていただきました。ブログの主旨に沿わないのであれば、不掲載でかまいません。
 専門外ですが、管理人様のブログを興味深く読ませていただいております。視野が広がります。
by 鈴木 (2016-11-16 00:33) 

MANTA

>備えあれば憂いなしです
「備えあれば憂い無し」、たしかにそうです。
私だって、ある程度の食料・水の備蓄は欠かしていませんし、避難所の場所・
ルートも確認しています。
ですが、多くの人は「備えあれば憂い無し」と言われて「そうだね!」とは思わない
ようです。どうすればよいか、このブログを続けつつ悩む日々です。

>村井氏らの予測記事(中略)地震への備えを促している記事だと考え
>ているので、はずれてもそんなに腹は立ちません。
鈴木様、コメントありがとうございます。
世の中に「占い」という未来予測方法があります。
占いだったら、あたっても、はずれても、腹は立たないですね。
しかし科学の皮をかぶったニセ科学(実態は占いと同じ)を同列に考えて
よいのでしょうか?
まして、科学的根拠のない怪しげな話の上に防災を語って良いものかどうか?

なんでもよいから「防災に備えよ」では、結局備えなくなると思う次第です。
まずは地震を正しく理解することが重要と思います。
by MANTA (2016-11-16 19:32) 

立花

たしか京都大学の研究者も過去に潮汐と地震発生の関連を扱った論文を出してたように思います。
そういった論文や記事を引用して大地震に結び付けるような書き込みなどはネットでもよく目にします。
色々煽って耳目を引き付けて収入に結び付けようとする輩もいるようですし。
まあそれに乗せられるほうも悪いんでしょうけど。。

ちなみにですがウチは備蓄とかしてないんですよね(汗
手回し充電できるラジオやライトが一体になったような防災関連ツールはあるんですけども。
水くらい置いておこうかな。

by 立花 (2016-11-16 21:39) 

MANTA

立花さん、どなたの研究か分かりませんが、例えば下記のような感じでしょうか?
●月齢と地震活動の関係
 http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou72/11-05.pdf
これをみると弱い相関があるようですが、1995-1996年(兵庫県南部地震のあと)
以外には相関は見られないそうです。ですので、地震がおきるメカニズムや
地殻にかかる力の指標としては興味深い現象ですが、一般的に言われる
ような「地震の起きる確率」は、月の満ち欠けにはほぼ影響されませんね。

話は変わりますが、いま、地震に関する本を2冊執筆中です。
その中で「最低限、これだけは用意しておこう」という防災グッズを紹介する
予定です。なかでも水は「必須」です。うちのマンションは地階に貯水タンクが
あって、停電すると水がでなくなります。なので2Lペットボトル10本程度と、バケツ4杯程度の生活水は確保していますが、おそらくそれでも足りません。
どうしたものか、考え中です。
by MANTA (2016-11-17 07:54) 

伊牟田勝美

潮汐と地震が関係あるとすると、入力(潮汐力)から出力(地震発生)まで3時間以内でなければ、相関が現れないと思います。
月齢と地震との関係でも、入力から出力まで1週間以内でしょう。

片尾氏も、それを示唆する記述がありますね。
by 伊牟田勝美 (2016-11-17 21:53) 

MANTA

伊牟田勝美さん、潮汐には周期が1日程度やそれ以下のものもあれば、それより長い周期のものもあります。代表的なものは月の公転に伴う13.66日周期(Mf分潮)や27.32日周期(Mm分潮)です。ご参考になりましたら幸い。

●2-3. 変化する地球を表す(日本測地学会)
 http://www.geod.jpn.org/web-text/part2/2-3/index.html

by MANTA (2016-11-20 07:34) 

伊牟田勝美

はい。
基本的な周期(Mmは月の公転周期で、朔望月とは異なることも)は存じております。
また、満潮時刻と月の南中時刻のずれも存じております。(この影響で、月は僅かずつ地球から離れていくことも)
キチンと理解してはいませんが、近地点の変化周期も、それなりに知っております。
(天文関係も素人の横好きですが、興味を持っています)

私が言いたかったのは、潮汐力がどうこうと言うよりも、周期的な入力(例えば潮汐力)に対して応答の幅が大きいと、周期との相関関係が見えなくなることです。
例えば、潮汐の影響を受けても、地震発生までに0~12時間の幅があれば、潮汐の周期と地震との相関は見えなくなることです。
逆に、潮汐と地震との間に関係があるのなら、入力に対して精々3時間程度で地震が発生するということになり、他の要因にしても、前兆から地震発生までは最大でも3時間以内になることを示すのではないかとの見解です。
by 伊牟田勝美 (2016-11-24 01:26) 

MANTA

伊牟田勝美さん、コメントの意図を私が誤って理解していたようです。
「半日周期の潮汐がとても大きいのだから、地震が潮汐によって起きるとすれば、3時間以下の時間差がみられるはずでは?」ということでしょうか?
※例1:月や太陽の引力が作り出す地球潮汐と地震の発生との関連を
 調べ、将来的な地震予知を目指す
 http://www.nature.com/ndigest/journal/v2/n4/pdf/ndigest.2005.050428.pdf
※例2:超伝導重力計 -超伝導重力計の応用(I)
 http://www.geod.jpn.org/web-text/part3_2005/imanishi/imanishi-5.html
 
片尾さんの資料には半日周期との対応は語られてませんから、分かりませんね。今度聞いておきます。ただし、月齢と地震の関係については、入力から出力まで3~4日のようです。地球潮汐は「固体」の潮汐なので、潮汐のピークと地震発生のピークがずれるのには理由が必要です。
・なぜ数日ずれるのか?
・なぜ1995-1996年(兵庫県南部地震のあと)のみに相関が見られるのか?

つまるところ、地震の発生はそう単純ではない。月の満ち欠けとの(弱い)相関から、研究者は地震発生の複雑さの理解を進めようとしているのに、これを誤読して、「月の満ち欠けで地震を予知できる」かのように風潮する人がいる、ということかと思います。
by MANTA (2016-11-26 07:25) 

伊牟田勝美

「半日周期の潮汐がとても大きいのだから、地震が潮汐によって起きるとすれば、3時間以下の時間差がみられるはずでは?」

周期的な入力において、入力から出力までの遅れ時間が周期に比べて極端に遅い場合、バラつきの影響もあるので、入力と出力の関係は見えなくなると思います。
つまり、入力から出力までの遅れ時間は、周期に対して短くなければなりません。
潮汐の場合、1周期の間に満潮と干潮の2度の入力があると考えることもできるから、入力から出力まで6時間以上あると、どちらの入力が出力に影響しているか判別できなくなります。
バラつきの影響も加味すれば、入力から出力までは4分の1周期の3時間程度が上限となるだろうとの考えです。

仮に前兆があると仮定すると、地震発生の流れは「入力(or要因)」⇒「前兆現象」⇒「出力(地震発生)」の順になります。
地震発生と潮汐に関係があるなら、「前兆現象」を捉えて地震予知を行う場合、前兆現象の出現は地震発生前3時間以内になるはずです。

片尾さん研究によると、月齢と地震の関係では、(満月と新月が入力と仮定した場合)3~4日の遅れ時間があるとのこと。
この説を基にした場合も、前兆現象から地震発生までは精々4日となります。
巷の地震予知の多くは、地震発生の1週間以上前から予知情報を出しております。
村井氏に至っては最大2年までに前兆が出る場合もある旨の発言がありますから、片尾さんの研究を「正」とすれば、これを含め、巷の地震予知の多くが否定されることになります。
また、MANTAさんの「次の大地震はどこで起きるか?」に書かれております「南海トラフの巨大地震(プレート境界地震)が起きる前に、日本列島内陸での地震活動(陸地の浅い地震)が増える」も、疑問を感じるわけであります。

このことを申し上げたくてコメントさせて戴いていましたが、私の稚拙な文章で引きずってしまい、申し訳ありませんでした。

by 伊牟田勝美 (2016-11-28 01:05) 

MANTA

>片尾さん研究によると、月齢と地震の関係では、(満月と新月が入力と仮定
>した場合)3~4日の遅れ時間があるとのこと。
>この説を基にした場合も、前兆現象から地震発生までは精々4日となります。
伊牟田勝美さん、そのとおりかと思います。例えば巨大地震によって、震源から
離れた場所に引き起こされる誘発地震も1日~数日後に発生するものが多い
という研究結果があったように思います(いま探しましたが見つからない、また
見つけたらネタにします)。
「2,3日後」というのが、なにかのマジックナンバーなのでしょうけれど、
その科学的意味は未解明です。

>「南海トラフの巨大地震(プレート境界地震)が起きる前に、日本列島
>内陸での地震活動(陸地の浅い地震)が増える」も、疑問を感じるわけ
>であります。
こちらは(将来はともかく←ここは重要なポイントですが)、過去はそうでした。
科学的な地震予知をやろうと思うと、私達はなんだかんだいっても
過去の様子に頼るしかない、いまは他に手はないと思います。

なお、上記の片尾さんの研究についての解釈が以下にありました。なるほど。
●月齢と地震発生の相関について
 http://www.ism.ac.jp/~ogata/Ssg/tric/openhouse_iwata.pdf
by MANTA (2016-11-29 18:11) 

鈴木

 管理人様、コメントに返答いただき、ありがとうございます。地球物理を専門に学んでいなくても、地震や火山を含んだ「地球」に関心を持っている人は少なくないと思っています。そういう人がこのブログの読者に多いのではないでしょうか。私もその一人です。勝手ながら、これからも興味ある話題を期待しています。
 私も高校生の頃は、地球物理への進学を考えていました。ただ、就職に苦労するという話を聞いて諦めました。私の友人は諦めずに地球物理に進学したのですが、結局希望するような仕事が見つからず、医学部に入り直して開業医になっています。地球物理は、地震・火山の国には必要な学問分野だと思っていますが、昔は恵まれていませんでした。今は良くなったでしょうか。
 今年の大きな地震は、熊本、鳥取、そして福島で起こりました。今のところ、村井氏が指摘していた「南関東」ではなかったようですが、次はどこなのか気になります。いつ来てもおかしくないと言われている首都直下か、近年大きな地震が起きていない京都や大阪か、あるいは、いよいよ東海や南海トラフか。
 大凡の場所や日時を特定できる地震予測が確立されていない現状では、個人ができることは備えることだけだと思っています。

by 鈴木 (2016-11-29 23:57) 

伊牟田勝美

>科学的な地震予知をやろうと思うと、私達はなんだかんだいっても
>過去の様子に頼るしかない、いまは他に手はないと思います。

自然科学の世界は、やはり過去から学ぶことが大切なのですね。

私も、趣味と言いますか、ケーススタディ的にサクラの開花予想を試みています。
サクラの開花予想でも、過去の開花日と気温を調べ、その関係性を見つけることで開花日を予測しようとしています。
今春は途中で断念してしまいましたが、10月からは来春に向けて検討を再開しています。
先々週は、超々々速報と称して、来年の東京の開花日を4月4日か5日と弾き出しました。
(計算できるギリギリの時期に入ったので、試しに計算してみました)
おそらく、実際の開花日はこれより10日ほど早くなるのでしょうが、現時点の手法による計算結果はこのようになりました。
精度の良い予測ができる時期は2月頃になるだろうと、思っています。

趣味だから言えるのかもしれませんが、おそらく誰も知らないだろうと思うことを解明し、目標に近付いていく行為は、面白いものですね。
by 伊牟田勝美 (2016-11-30 01:18) 

MANTA

鈴木さん、コメントありがとうございます。まず地球物理関係は、就職状況は
悪くないと思いますよ。常に人手不足ですから。それから、、、、
>大凡の場所や日時を特定できる地震予測が確立されていない現状では、
>個人ができることは備えることだけだと思っています

さらに加えるとすると「地震や地球に関する基礎知識」だと思います。
例えば皆さん、マントルはドロドロに溶けていると思っていたりしますが、
実はそんなことはないのですよ。
地球科学や地球工学は日々進化を続けているので、そのあたりの話も
このブログでできればと思っています。

----
伊牟田勝美さん、サクラの開花予想は面白そうですね。
子どもたちと一緒になって、開花予想して、科学的な知識を育てる
なんていうのも、ええなぁ~ と妄想しましたが、地震の場合はなかなか
そうはいかない(不謹慎!って保護者さんから怒られそう?)
楽しい地震ワークショップも開催したいところですが、なかなか…

話がズレました。過去や自然そのものから学ぶことは本当に多いと思います。
そこから将来予測へとつなげたいですが、そのためには自然の法則を読み解く
必要があります。データの因果関係から一足飛びに自然予測ができるとは
私は思いませんし、正直言っておこがましいとすら思います。

by MANTA (2016-12-01 19:14) 

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