SSブログ

どうして人は偉くなるとオカシクなるのか? [▼科学ニュース New!]

先日、ある会合でこんな話を聞いた。
「偉くなるまでは本当にいい人だったのに、偉くなった途端、人が変わった」
「自分の思うように物事が進まないと苛立つし、自分を立ててもらわねば気がすまない」
「どうして人は偉くなると、ああいう風におかしくなってしまうのか?」
私もそういう人達を何人か知っている。

erai.jpg
  I am a great person in this world ! 

少し前の日経ビジネスの記事を思い出した。同誌の人気記事
「敗軍の将、兵を語る」の特別版では、経営者の失敗の法則がまとめられていた。
●「敗軍」の法則 なぜ、リーダーは失敗を繰り返すのか
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140904/270811/
- シャープ片山・元社長、再始動
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140905/270832/
- メーンバンクを持つべきだった
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140905/270835/
- 経営に「備えあれば憂いなし」はあり得ない
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140909/270999/

「暴走」「執着」「隠蔽」「忘却」「慢心」が、5つの「敗軍」の法則だそうな。
しかし、先の「昔はいい人だったのに、偉くなった」人達にはどうもあてはまらない。
5つの「法則」に当てはまる人物であれば、そもそもリーダーになれない、
偉くはなれないのではないか? 偉くなってからの変貌や失敗の原因はもっともっと
単純ではなかろうか? 以下は私自身のつぶやきからである。

どうもそんな気がする。特に、偉い人に尽くしてきた人が、偉くなると面倒だ。
「私はずっと自分のやりたいことを我慢して、やっと社長になった!」
という気持ちが強いので、「みんなのためにやっている」と本人は思っていても、
「偉い俺様が、みんなのためになることを、やってあげているのだ」感が強いし、
「偉い俺様のやることに、みんなが賛成するのも当然」と思っている。
(大河ドラマ「軍師官兵衛」での秀吉の描写がまさにそうだ)

「名選手、名監督になれず」とは誰が言った言葉だろう。
あるいは山本五十六の有名な言葉が思い出される。
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
自己の欲望など、後回しである。しかしそれができないリーダーは、少しのことに
苛立ちを覚え、我を通す。人心は(それとわからぬよう密かに着実に)離れていく。

erai2.jpg
  The Emperor's New Clothes

偉い人の下で努力した人ほどオカシクなるとはなんとも皮肉である。
あるいは「暴走」「執着」「隠蔽」「忘却」「慢心」、そんな人でも出世はできるかもしれない。
見る目のない社長が、「おまえ、元気いいな! よし次期社長だ!」と言ってしまった。
それだけのことか。

あるいは若い時は気配りができたのに、年をとって変貌したのか?
例えばデキる人の特徴は以下のようだそうな。
●「あ、この人、仕事できるんだろうな」って思う9つの瞬間
 http://www.huffingtonpost.jp/six-apart-blog/work_b_5706289.html
普段の何気ない所作の中で、他人を思いやりつつ、自分の意見を述べる。
これがデキる人である。ところが年をとり、偉くなるとデキない側へと転落するのか。
はてさて、やっぱりわからない。

先の日経の「敗軍」の法則ではこうも言っている。
”成功は偶然の産物だが、失敗は同じことをすれば繰り返す”
周りからチヤホヤされて「俺、やっぱ最高!」という成功者の自分をイメージするのでは
なく、失敗の連続からなにかを作り出す自分を想像する事が重要なのだろうか?

まあひとつ確実に言えることは、、、

私は偉くはないし、偉くもならないし、なりたくもないが、
「裸の王様」な自分にだけはならぬように気をつけたい。

追伸1:
山本五十六の言葉には続きがあるそうだ。
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
「苦しいこともあるだろう 言い度いこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つことも
 あるだろう 泣き度いこともあるだろう これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である」

追伸2:
「敗軍の将、兵を語る」にはノーベル賞の中村修二氏も登場していた。
●ノーベル賞学者は10年前、「敗軍の将」として何を語っていたか
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141007/272279/
ご参考まで。

nice!(5)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 5

コメント 1

MANTA

Facebook経由で次のようなコメントを頂きました。
”リーダーの孤独と責任に耐えられなくなって、強い己の虚像を求めるからだと思うよ。”

おっしゃるとおり。
追加させて頂ければ、孤独になる原因も、偉い人本人の我侭にあるのだと
思います。偉い人も最初は孤独ではないけど、だんだんと孤独感が増す。
するとより我侭が酷くなって、だんだんとオカシクなっていく、、、のかな?
そうだとすると寂しい人生です。
by MANTA (2014-11-15 15:41) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

京都の古墳見学おかしな選挙 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。