STAP細胞問題はどこへ向かうのか?(1) [ 科学コミュニケーション]
●STAP論文最終報告「小保方氏が画像捏造」 理研、処分検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140401-00000113-san-soci
(下表は上記記事より引用)
専門外であるこの問題にあまり首を突っ込む気はなかったのですが、
前の記事にコメントを頂きましたので、2つだけ思うところを述べさせていただきます。
(猫おやじさん、コメントありがとうございます)
1) 小保方氏は故意を認めて、論文を取り下げるべきでしょう。
2) 理研は小保方氏を処分してお終いとせず、問題の根幹を明らかにすべきでしょう。
まず1)についてですが、「データをきれいに見せたいという目的で写真を加工」するなど
科学者としては言語道断です。しかも「故意ではない、加工がダメだとは知らなかった」
などと言うのであれば、なおさらです。
そもそも「よい研究」とはなんでしょうか?
「よい実験結果を出せば、よい研究である」
しばしばこのように勘違いされています。しかしそれだけではダメです。
実験の結果や解釈を学会で報告し、あるいは論文として投稿し、同分野の専門家などと
様々な議論を行い、自身の研究の素晴らしさを他の科学者たちにも認めてもらうこと。
ここまでやって、やっと「よい研究」と言えるのです。
大学院では高度な実験テクニックを学ぶだけではなく、このように研究を通じたコミュニ
ケーションも学びます。その証拠に、大学院の博士課程の締めにあたる「博士論文」
というものは、自分の指導教員に加えて他研究室の教員も審査します。また学会発表
の回数等は成績に加味されますし、企業などへのインターンシップも推奨されています。
しかし彼女は、写真の加工よりも大事なことを大学院時代に学ばなかったようです。
----
小保方氏はまた、次のようにコメントをされています。
●「STAP論文」問題 小保方氏、9日に大阪市内で記者会見へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140407-00000527-san-soci
(上記より引用)
”小保方氏は「悪意のない間違いにもかかわらず改竄、捏造と
決めつけられたことは、とても承服できない」と反論”
論文に載せる写真を取り違えしまうなんて、科学者としてありえません。これは科学者でなく
ても、誰にでも分かることです。心血注ぎ実験をし、寝る間も惜しんで解釈し、そうしてやっと
研究成果が得られるのですよ。なのに、そんなに簡単に”肝”となる写真を取り違えますか?
あるいは、自分の論文のドラフト(印刷前の草稿)が送られてきたら、ためつすがめつ、
時にニヤニヤしながら読み返すものです。
”自分の文章をうっとり読み返すなんて、科学者って気持ち悪い~”と思うかもしれませんが
自分の論文は「自分の子供」のようなものです。後世に長く、自分の生きた証を残すのです。
なのになぜ小保方氏は、論文公開前や(あのイベントじみた)プレス発表の前に、
自分自身の「悪意のない間違い」に気づかなかったの?
すでにこのブログで少し触れました 米国ベル研での捏造事件の場合、研究所の
最終報告書が提出されてから程なく、サイエンス誌やネーチャー誌は論文を
取り下げています。捏造を行なったとされた研究者も解雇されました。
小保方氏の場合も時間の問題と思われます。
せめて、一刻も早く謝罪することを薦めたいと思います。
…長くなりましたので、2については次回へ続きます。
----
※ベル研の事件については下記にまとめられています。
●学術研究 暗黒ヒストリーをひもとく:(3)ベル研シェーン事件
(英文校正エナゴの学術論文ブログ) >> こちら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140401-00000113-san-soci
(下表は上記記事より引用)
専門外であるこの問題にあまり首を突っ込む気はなかったのですが、
前の記事にコメントを頂きましたので、2つだけ思うところを述べさせていただきます。
(猫おやじさん、コメントありがとうございます)
1) 小保方氏は故意を認めて、論文を取り下げるべきでしょう。
2) 理研は小保方氏を処分してお終いとせず、問題の根幹を明らかにすべきでしょう。
まず1)についてですが、「データをきれいに見せたいという目的で写真を加工」するなど
科学者としては言語道断です。しかも「故意ではない、加工がダメだとは知らなかった」
などと言うのであれば、なおさらです。
そもそも「よい研究」とはなんでしょうか?
「よい実験結果を出せば、よい研究である」
しばしばこのように勘違いされています。しかしそれだけではダメです。
実験の結果や解釈を学会で報告し、あるいは論文として投稿し、同分野の専門家などと
様々な議論を行い、自身の研究の素晴らしさを他の科学者たちにも認めてもらうこと。
ここまでやって、やっと「よい研究」と言えるのです。
大学院では高度な実験テクニックを学ぶだけではなく、このように研究を通じたコミュニ
ケーションも学びます。その証拠に、大学院の博士課程の締めにあたる「博士論文」
というものは、自分の指導教員に加えて他研究室の教員も審査します。また学会発表
の回数等は成績に加味されますし、企業などへのインターンシップも推奨されています。
しかし彼女は、写真の加工よりも大事なことを大学院時代に学ばなかったようです。
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小保方氏はまた、次のようにコメントをされています。
●「STAP論文」問題 小保方氏、9日に大阪市内で記者会見へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140407-00000527-san-soci
(上記より引用)
”小保方氏は「悪意のない間違いにもかかわらず改竄、捏造と
決めつけられたことは、とても承服できない」と反論”
論文に載せる写真を取り違えしまうなんて、科学者としてありえません。これは科学者でなく
ても、誰にでも分かることです。心血注ぎ実験をし、寝る間も惜しんで解釈し、そうしてやっと
研究成果が得られるのですよ。なのに、そんなに簡単に”肝”となる写真を取り違えますか?
あるいは、自分の論文のドラフト(印刷前の草稿)が送られてきたら、ためつすがめつ、
時にニヤニヤしながら読み返すものです。
”自分の文章をうっとり読み返すなんて、科学者って気持ち悪い~”と思うかもしれませんが
自分の論文は「自分の子供」のようなものです。後世に長く、自分の生きた証を残すのです。
なのになぜ小保方氏は、論文公開前や(あのイベントじみた)プレス発表の前に、
自分自身の「悪意のない間違い」に気づかなかったの?
すでにこのブログで少し触れました 米国ベル研での捏造事件の場合、研究所の
最終報告書が提出されてから程なく、サイエンス誌やネーチャー誌は論文を
取り下げています。捏造を行なったとされた研究者も解雇されました。
小保方氏の場合も時間の問題と思われます。
せめて、一刻も早く謝罪することを薦めたいと思います。
…長くなりましたので、2については次回へ続きます。
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※ベル研の事件については下記にまとめられています。
●学術研究 暗黒ヒストリーをひもとく:(3)ベル研シェーン事件
(英文校正エナゴの学術論文ブログ) >> こちら
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