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単純なスローガンの先にある空虚(3) [▼科学ニュース New!]

まさにお笑いの世界である。
市議会で過半数を取れていないのに、市長が辞職して何になるのであろうか?
ちょうど、昨日・一昨日と「単純なスローガンの先にある空虚」の話をしたが続報。
橋下市長は、議会が自分の言うことを聞かいないため、辞職するそうな。
●<橋下市長>辞意…大阪都構想頓挫、出直し選へ
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140201-00000082-mai-pol

DSC_0058.JPG
 上記は都知事選の看板。引き続き、大阪でも市長選か。

”私は大阪都構想を理念として当選した。出なおして再び民意を問う”
橋下氏はそう言いたげだが、実際は「民意」を人質とした政治パフォーマンスだ。
なぜかって? 以下を読むと一目瞭然である。
●橋下大阪市長が再選しても議論進展は疑問=他会派の協力不可欠
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140201-00000072-jij-pol
 (以下引用)
 ”大阪維新の会は、大阪府議会、大阪市議会で(中略)過半数を占めていない”
 ”議会の構成が変わらない以上、「再任されたからといって議論が進むわけではない」”
 ”再選を果たした場合、橋下氏は改めて各会派に協力を求めざるを得ないが、反発を
 招く形での辞職表明だけに、難しい対応を迫られることになりそうだ”

しかし橋下氏もアホではない。再選後でも議会が言うことを聞かないようならば、
再び辞任し、市長選に再々当選をすることも視野に入れているらしい(下記)。
●橋下氏、人気で突破図る…出直し選2度目も示唆
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140202-00000166-yom-pol
 (以下引用)
 ”橋下氏はこの日「今年2回、市長選をさせてもらう」とも語り、再選後も(中略)
 協定書が府市議会で否決されれば、2度目の出直し選に踏み切る可能性も示した”
「そう簡単に自分に対抗馬を立てられまい」とほくそ笑む同氏の顔が目に浮かぶ。
つまり議会に対して、大阪市民が「人質」にされているのである。

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実は同じような手法をつかって、市長再選を果たして高い支持率を得ている市長がいる。
名古屋市の河村たかし氏だ。
●河村市長の支持率51% 朝日新聞・メ~テレ共同調(2013年)
 http://www.asahi.com/politics/update/0311/NGY201303110002.html
●名古屋市長選、河村市長が再選~議会と建設的な関係が築けるのか(2013年)
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20130421-00024510/
●名古屋市議報酬が半額の年800万 ほかの自治体でも「高すぎる」の声(2011年)
 http://www.j-cast.com/2011/04/26094273.html?p=all
河村氏も議会と対立しているが、「市議報酬カット」「市民税減税」という市民にとって
分かりやすい目標と実績を示している(怪しい部分も多々あるが)。

橋下市長も自身の報酬はカットしているらしいが、市長選には約6億円/回かかるという。
●橋下市長が辞職、再出馬「一政治家として」3日表明へ
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/02/01/kiji/K20140201007498660.html
橋下氏の発言からは2回、いや3回でも4回でも、大阪都構想が成立するまで
市長選を繰り返す意思が感じられる。すなわち10億、20億という巨額の資金が
大阪市から消えていく予定である。それに比べれば、自身の報酬カットなんて
スズメの涙だ。あるいは下記の補助金カット額もはるかに超える無駄な出費である。
●文楽協会補助金700万円減額へ 大阪市、入場者基準届かず
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/140127/trd14012712590012-n1.htm

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私はいま「無駄な出費」と書いた。そのとおりだ。なぜなら大阪都構想の最大の
メリットは「二重行政の回避」である。ところがいま、大阪市長と大阪府知事は
蜜月関係なのだから、都構想がならずとも、二重行政回避はドンドン進められる
はずである。なのになぜ「都構想」でなければならないのか? 明確な理由が
必要である(ホントウの敵はそこにいるはずなのにね)。
あるいは大阪都構想に対しては、下記のような具体的な反論が挙げられている。
これに対して、実績とビジョンを示すべきであろう。
●大阪都構想Q&A: ご存じですか?大阪「都」では、堺が無くなります
 http://www.sakai-hitotsu.org/qa.html

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私見であるが、別に「都構想」を否定するつもりもないし、やればよい。しかし
「こうすれば大阪は元気になる」という具体的なプランを立てることが出来なければ
ただ大阪を壊すだけの話に終わるだろう(※1)。「一度やらせてみてください」といって
この国をシッチャカメッチャカにした政党のことを、私達は覚えている。
決断は大阪市民に委ねられている(※2)。
ただ彼が勝ったところで、議会は動かないのは先述のとおりだ。
1回あたり6億円の「新喜劇」をみたいのでなら、橋下氏に投票してみてもよいだろう。

※1:大阪都構想の具体的メリットを論じない理由(推論)が下記にありました。
 金銭的なメリットに乏しく、その先にある「夢」だけが拠り所、と。
 ● ポスト堺市長選の政治分析(12)(ブログ「広原盛明のつれづれ日記」)
  http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/20131201/1385849355
※2:国はすでに都構想に対する法案(大都市地域特別区設置法)の整備を済ませて
 いる。また本件の当事者は受け入れる大阪府ではなく、大阪市の側である。
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MANTA

追伸:
さきほどのブログ「広原盛明のつれづれ日記」さんより。
下記がすべて事実なら、こりゃ沈みゆく船ですな。
●ポスト堺市長選の政治分析(3)、『リベラル21』の再録(その8)
 http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/20131026

by MANTA (2014-02-03 06:15) 

MANTA

すでに同じような意見は各地で出されているね。
● 橋下徹氏の終焉(池田信夫ブログ)
 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51886418.html
● 橋下氏の出直し選に「無駄遣い」
 http://www.j-cast.com/2014/02/02195732.html
by MANTA (2014-02-03 06:17) 

MANTA

もう追記はこれくらいにしておこう。
● <橋下大阪市長>出直し市長選会見「市民の後押し受けたい」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140203-00000074-mai-pol
(以下引用)
”今夏に都構想の「設計図」を市民に示し、その上で住民投票を”
(市民に説明するチャンスはこれまでにいくらでもあったのでは…)
”選挙で5億、6億の金がかかるかもしれないが、二重行政は何千億円の無駄だ”
(その何千億の無駄の根拠をちゃんと示せばいいのでは…)

では、さようなら。
by MANTA (2014-02-04 20:26) 

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