ついにキタ!しんかい12000! [▼科学ニュース New!]
年末にこんなニュースが流れていました。
●深海底に滞在可能、2本の腕を持つ有人潜水船
www.yomiuri.co.jp/science/news/20131229-OYT1T00885.htm
※すでにリンク切れ
(以下引用)
”地球で最も深い海底まで潜れる次世代有人潜水船として、海洋研究開発機構などが
2023年ごろの就航を目指す「しんかい12000」の概要が明らかになった。(中略)
しんかい12000は、文部科学省が今年5月、開発の優先度が高い国家基幹技術に
位置づけた”
※上記記事より:現行の「しんかい6500」より一回り大きい。
4人乗りで、海底に2~3日間滞在できるらしい。
有人潜水船「しんかい6500」の後継機については本ブログでも度々取り上げてきました。
● めざせ「しんかい11000」
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23
● しんかいを組み立てる
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17
※こちらの動画「有人潜水調査船 しんかいの系譜」の後半。
しんかいシリーズに携わってこられた方々の、次世代機への熱い思いををご覧あれ。
----
さて、このプロジェクト、ほんとにやるのでしょうか?
…ハッキリ言いましょう。これはいわゆる「飛ばし記事」です。
その証拠。1)読売新聞以外での報道が見られない。2)JAMSTECの公式発表はなし。
●JAMSTEC プレスリリース
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/
そして、3) しんかい12000を作るには「それでどんな科学的発見をするか?」の議論が
必要です。例えば下記はJAMSTECの高井さんの言葉。
●高井研 まだ見ぬ生命を深海・宇宙に求めて(JAXA インタビュー)
http://www.jaxa.jp/article/interview/2013/vol78/p3_j.html
(以下引用)
”僕は「しんかい12000」を作る予算をつけてほしいと学術会議でお願いしていますが、
学術会議でそれを評価するのは科学者です”
学術会議が「しんかい12000を作ってヨシ!」と決める権限があるかどうかは、私には
よく分かりませんが、科学者が査定するのであれば、科学プランをしっかりと練る必要が
あります。で、JAMSTECの知り合いに聞いてみたけど、「なんの話もきてないよ」
6k「・・・妹の話はガセネタ何ですか?」
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2012-05-28
まあよくある話です。12月にはこの手の「○○研究所は新しい□□プロジェクトを検討している」
って話は多い。なんでかって? 12月は次年度の予算額を決めるべく、各省庁と財務省が
バトルを行っているのです(いわゆる「予算冬の陣」。ちなみに「予算夏の陣」もあって、6月頃
には省庁内部での戦が勃発中)。財務省や政府へのアピールなんでしょうね、各省庁は
この時期に「こんなプロジェクトがあるよ」とマスコミにリークしているようです。
:
:
なーーんだ、がっかり。
いやしかし、イラスト等を見る限りは全く論外の空論とも言えない。
・まず現状で、水面から水深6500mまで潜るのに片道約2.5時間、往復で約5時間かかる。
これが水深12000mになると、往復するだけで9時間以上かかる。つまり日帰りは困難。
(潜水船の沈降・浮上速度は形状などで決まるので、次世代機でも大差ないでしょう)
(もちろん流体力学を駆使して、最適なデザインを考えなおすことは大事!)
・そうなると寝る場所や食料・水・酸素などの保管庫、トイレも必要=今までの耐圧球殻
(直径約2m)の中に大人三人乗船では無理があるので、耐圧球殻を2個にふやす。
他にもいろいろなアイデアがきっと詰まっているはず(と思いたい)。例えば個人的には、
しんかい12000に小型のロボット(ROVやAUV)を搭載しておいて、海底についたら有人
+無人探査のコンビネーションをやってほしいなぁ。その辺りはまた別記事で書きましょ。
マンガ「日本沈没」では、そんなアイデアが描かれてたよ。
↓ ↓ ↓
まだまだ動き出したばかりの「しんかい12000」プロジェクト。来年度はその事前検討の
予算がつくのかな?10年かかる長い道の最初の一歩を踏み出せるかどうか、ですね。
それにしても、誰が「しんかい12000」の絵を書いたんだろう?
科学者までは話が行ってないようなので、技術者だけで荒っぽいプランを組んでる
気がしますね。今度JAMSTECに行ったら、技術系のYさんに聞いてみるか?
●深海底に滞在可能、2本の腕を持つ有人潜水船
www.yomiuri.co.jp/science/news/20131229-OYT1T00885.htm
※すでにリンク切れ
(以下引用)
”地球で最も深い海底まで潜れる次世代有人潜水船として、海洋研究開発機構などが
2023年ごろの就航を目指す「しんかい12000」の概要が明らかになった。(中略)
しんかい12000は、文部科学省が今年5月、開発の優先度が高い国家基幹技術に
位置づけた”
※上記記事より:現行の「しんかい6500」より一回り大きい。
4人乗りで、海底に2~3日間滞在できるらしい。
有人潜水船「しんかい6500」の後継機については本ブログでも度々取り上げてきました。
● めざせ「しんかい11000」
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23
● しんかいを組み立てる
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17
※こちらの動画「有人潜水調査船 しんかいの系譜」の後半。
しんかいシリーズに携わってこられた方々の、次世代機への熱い思いををご覧あれ。
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さて、このプロジェクト、ほんとにやるのでしょうか?
…ハッキリ言いましょう。これはいわゆる「飛ばし記事」です。
その証拠。1)読売新聞以外での報道が見られない。2)JAMSTECの公式発表はなし。
●JAMSTEC プレスリリース
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/
そして、3) しんかい12000を作るには「それでどんな科学的発見をするか?」の議論が
必要です。例えば下記はJAMSTECの高井さんの言葉。
●高井研 まだ見ぬ生命を深海・宇宙に求めて(JAXA インタビュー)
http://www.jaxa.jp/article/interview/2013/vol78/p3_j.html
(以下引用)
”僕は「しんかい12000」を作る予算をつけてほしいと学術会議でお願いしていますが、
学術会議でそれを評価するのは科学者です”
学術会議が「しんかい12000を作ってヨシ!」と決める権限があるかどうかは、私には
よく分かりませんが、科学者が査定するのであれば、科学プランをしっかりと練る必要が
あります。で、JAMSTECの知り合いに聞いてみたけど、「なんの話もきてないよ」
6k「・・・妹の話はガセネタ何ですか?」
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2012-05-28
まあよくある話です。12月にはこの手の「○○研究所は新しい□□プロジェクトを検討している」
って話は多い。なんでかって? 12月は次年度の予算額を決めるべく、各省庁と財務省が
バトルを行っているのです(いわゆる「予算冬の陣」。ちなみに「予算夏の陣」もあって、6月頃
には省庁内部での戦が勃発中)。財務省や政府へのアピールなんでしょうね、各省庁は
この時期に「こんなプロジェクトがあるよ」とマスコミにリークしているようです。
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なーーんだ、がっかり。
いやしかし、イラスト等を見る限りは全く論外の空論とも言えない。
・まず現状で、水面から水深6500mまで潜るのに片道約2.5時間、往復で約5時間かかる。
これが水深12000mになると、往復するだけで9時間以上かかる。つまり日帰りは困難。
(潜水船の沈降・浮上速度は形状などで決まるので、次世代機でも大差ないでしょう)
(もちろん流体力学を駆使して、最適なデザインを考えなおすことは大事!)
・そうなると寝る場所や食料・水・酸素などの保管庫、トイレも必要=今までの耐圧球殻
(直径約2m)の中に大人三人乗船では無理があるので、耐圧球殻を2個にふやす。
他にもいろいろなアイデアがきっと詰まっているはず(と思いたい)。例えば個人的には、
しんかい12000に小型のロボット(ROVやAUV)を搭載しておいて、海底についたら有人
+無人探査のコンビネーションをやってほしいなぁ。その辺りはまた別記事で書きましょ。
マンガ「日本沈没」では、そんなアイデアが描かれてたよ。
↓ ↓ ↓
まだまだ動き出したばかりの「しんかい12000」プロジェクト。来年度はその事前検討の
予算がつくのかな?10年かかる長い道の最初の一歩を踏み出せるかどうか、ですね。
それにしても、誰が「しんかい12000」の絵を書いたんだろう?
科学者までは話が行ってないようなので、技術者だけで荒っぽいプランを組んでる
気がしますね。今度JAMSTECに行ったら、技術系のYさんに聞いてみるか?
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