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活断層カフェ [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

今週の月曜日、恒例の「大人の科学バー」を開催しました。
場所はいつもの「ギャラリーキッチンKIWI」さん。
http://kiwi-lab.com/event.html

最近話題の「活断層」と「断層」の違いや、活断層がいつ動いたかを知る方法などを
紹介しました。陸上の活断層がいつ動いたかを知る方法は意外と少なく、逆に海底の
活断層の方がいつ動いたか分かりやすいというのは、意外だったかもしれませんね。
地震探査が活断層調査に役だっているというお話もしました。

DSC_1369.JPG
 科学バーの雰囲気はこんな感じ。説明しているのはは私ではなく
 大人の科学バーのマスター。マスターも科学の話をするのだ。
 しかもチョー最新の成果だった!!

いつもですが、「え、ここで質問が?」っていう瞬間があります。今回は下図について。
fault1.jpg
 断層がずれると、地面が変形する。

なので地面の変形(正確には地震波の押し引き分布)を調べると、地震の際に断層が
地上に現れなくても、断層の延びる方向(走向)が分かりますよ、というお話をしました。
ついでに「ただし、断層が90度違う方向に延びている場合でも、地面の変形は同じに
なります」とさらりと説明したら…あ、伝わらない。「なんで??」っていう人続出。

fault2.jpg
図で書くとこんな感じ。ね、断層が90度回っても、地面の変形の様子(あげ・さげの分布)
は同じ。ただこの絵、さっき書きました。科学バーでは手書きで似たような説明をしたけど
断層などが立体的 + 動きを伴う現象なので、たしかに分かりにくい。実はこれは、
「ダブルカップル問題」として知られていて、長年 専門家の頭を悩ませていたのだった。
(なので、1960年代まで「地震が活断層で起きるのはホントウか」という論争を呼んだ)
(参考:松田, 日本における活断層研究の現状と課題, 活断層研究, 1985

いまは分かっちゃったので、さして気に留めなかったけど、常識と思っていることの中にこそ
実はわかりにくい概念が混じったりするもんです。勉強、勉強。
ちなみに科学バーでは、料理ご担当のスヌ子先生から料理用の四角い器を2つお借り
して、それを使って急遽、立体的に説明することになりました。助かりました。
(でも器がガラス製だったので、割っちゃわないかどうか、ドキドキ!)
ちゃんとした図とか アニメーションとかも重要だよね。

DSC_1370.JPG
バーカウンター。ワインと地球深部探査船「ちきゅう」のプラモデル。
ピントがボケボケで恐縮。ちゃんとした写真は、卵のピクルスとともに、
KIWIさんのFacebookにアップされています。
http://www.facebook.com/gallerykitchenkiwi

Exploring Lab. 1/700 地球深部探査船 「ちきゅう」

Exploring Lab. 1/700 地球深部探査船 「ちきゅう」

  • 出版社/メーカー: バンダイ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

話はいろんな方向に飛んじゃうのも科学バーの面白さ。例えば、スイカを叩いて、甘いか
甘くないかを調べたりしますが、あのハイテク版はできるか?というのが話題になりました。
いいですね~ やってみましょうか? と言いましたが、調べてみたら、もうありました!
●スイカの甘み表示に関する意識調査(野菜のおいしさ検討委員会)
 http://www.yasaitobunka.or.jp/oishisa/report_21/rpt21_08-04.html
●音響振動法による果実の硬度評価:農業機械学実験(京都大学OCW)
 http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/faculty-of-agriculture-jp/5985000/pdf/08.pdf
でもますます興味がわきました。そのうち、まじめに実験してみます~

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今回お話した内容はまだ半分(Part 1)。例えば、逆断層や正断層の
活動は地震探査で探ることができますが、横ずれ断層はどうしよう?
(地層が上下にずれないので、地震探査では見つけづらい)
Part 2ではさらに新しい活断層調査テクノロジを紹介する予定です。
おたのしみに。
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MANTA

タイトルの「活断層カフェ」は「サイエンスカフェ」をもじったつもりだったけど、
今回のは「サイエンスバー」なんだから、正しくは「活断層バー」だったね。


by MANTA (2013-06-11 12:37) 

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