SSブログ

コンピュータは人間に「勝った」のか? [▼科学ニュース New!]

コンピュータ vs 人間。古くから映画などで扱われたテーマです。

ターミネーター4 (角川文庫)

ターミネーター4 (角川文庫)

  • 作者: アラン・ディーン・フォスター
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2009/05/23
  • メディア: 文庫



マトリックス 特別版 [DVD]

マトリックス 特別版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


今日のお話はSFではなく、コンピュータと人間が将棋で戦ったという話。
●三浦八段も将棋ソフトに敗れる…将棋界に衝撃
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130420-00000794-yom-soci
なんでも、コンピューター将棋ソフトとプロ棋士による5対5の対抗戦「将棋電王戦」が
行われて、結局、3勝1敗1分けで、コンピューター側が勝利だと。

土曜日にそれを聞いてつぶやいたのがこちら。 

「コンピュータ」と言っても、実は相手は互いに繋げられた約680台のPC!これで
将棋の「次の一手」を読んで勝利したらしい。ならば人間も680人用意しなきゃ!
とつぶやいたら、思ったよりも反響が!(15名ほどの方にリツートされました)
なかには「680人分の意見を合わせるのは難しいから、かえって弱くなるのでは?」
というご意見も。たしかに。人間は三人集まれば”派閥”ができる、と言いますもんね。

----
では人間はコンピュータに負けたのでしょうか?
別な考え方をすれば、棋士一人で、680のコンピュータと戦えたということでもあります。
(負けてますが、まあほぼ互角ということにしましょう)
いや、違うなぁ。最近は1台に複数のコア(コンピューターの頭脳)を搭載しているのが
当たり前だから、仮にコア4 x 680台だとすると、約3000ほどの頭脳と戦ったわけです。
これって凄くないですか?  人間もまだまだ捨てたものではない!

あるいは人間は複数集まれば、(揉め事も起こし気味ですが)新しい知恵が生まれます。
これはコンピュータにはできるのかな?

新造人間キャシャーン ブルーレイBOX<5枚組> [Blu-ray]

新造人間キャシャーン ブルーレイBOX<5枚組> [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: Blu-ray


そして、何より誉められるべきは、このソフトを作り出した東大の先生たち!
昨日の日本経済新聞の「春秋」(天声人語みたいなやつ)にはこうありました。
(www.nikkei.com/article/DGXDZO54278490T20C13A4MM8000/)
”棋士にとって、曇ったり染まったりするものを持たない相手との対局は、顔突きあわせる
 勝負とは異質ともいえるのである。かの大山康晴名人は座布団のしわのより具合で
 相手の心中を推し量ったという”

なるほど、プロ棋士にとって、相手の表情が読めない戦いは異質だったでしょう。
でもそれはソフトを作ったプログラマー達にとっても同じこと。複雑な勝負の世界を
数式に置き換えて、勝利を目指す。うーん、クールだ!!(と思うのは私だけ?)

ちなみに今回勝利したソフト「GPS将棋」のGPSとは、カーナビのGPSとは無関係で
「Game Programming Seminar」の頭文字だったそうです。
大学でゲームプログラミング! でもそれでこそ「大学らしい成果」と言えるかも。
(680台のパソコンも、情報教育授業用のものを流用したようですね)

どうしても「マシン vs 人間」というSF的なところが注目され気味ですが、
いまはまだ「人間の脳ミソに、コンピュータはどこまで追いつけるか」のレベルです。
映画のように「マシンが反乱する世界」はまだまだ先のようです…よね? (^^;)

 ↓ ↓ 子供の時に見た。むちゃくちゃ怖かった。

ウエストワールド [Blu-ray]

ウエストワールド [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray


nice!(8)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 8

コメント 8

みきぱぱ

ヘボ将棋の私ですが、電王戦第1局からライブで見てました。
5局ともタイトル戦に劣らない名勝負であったと思います。
(おかげで依頼された原稿ちっともすすまず^^;)

勝負ですから、白黒つきましたが、コンピューターのいいところをプロ棋士が取り入れ、プロ棋士の思考法をコンピューターのアルゴリズムに反映させて欲しいと思っています。
「人間とコンピューターが将棋界の高みを目指す。」そうあってほしいものです。

by みきぱぱ (2013-04-24 19:39) 

MANTA

みきぱぱさん、コメントありがとうございます。
>コンピューターのいいところをプロ棋士が取り入れ、プロ棋士の思考法を
>コンピューターのアルゴリズムに反映させて欲しいと思っています。
ですねーー
それが最終的には、人間の思考や進化の謎を解いたり、人間を効果的にサポート
するシステム開発に繋がりますもんね。

あと、将棋以外のゲームについてはどうなんでしょ?Facebookのほうに、
幾人かの方から囲碁についてのコメントを頂戴しました。
マージャンなんかはどうなんだろう? あれも駆け引きが凄いですが。
by MANTA (2013-04-25 08:56) 

MANTA

ふと思ったんだが、GPS将棋どうしが戦ったら、どうなるんやろ?
タテホコですな。
by MANTA (2013-04-25 19:56) 

みきぱぱ

>人間を効果的にサポート
昨年、東大の水中ロボット3匹が同時ミッションに成功しましたが、
ロボット同士が意思疎通を交わしながら作業を行うって、
クラウドコンピューター技術が利用できるんじゃないでしょうか?
海底の鉱山を多数の水中ロボットが行き来する、
なんてことを想像しちゃいました。

囲碁は少しかじっただけなんでなんとも言えませんが、マス目が多くなれば、探索ルーチンが莫大になると思うし、勝負の判定が難しそうですね。
でも、クラウドコンピューターがプロを破る日もそう遠くないでしょう。

麻雀は運のゲームですし、牌がわかっちゃったらイカサマですからねえ。w

>GPS将棋どうし
攻撃力がおなじものだから、「ほこほこ」ですねw
多分先手持ちが有利になるんじゃないでしょうか?
by みきぱぱ (2013-04-25 22:46) 

くまから

 もはや、コンピューターの量的な演算能力をもってすれば、人間は敵ではない! という結果には、私も驚いています。

>人間側もプロ棋士680人用意して戦おう!
 もっと現実的な「ハンディ」の方法として、
スラッシュドット
http://slashdot.jp/story/13/04/20/1955208/
でも話題になっていましたが、コンピュータの消費電力を人間並み(100W以下)に抑えて行うというのが良いと思います。
 ハード、ソフトともに消費電力をいかに押さえることができるか、研究の進め方としてもおもしろそうです。
by くまから (2013-04-26 11:03) 

みきぱぱ

>コンピュータの消費電力を人間並み(100W以下)に

ふと思ったのですが、HDDでなくフラッシュメモリにプログラム書き込んで、ニンテンドーDSみたいにすれば消費電力抑えられませんか?
DS1000台くらいつなげるとか・・・
by みきぱぱ (2013-04-26 21:54) 

MANTA

夢は膨らみますね!! > みなさま

>昨年、東大の水中ロボット3匹が同時ミッションに成功しましたが
>ロボット同士が意思疎通を交わしながら作業を行うって、
>クラウドコンピューター技術が利用できるんじゃないでしょうか?

みきぱぱさん、こちらですね。
●東大の浦研究室、3台の海中ロボで八丈島沖に熱水マウンドに似た地形を発見
 http://www.robonable.jp/news/2012/11/tokyo-u-1106.html
クラウドコンピュータより、まず互いの通信技術がカギかもしれません。
某氏は水中レーザーをもっと活用できるのでは、と頑張っておられます。

>ニンテンドーDSみたいにすれば消費電力抑えられませんか?

ニンテンドーDSだと2.0~2.5Wほどのようなので、50台くらいは準備
できそうですね。ただし使っているCPUはARM7およびARM9だそうで、Wikiに
よればクロック数は200MHz以下。一方のGPS将棋ですが下記サイトでは、
http://gps.tanaka.ecc.u-tokyo.ac.jp/gpsshogi/
使ったPCのCPUは「Intel Core i5 2.5GHz 4core」だそうな。
単純にクロック数だけで比較すると、DS 50台=PC4台程度かしら。
でもコア数が違うから、結局DS50台=PC1台と同程度かな?

ちなみにプレステをたくさん使って、並列計算機を作った人はおられます。
http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902268542695271
by MANTA (2013-04-30 19:13) 

MANTA


>コンピュータの消費電力を人間並み(100W以下)に抑えて行うという
>のが良いと思います。
くまからさん、なるほど、それは、、、またハードですね!!
ノートPC1台の消費電力が50-100Wくらいですから(私のは65W。
ACアダプタの定格です)、PC1~2台までならOKというところですか。

しかし、こういうことを考えるのは面白いですね。次世代の将棋ソフトはどうなる
か?とか、人間の脳ミソって意外と省エネ!とか。

成人1日の摂取カロリーを2500kcalとすると8時間ほど対戦したので、
三浦八段はこの対局で、100/1.16*8=約700kcalを消費しているのか~
などなど。

おお、将棋でダイエットできますね?
たしかに(先日)とある締め切りでむちゃくちゃ頭を使ったら、翌日1kgくらい
痩せてました。これはホントの話。
by MANTA (2013-04-30 19:14) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。