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「酷い地震予知」に騙されるな [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

あの地震から2年経った。犠牲者の方の冥福を祈り、まだ終らない震災を省みる。
(私も今日、黙祷を捧げました)
そんなニュースが多い中、こういうのも必ず混じってくる。

●杉並「M3・5」首都直下地震の前触れか…江戸300年でM7級が17回も
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130309/dms1303091447006-n1.htm
●時事130226 栃木県北部地震(提督の野望 海軍広報 Ver7.0)
 http://kaigun.sakura.ne.jp/blog/2013/02/130226.html
(以下、引用) ”この地震、2年前の3/11に起きた東北大震災の前震のパターンに
 似ているという話がネットの一部ででています (中略)大地震の周期説とも重なります”
M3.5の地震なんてしょっちゅう起きているし、2月25日の栃木県北部の地震(M6.2)の
どこが東北地方太平洋沖地震の前震と似ているのだろうか?

これらはまだマシな方で、もっと酷い「いいかげんな地震予知」が巷をにぎわすことが
ある。以下は例である。そして全てハズレだ。

巨大地震の予知や制御は、映画で見るほどに簡単ではない

●今度はいつですか「次々に当てる」地震解析業者に聞く
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/18120
 電離層の乱れを観測。2011年8月~9月に3つの地震を予知 → 発生せず
●研究者「12月から1月、第2の東日本大震災が東北を襲う!」
 http://www.news-postseven.com/archives/20111116_70694.html
 FM電波による予知。2011年12月~翌1月に発生? → 発生せず
●極東で1カ月内にM7級地震予測 ロシア・カムチャツカ当局
 http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012021301002409.html
 八つの地震予測方法に基づく。2012年2~3月に発生? → 発生せず※注1
●「12月29日に琵琶湖周辺でM7.8地震」!? またぞろ「独自予報」で不安の声
 http://www.j-cast.com/2012/12/17158548.html
 FM電波による予知。2012年12月29日に滋賀で大地震? → 発生せず
●地震雲の第一人者が緊急警告 首都圏10日以内に震度6
 netallica.yahoo.co.jp/news/20130113-00000003-a_aaac ※リンク切れ
 地震雲による予知。2013年1月7~10日に東北で大地震? → 発生せず

参考:地震震度・震源データ(気象庁)
●推計震度分布図
 http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/suikei/eventlist.html
●震度データベース検索
 http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/shindo_db/shindo_index.html


電波を用いた地震予知が目立つ。その原理は上図のよう(読売新聞より)だそうだが
どの予知・予測もハズレである。一方で、先の栃木北部地震の予知にも、
昨年12/7に津波を起こした三陸沖地震(M7.3)の予知にも、成功してはいない。

-----
ところで「占いというものは、決してハズレない」ということをご存知だろうか?
例えばある占い師に「もうすぐ悪いことが起きそうよ」と言われたとする。
・その通りに不幸がおきれば、占いは当たりである。
・不幸なことが起きなければ、占いのお陰で注意したのでよかった、となる。
・あるいは占い師は「まだよ、悪い予感は継続中よ」と言っておけば良い。
 その人の身にも、そのうち悪いことは起きるであろう。

地震予知のなかにも、案外こういうのが多い。例えば上記の12月29日の予知。
予知の日はとっくに過ぎているが、驚く無かれ、予知の「続報」が次々に出ていて、
発生時期は1月→4月と徐々に修正されている。そう、この予知は「必ず当たる」のだ。
※追記
●No.1778 長期継続特殊前兆 原稿校了後の前兆変化について 続報 No.008
 http://www.jishin-yohou.com/1778_zokuhou_008.pdf
●No.1778 長期継続特殊前兆 原稿校了後の前兆変化について 続報 No.013
 http://www.jishin-yohou.com/1778_zokuhou_013.pdf 

また上記の「次々に当てる」地震解析業者の話も、かなりおかしい。これには
某大学名誉教授が絡んでいる。近日中に検証記事をアップする予定だ。
(この記事中ではあえて個人名を抜いています。上記リンク中を御覧ください)

それでも地震への不安は重くのしかかる。
そうだ、地震の前に動物が騒ぐといったっけ? あれはどうだ?
続きます。

※注:USGSによれば3月12日に千島列島で地震が起きている(M5.6)。
 http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/shakemap/list.php?y=2012
 http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/shakemap/global/shake/b0008fj2/
 しかし同年、千島列島では16回地震が起きているので、発生予測期間を「1ヶ月間」とすれば、いつ予測を
 出しても必ずあたる。また当該都市の震度は無感であったと思われる。


※追記(4/11):串田氏の最新情報(3/1)によれば、発生時期は「早い場合で4月29日±5」とのこと。
http://www.jishin-yohou.com/1778_zokuhou_016.pdf
ちゃんと「早い場合」と付けられてるところをみると、これからも予知の「更新」を続けられるのでしょう。 ところで、この「長期前兆No.1778は、初めて体験する特殊前兆形態である」そうです。なのに予知情報が出せるのですね、不思議、不思議。
http://www.jishin-yohou.com/99_blank003.html

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MANTA

調べてみるとネット上には「酷い地震予知」の屍がたくさんありますね。
下記もその1つ。ご覧あれ。
http://togetter.com/li/297408
(以下、引用)"これから五月23日頃までの間、(中略) 必ず房総沖(神奈川沖)巨大地震と大津波が発生すると思います。もし起きなければ、これまで30年続けた地震予知をやめます”

by MANTA (2013-03-13 18:25) 

ソネンの師匠はダナ

串田氏は著書の中でも引用先の記事でも、今後の観測次第で、12月29日に起きるとは言ってないですね。
by ソネンの師匠はダナ (2013-04-09 02:21) 

MANTA

>今後の観測次第で、12月29日に起きるとは言ってないですね。
いつまでに起きるとも言ってませんね。そこが「ミソ」です。

参考:http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2009-08-23
>こんな発生時期予測だったら誰にだってできます。予測時期延期を繰り
>返して地震が起きれば「やはり起きた」と言えばよいし、仮に起きな
>かった場合は「地震以外のプロセスで歪が解放されたようだ、ヨカッタ」
>と言えばよいでしょう。これを事後予知といいます。

by MANTA (2013-04-09 12:47) 

ソネンの師匠はダナ

確認しますが、MANTAさんは「12月29日に串田氏が地震が来ると予知して失敗すると先延ばしにしていて酷い」という内容で書いているのですよね。もう一度書きますが、彼は12月29日に来るとは書いていないのに、予知を失敗した、というレッテルを貼られているわけですよね。私は科学の話ではなくて、モラルのことを言っているのですよ。
by ソネンの師匠はダナ (2013-04-11 00:47) 

MANTA

なるほど、上記の私の記事だけを読むと、串田氏はまるで「12月29日にこそ
地震が起きる」と言っているように誤解する方がおられるかもしれませんね。
これは失礼いたしました。 > ソネンの師匠はダナ
読者の皆様、ぜひ元記事(J-CAST)をお読みください。

ところで、件の氏は起きそうな期間の開始を「月日」で指定できるのに、最も
危険な日や、危険が過ぎ去りそうな時期については何もわからないのですね。
そして予測はどんどん更新可能であり、何ヶ月間も更新を繰り返す、と。
イチ科学者から言わせて頂ければ、科学的モラルはどうなっているでしょう?

というわけで、この予知は決して「失敗しない」のです。
単に住民の不安を煽るだけであり、当たったとしても何の意味もないです。
by MANTA (2013-04-11 08:11) 

だんご

地震予知は あたらない可能性のほうが高いです
しかしそれを否定するつもりもありません
本人たちは 本人なりに データーをとり 少しでも助かるならと公表しているにすぎません
だれだったか 予言者中丸薫氏のように地震が来るからと安全な地域に引っ越しするような方より 全然ましです
地震予知が あたらないにせよ 自分たちはその情報により 地震に備えることができます
1000年に一回の地震が これからくるかもしれないのです
そう簡単に あたるほうがおかしいでしょう
by だんご (2013-04-24 19:17) 

MANTA

>地震予知が あたらないにせよ 自分たちはその情報により
>地震に備えることができます

だんごさん、備えることになりません。当たらないのですから(笑)
上記の地震予知のニュースを良く見てください。どれも(程度の大小はあれど)
「科学的な根拠に基いて、これだけ予知が当っている」と謳ってます。
でも当たらない。つまり彼らの科学的根拠はとても弱いのです。
彼らが今すべきことは、より深い科学的議論ですが、実際にやられておられる
のは、予知情報の有料化や関連書籍の宣伝です。

またこれらのニュースではよく「当たるかどうかは分からないが、備えておく
ことに越したことはない」と添えられています。これについても私は違和感を
抱いています。これはまた近日中に記事にする予定です。お楽しみに。

----
なお、「科学的かどうかなんてどうでもいい、地震は怖いものだから、少しでも
あたる予知だったら信じたい」という方々を止める気は毛頭ありません。
それは占いや宗教と同じで、(記事本文に書いたように)必ず当たります。
そして、信じるものは救われます。
by MANTA (2013-04-25 13:00) 

MANTA

お詫び: 2013/04/11 08:11の当方のコメント内で、コメントを下さった
読者のお名前に「さん」をつけ忘れておりました。失礼いたしました 。
(コピーペーストの間違いです、悪意はございません)

金田君に怒られますね(AKIRA)。
by MANTA (2013-04-25 19:50) 

MANTA

この記事Upからまる3年。驚くべきことに、上記の12月29日の予知は
「まだ継続している」そうである。
●「長期前兆No.1778」について 新書原稿校了後のフォロー
 http://www.jishin-yohou.com/99_blank003006.html
●2016-5-05「長期前兆No.1778」続報No.142を更新しました
 http://www.jishin-yohou.com/1778zokuhou142.pdf

同氏のページによれば、「PHP新書「地震予報」をお読みいただいていない
方には理解できない形になっております。 未読の方は、ぜひPHP新書
「地震予報」をお読み頂ければ幸いです」とあるが、読む必要などない。
この地震予知は「絶対にあたる」のだ。
その仕組は上記記事に書いたとおりである。

by MANTA (2016-05-08 10:40) 

MANTA

さらに続き。長期前兆No.1778は8年間継続しましたが、
「全て収束し、10/18に地震発生の可能性がある」と発表されました。
推定領域は京都府・滋賀県・福井県・石川県・富山県・岐阜県・愛知県・長野県。
(静岡県・三重県の一部も含む)
●2016-10-13「長期前兆No.1778」続報No.170を更新しました
 (長期前兆その後 - PHP新書「地震予報」フォローページ)
 http://www.jishin-yohou.com/1778zokuhou170.pdf
 http://www.jishin-yohou.com/99_blank003006.html
、、、おきませんねぇ、、、でその後。「長期前兆は終わるかと思ったが、
まだまだ継続中」とのこと。ね、これは「必ず当たる」地震予知なのです。

一方、10/21には鳥取県中部でM(マグニチュード)6.6の地震が起きてます。
あれだけたくさんの府県に地震発生の可能性があると言ってたのに、
鳥取県で起きるなんて。ねぇ、、、、、
by MANTA (2016-11-19 19:48) 

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