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めざせ「しんかい11000」 [▼科学ニュース New!]


去年のつぶやきで恐縮です。下記のナショジオでのアンケートについてです。
キャプチャ.JPG
クイズ・投票 - 深海と宇宙、どちらに興味がある?」(ナショナル・ジオグラフィック)より

深海も人気あるのね!宇宙のほうが圧倒的な人気かと思ってましたよ。
そんな海底調査ですが、一昨日、気になるニュースが。
●深度1万メートル超す有人潜水艇の開発目指す 海洋機構
 www.nikkei.com/article/DGXNZO50302980V00C13A1TJM000/
記事によりますと…
”海洋研究開発機構が今後15年程度の研究開発目標を盛り込んだ「長期ビジョン」
 を5年ぶりに改定した。(中略) 現在の「しんかい6500」を上回る
 1万1000メートルの深さまで潜れる有人潜水艇の開発に着手する。”


以前も書きましたが、しんかい6500も訓練潜航から数えると、もう25歳。
それなりに「お婆ちゃん」ですよ。やっと次世代機の話がでたか、という感じ。
しかし上記の「長期ビジョン」を読んだけど、そんなこと書かれてないな…
●長期ビジョン~海洋・地球・生命の統合的理解への挑戦~(JAMSTEC)
 http://www.jamstec.go.jp/j/about/vision/
さては日経お得意の「飛ばし記事」か?いやまて、JAMSTECのWebサイトには
いつの間にか「しんかい6500」の特集ページができているではないか。
しかも、そこではパイロット一人ひとりが「次世代の潜水調査船」について語っている。
http://www.jamstec.go.jp/shinkai6500/pilots/
個々の意見はいろいろですが、JAMSTEC技術陣では議論が始まっているようです。


 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2012-05-28
 しんかい6500 「つ、ついに、妹が!!」

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一方で、科学者の方はどうか? 実はFull depth=世界の海の最深部(11000m)
まで潜る有人潜水船は必要はないと考えている人が意外に多い。例えば下記は、
深海研究者の第一人者、JAMSTECの高井さんの文章を見た時の私のつぶやき。
  • manta33blogmanta33blog科学者がのぞんでこそ、あらたな有人潜水船は産まれる。これだと要らないということか? http://t.co/zDaxQREl08/19 世界一深く潜れる有人潜水艇は必要か?(ナショナル・ジオグラフィック)
  • manta33blogmanta33blog”超深海を探査するのに水深11000m級の無人潜水機を持っていれば(現在はコレすらない)、必ずしも有人潜水艇が同じ深度性能を持つ必要はないでしょう” 30回以上も海底に潜った男の言葉。http://t.co/lViwm82008/19 世界一深く潜れる有人潜水艇は必要か?(ナショナル・ジオグラフィック)

※おまけ:有人の深海調査を続けるためにも「しんかい6500」による優れた研究成果を
 高井研 (Blue Earth 2007年1・2月号)
 http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/data/doc_catalog/media/be87_all.pdf

----
はてさて、次世代の潜水調査船はどんなスタイルが望ましいのか? 
あるいは科学者にとっては、お金がかかる有人潜水船はもう不要なのか?
今後、真剣な議論が必要です。
10年ほど前、「しんかい6500」のお姉さん、「しんかい2000」の引退が検討された時
研究者コミュニティーは「しんかい2000」が無くなることに対して、「いや、必要だ!」
というまとまった声をあげることはありませんでした。それが返って、引退を促したとも
言われています。アクションしなければ、歴史は繰り返されるでしょう。

最後に、宇宙の話に戻りましょう。世界の多くの国々(日本も!)は現在、
有人宇宙探査を目指しています。なのに海底は有人調査を手放す?現状維持?
みなさんはどう思います??

え、私はどう思うかだって? フフフ、また改めて書くことにしましょう。
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noname


> しかし上記の「長期ビジョン」を読んだけど、そんなこと書かれてないな…

はdoubt.

上記ビジョンのp. 21に

斬新な科学的発想・発見・考察を促すことができる有人潜水船の開発(たとえば、「透明耐圧殻有人潜水船」)は、人間の自然観を変える画期的な研究成果を生み出す可能性を秘めたツー ルとなりうる。

のくだりがあります
by noname (2013-01-24 14:44) 

MANTA

あ、ホントですね!!ありがとうございます。見落としておりました。
しかし見落としますよ、どこにも「さらなる深海を目指す」とは書かれてないし。
「透明耐圧殻」の船なんて、こないだのダイオウイカ特集で出たたし。

昨日、JAMSTECの研究者の方にお会いしたので話を聞きましたが、研究者
レベルでは何の話も来ていないとのこと。うーむ、どうするんだろう?

by MANTA (2013-01-25 07:58) 

みきぱぱ

有人潜水調査船は大事に使えば長持ちしますが、退役するので、すぐに代わりのをという訳にはいきません。次世代潜水調査船をどうするか?無人機(水中ロボット)を含めて考えてもいい頃だと思います。

できれば世界中の潜水調査船が協力しあって、深海調査ができるといいなあ。
by みきぱぱ (2013-01-25 18:54) 

MANTA

>次世代潜水調査船をどうするか?無人機(水中ロボット)を含めて
>考えてもいい頃だと思います
みきぱぱさん、そのとおりだと思います。いろんなアイデアが必要ですね。
JAMSTECには大小、あわせて6つくらいのAUVが完成しています。
有人機の連携できると楽しそう!
でも議論はまったく始まっておらず、ニュースだけが先行してます。
by MANTA (2013-01-26 23:51) 

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