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深海へ潜る(4) [ 海底鉱山]



今日も海の上です。沖縄県 石垣島のはるか沖合にいます。

今回はほぼ毎日、しんかい6500の上に登ったり、中をのぞき込んだり
しています。写真の1枚目がしんかい6500の背中(?)です。
横から見た船体は白色なのですが、上側はこのように少し灰色です。

「しんかいは横はきれいですが、上側は汚れてしまうんですね」
私が、潜水船の司令(しんかい6500の運航の責任者:もちろん乗船されてます)
に聞いてみたところ、「あれは汚れじゃなくて、滑り止めなんです」
なるほど! しんかいの丸まった背中から落っこちないような工夫がされて
いたのですね(汚れているなんて言って、スミマセン!)

あと、背中の真ん中にはハッチのようなものがあります。
ここから人間が乗り降りするのでしょうか? いいえ、ここには万が一、
しんかいが海底から浮上できなくなった時のため、救難ロープが格納されて
いるのです。このハッチが開くと、水面へ向けてロープが伸びる仕組みです。
でも何mくらいのロープがしまわれているのでしょうか?1000m?2000m?
こちらも今朝(つい先程)潜技士さんに聞いたところ、
「60mです」
え、短くない?  いやいや大丈夫。JAMSTECさんには
「船の上から深海へ鉤爪付のロープを伸ばして、海底のものを吊り上げる」
という神業のような技術(”掃海”と呼ばれています)があるのです。
60mもの長さのロープが海底から浮いていたら、引っ掛けて吊り上げるのは
朝飯前、とはいわないけれど、かなりの確率で浮上できなくなった しんかい
を回収できるでしょう。

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写真2枚目は(今度こそ)人間が乗り込む方のハッチを上から覗き見たところ。
このハッチは、しんかいの頭(?)の上の黄色い部分の中にあります。
しんかいの船内はご覧のとおりとても狭い。
この球形の室内に、大人3人が乗り込みます。
深海の圧力にもっとも耐えやすい形が球なのです。
(四角だと角に力が集中しやすいのだ)

おっと、いかん、今日も潜航準備のアナウンスが流れました。
私は今回は1度しか潜りませんが、潜る方をお見送りしないと。
ちなみに「スイマー、スタンバイ!」が潜航準備の合図。
なんでかって?
それは次回のお楽しみ。つづきます〜
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コメント 4

アヨアン・イゴカー

こんなに狭いところに入って潜るのですか。
あまり長く潜っているのは厳しい空間ですね。
by アヨアン・イゴカー (2012-05-04 16:36) 

MANTA

>あまり長く潜っているのは厳しい空間ですね。
アヨアン・イゴカーさん、私が潜った時は8時間以上、この中にいました。
狭いは狭いですが、とても快適な空間です。
ただ、翌日は(なんと)お尻が筋肉痛でした (^^;)
変な姿勢で海底を観察していましたからねぇ。
by MANTA (2012-05-27 23:05) 

しろくま

狭いというよりも、何か怖そうですね。だけどこんな薄着でもぐったら寒くないのですか?

それにしても、最新式の潜水艇でも6000メートルぐらいしかもぐれないというのに、何で50年も前の人が1万メートルももぐることが出来たんでしょうか?
by しろくま (2012-06-17 09:54) 

MANTA

しろくまさん、コメントありがとうございます。
>狭いというよりも、何か怖そうですね。
最初は怖いかなぁと思ったのですが、さすがは日本が誇る潜水調査船、
がっしりしたもんです。怖いってことはちっともありませんでした。
あと3人も乗っているので、寒いってこともなかったです。
(ちょうどよい気温でした)

>何で50年も前の人が1万メートルももぐることが出来たんでしょうか?
ただ潜って、上がってくるだけだったら簡単です。つい先日も映画監督が
水深1万メートルまで潜りましたね?難しいのは、潜った上で自由に調査
活動を行うことだと思います。
とはいえど、映画監督は人類史上3人目の快挙ではあります。
さあ、日本の次期有人潜水調査船はどうするべきか?

by MANTA (2012-06-17 16:26) 

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