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ふつうって何だろう? [▼科学ニュース New!]

先日は海底の金属資源のお話を少ししました。海底調査というと、経済側面に注
目が集まったり、海底火山のような特徴的なものに注目が集まりますが
こんな記事が9月末に報じられてましたよ。

●「ふつうの海洋底」観測 水循環など全体像解明へ
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100927-00000079-san-soci
新規作成_1.jpg
(図も上記記事より)

「ふつうの海底」ってなんじゃ?って感じですが、そもそも「ふつう」ってなんでしょう? 
三省堂の国語辞典によれば「ふつう」とは、
・世間にざらにあり、なんら変わった所が見られないこと
・平均水準
だそうです。なんか調べる必要あるの?って思うでしょ。でも普段から身の回りにある
からといって、実はわかったつもりになってるだけで、本当は何かわからないことって
身の回りにも多いのでは? 例えば「ふつうの大人」って? 「ふつうの幸せ」って?
さらに言えば普通=普遍と言えなくもない。

なんだか禅問答のようになってきましたが、上の図にあるような、日本のはるか沖合の
海底は静かで冷たくてまっ平らで「ふつう」って思わていましたが、その実態は実は不明。
(沖合の深海なので調査されていない)
しかもその「ふつう」に、地球進化の謎がたくさん秘められているらしいのです。
地震・火山の謎も解き明かせるかもしれません! どうです、興味湧いてきました?
私はこの計画には直接参加していませんが、無関係でもありません。
(じゃあなんだ? 笑)
ロボットも、海底観測も、日本がリードしている分野です(競争ですが)。
おもろい発見に期待してください。

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そういえば「よく見ているけど、まだまだ調査されていないもの」といえば
お月様もそうですね。日本も月周回衛星「かぐや」を送り込んだのも記憶に新しい。
3929168011_3ef4ab227f.jpg
Rimlight: Shackleton Crater By NASA Goddard Photo and Video
(protected by CC License)

そんな月ですが、思ったよりも水があるらしい。
●月面にはかなり大量の水が存在=米NASA
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101022-00000019-wsj-int
これは重要で、月に基地を作ろうとするとやはり必要なのは水なのです。
過去記事はこちら)。
しかし、、、確かに水はあるけれど、なんか大した量じゃあないなぁ。
例えば地球の砂(っぽい土)は質量に対して5~30%の水を含むらしい。
●土の含水比試験(日本建築総合試験所)
 http://www.gbrc.or.jp/contents/test_research/test_series/document/so_02.pdf
上記の月の表面はいまのところ多くて5%程度らしいので、地球上の砂と同じくらい。
これじゃあ、飲み水どころか、1滴の水を得るのも大変だねぇ。そうはいっても、いままで
「月には水は1滴もない」のが「ふつう」と思われていたんだから、ふつうがふつうじゃあ
なくなったわけではあります(ややこしい)。場所によってはもっとたくさん水がある
地域が見つかるかもね!! (氷山になっていたりして)
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optimist

未調査領域の海底を調査と言うほうが、合っている気もします。
確かに、ふつうかどうかは、調べて見なきゃ分からないような^^;

by optimist (2010-11-10 23:15) 

MANTA

>未調査領域の海底を調査と言うほうが、合っている気もします。
optimistさん、「未調査」地域を「調査」するのは当たり前なので、「ふつう」って
言葉が冠についたのでしょうね。 > Yahooニュースの記事。
海底と言えば、かつて山も谷もなくて、まっ平らだと信じられていました。
ところが実際には海嶺や海溝があって、陸上に負けず劣らずのデコボコぶり
でした。「ふつう」が「ふつうじゃない」に変わる瞬間こそ、研究をやっていて
喜びを感じる瞬間です。
by MANTA (2010-11-13 19:12) 

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