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資源探査ロボ、発進! [▼科学ニュース New!]

先日の尖閣諸島問題以来、中国のレアアース輸出制限が問題になっています。

上記はドイツの対応ですが、日本ももちろん対応を迫られています。
レアアースとはレアメタルの一部で、いまや日本の産業にはなくてはなりません。
たとえば、ハイブリッド車や電気自動車のモーター、太陽光発電パネルなどに必要です。
ところがその生産量の97%は中国なので、困ったことになっています。

●時論公論 「どう確保するレアアース」(NHK解説委員室)
 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/61427.html  
●視点・論点 「レアメタルの実情と日本の課題」(NHK解説委員室)
 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/3210.html
周期律表で見るとこんな感じです。
●レアメタル、レアアース
 http://www.carview.co.jp/green/ecoword/9/106/

そこで、日本は海底からレアメタル、レアアースを採掘する道を探っています。
●海底のレアアース探査、ロボ開発加速へ 中止から一転(asahi.com)
 http://www.asahi.com/science/update/1015/TKY201010150134.html
●海底資源特集(JAMSTEC)
 http://www.jamstec.go.jp/j/about/research/shigen/index.html?jn
JAMSTECさんはすでに自動航行ロボット「AUVうらしま」を運行中です。

 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2006-06-09
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2006-07-01

私も深くかかわっているプロジェクトです。海底ロボットと海底下の探査装置を開発して
海底資源を発見→採掘→日本の産業へ利用しちゃおう!というわけです。
上記のasahi.comでは「今回の尖閣諸島問題を受けて」というような書き方ですが
JAMSTECの中の人たちは以前から資源探査ロボットの検討を重ねています。
このプロジェクトは実質的には3年前から始まっていたのです。政権交代などで
停滞しましたが、今回やっと予算がついたか、というのが感想です。

考えてみたら、冒頭のAFP電も「ドイツ」の話で、尖閣諸島問題は直接は関係ないですね?
中国はかつてはレアアースの輸出国でしたが、国内産業の成熟に伴って資源を売る側
から、製品を製造・販売する側へと転換しましたので、2006年頃からレアアースの輸出を
制限し始めているのです。日本側が手を打ち始めているのも当然です。
逆にいえば、中国は尖閣諸島問題をきっかけに自国の政策を進めているにすぎません。
(まあ、資源輸入大国の日本が右往左往するには十分なわけですが)


先日の清水港の実験も、海底資源探査装置の開発の一環です(ロボットに積む予定)。
そうはいってもロボットや装置の開発には時間もかかるし、失敗もする。
まあ温かい目で見守ってやってください。
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HIROMI

海底も資源の宝庫なんですね。
by HIROMI (2010-10-23 10:13) 

MANTA

HIROMIさん、そうなんですよ。ワールドビジネスサテライトでも取り上げられた
らしい。録画すればよかったな。でも現実は、そうとうシビアです。努力、努力!
by MANTA (2010-10-23 18:57) 

optimist

尖閣問題で、一気に注目が集まりましたね。
かえって予算が通り易くて良い面もあるのでしょうか?
by optimist (2010-11-10 23:11) 

MANTA

optimistさん、コメントありがとうございます。
>かえって予算が通り易くて良い面もあるのでしょうか?
ないです。むしろ減るようですよ。
上記のasahi.comの記事も、聞いてみると実は来年度予算の前倒しで、
来年度はロボットやセンサーの開発費が減るそうです。つまり開発期間が
短くなっただけで、その分慌てて作るのでスペックダウンや、最悪失敗の
憂き目になりかねません。
by MANTA (2010-11-13 11:51) 

akashi

海底探査船のシンポジウムが開催されます。
無料です。
芦田 譲 京都大学名誉教授や資源エネルギー庁担当総括課長補佐さんらもいらっしゃいますので、興味ある方は、ぜひどうぞ。▼▼
http://www.kyowakyokai.or.jp/event/ev22-1126.html
by akashi (2010-11-23 17:13) 

MANTA

コメントありがとうございます。先日も芦田先生が講演されるシンポジウムに
参加しました。今回は残念ながら参加できませんが、上記シンポジウムが
成功することを祈っております。
by MANTA (2010-11-23 19:56) 

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