予測誤ったIPCC [ 地球温暖化を学ぼう]
※注(2014/05/19):下記記事ではAFP BBの記事(写真付き)の貼り付け機能を
使っていましたが、レイアウトが崩れるためテキストリンクのみへ変更しました。
(ソネブロさん、AFP BBの件、ご修正をよろしくお願いいたします)
●「抜本改革が必要」、予測誤ったIPCCに国際検証委が勧告
2010年08月31日 10:16 発信地:ニューヨーク/米国
http://www.afpbb.com/articles/-/2752164?pid=6127650
こんなニュースが。
例の「ヒマラヤ氷河が解けてしまう時期」に関する誤りについてである。
●ヒマラヤ氷河の解氷速度の誤り認める、国連パネルが陳謝
2010年01月21日 16:55 発信地:ジュネーブ/スイス
http://www.afpbb.com/articles/-/2685225?pid=5209336
「× 2035年までには解けちゃう → ○ 2350年までに解けちゃう」
のようなので、この間違いは大きい。問題を重視した国連はIPCC(気候変動に関する
政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)のあり方全般
について外部機関(国際科学組織インターアカデミーカウンシル)に調査を依頼していた。
●温暖化報告書の誤りをめぐり、IPCCの調査を依頼 国連
2010年03月11日 09:36 発信地:ニューヨーク/米国
http://www.afpbb.com/articles/-/2708245?pid=5475626
今回その結果が出たわけだ。AFP伝の和訳ではおとなしめの表現であるが、
インターアカデミーカウンシルがIPCCに下した評価はけっこう厳しい。
下記の英語サイトが参考になるだろう。
●InterAcademy Council Report Urges 'Fundamental Reform' Of IPCC
(Science 2.0)
http://www.science20.com/news_articles/interacademy_council_report_urges_fundamental_reform_ipcc
要約すれば。。。
・IPCCが信頼性と独立性を高めるためには、委員はIPCCとは独立な者、
あるいは気候科学コミュニティーに属さない者であるべきだ。
・IPCCは研究結果のレビュー者を奨励し、レビュー者の権限が最大限
発揮されるよう努めるべきである。
だそうで、いいかえれば今までのIPCCでは上記2つの基本項目が満たされて
いなかったということか?ノーベル平和賞を取った権威もがた落ちである。
とはいえ、上記のScience 2.0の記事をみると、「IPCCの全ワーキンググループ
は科学的証拠や、研究者間の合意の程度を添えて、気候変動のとりまとめ結果を
呈すべきだ」とあるが、それは特に「温暖化による将来予想」に関してであるようだ。
(上記のヒマラヤ氷河も将来予想の誤りであった)
どのような問題であっても将来予測というのは、過去の現象理解と比べると
相当な困難が付きまとうのが常である。それに対して慎重に結果を出すことを
インターアカデミーカウンシルが提言するのは、あたりまえであろう。
だからといって温暖化の「現状」に対する科学的理解そのものが瓦解したわけでは
ないので、温暖化懐疑派の方々にはあまり浮かれぬことをお勧めしたい。
またこれは、2014年に予定されているIPCC第5次報告書への体制作りの一環とも
いえるだろう。
●「抜本改革が必要」、予測誤ったIPCCに国際検証委が勧告
2010年08月31日 10:16 発信地:ニューヨーク/米国
http://www.afpbb.com/articles/-/2752164?pid=6127650
こんなニュースが。
例の「ヒマラヤ氷河が解けてしまう時期」に関する誤りについてである。
●ヒマラヤ氷河の解氷速度の誤り認める、国連パネルが陳謝
2010年01月21日 16:55 発信地:ジュネーブ/スイス
http://www.afpbb.com/articles/-/2685225?pid=5209336
「× 2035年までには解けちゃう → ○ 2350年までに解けちゃう」
のようなので、この間違いは大きい。問題を重視した国連はIPCC(気候変動に関する
政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)のあり方全般
について外部機関(国際科学組織インターアカデミーカウンシル)に調査を依頼していた。
●温暖化報告書の誤りをめぐり、IPCCの調査を依頼 国連
2010年03月11日 09:36 発信地:ニューヨーク/米国
http://www.afpbb.com/articles/-/2708245?pid=5475626
今回その結果が出たわけだ。AFP伝の和訳ではおとなしめの表現であるが、
インターアカデミーカウンシルがIPCCに下した評価はけっこう厳しい。
下記の英語サイトが参考になるだろう。
●InterAcademy Council Report Urges 'Fundamental Reform' Of IPCC
(Science 2.0)
http://www.science20.com/news_articles/interacademy_council_report_urges_fundamental_reform_ipcc
要約すれば。。。
・IPCCが信頼性と独立性を高めるためには、委員はIPCCとは独立な者、
あるいは気候科学コミュニティーに属さない者であるべきだ。
・IPCCは研究結果のレビュー者を奨励し、レビュー者の権限が最大限
発揮されるよう努めるべきである。
だそうで、いいかえれば今までのIPCCでは上記2つの基本項目が満たされて
いなかったということか?ノーベル平和賞を取った権威もがた落ちである。
とはいえ、上記のScience 2.0の記事をみると、「IPCCの全ワーキンググループ
は科学的証拠や、研究者間の合意の程度を添えて、気候変動のとりまとめ結果を
呈すべきだ」とあるが、それは特に「温暖化による将来予想」に関してであるようだ。
(上記のヒマラヤ氷河も将来予想の誤りであった)
どのような問題であっても将来予測というのは、過去の現象理解と比べると
相当な困難が付きまとうのが常である。それに対して慎重に結果を出すことを
インターアカデミーカウンシルが提言するのは、あたりまえであろう。
だからといって温暖化の「現状」に対する科学的理解そのものが瓦解したわけでは
ないので、温暖化懐疑派の方々にはあまり浮かれぬことをお勧めしたい。
またこれは、2014年に予定されているIPCC第5次報告書への体制作りの一環とも
いえるだろう。
間違いは人の常だし、間違いを認めるところが科学ってぇものだろうけど、
なぜ間違って、どう修正するかの、何と言うか、一貫性は求められるかな。
その辺、リセットボタンのないところが、政治とかと違うところだったはずだし。
by 春分 (2010-09-04 17:16)
>間違いは人の常だし、間違いを認めるところが科学ってぇものだろうけど、
>なぜ間違って、どう修正するかの、何と言うか、一貫性は求められるかな。
春分さん、一般に科学的公開討議は(学会のシンポジウムでもやりますが)
雑誌上で誌上討論します。たとえば論文に疑義がある人が「コメント」を
投稿し、それに対する「返答」を疑義を投げかけられた著者が書きます。
この両方を雑誌の同じ号に載せて、読者の判断を仰ぐ形です。
上記のヒマラヤ氷河の問題も、もとはある研究者からの「コメント」に基づいて
います。このように、科学にはリセットボタンは付いてませんが、議論の
透明性がバックボーンです。
by MANTA (2010-09-04 21:15)