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民主党は霞ヶ関を改革できるのか? [▼科学ニュース New!]

めずらしく、政治ネタを書いてみます。
皆さまご存じの通り、2009年の衆議院選では民主党の圧勝となりました。

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選挙の前、ある大学の先生がこう言ってました。
「私は民主党を応援する。自民党よりも社会保障を拡充するので、大学や科学研究の
予算が増えるかもしれない」 ・・・私は「そうですね」と素直には言えませんでした。
社会保障といっても税収が増えない限りは結局赤字(国債)を増やすことになるからです。

「いやいや、税金の無駄遣いをやめれば、増税もせず社会保障を手厚くできるのだ」
と言う人もいます。よいアイデアですが、本当に実現できるのでしょうか?
6月でしたか、私個人は下記の菅直人氏(民主党代表代行)へのインタビュー記事を
読んで以来、不安が募っています。

●菅代表代行 「脱官僚」の具体像示す 政権運営構想語る
 (毎日新聞 2009年6月19日)
 mainichi.jp/photo/news/20090619k0000m010116000c.html?inb=ra
 ※つい最近までリンク先が残ってましたが、削除されてしまいました。
  いまならまだGoogleのキャッシュで見ることができます(こちら

以下は記事からの引用です。赤色は私がつけました。注目部分です。
-------------------------
(記者)民主党が目指す政権運営は。
(菅氏)役人任せにしてきた与野党議員の国会での質問内容の事前収集なども
    含めて自分たちでやる。内閣と国会運営全部に政権党として責任を持つ。
(記者)実現可能か。
(菅氏)今は何百人という官僚が組織的に質問取りをしている。「本来政治家の仕事
    だがしばらくは官僚に」という中間過程が必要かもしれない。
(記者)局長級以上の官僚に辞表を求めるか。
(菅氏)機械的に辞表を出させるのは国家公務員法の関係で難しい
    (中略)政治家と官僚の役割は違うことを理解してもらい
    新しいビジネスモデルにおける協力関係を作りたい。
-------以上、引用---------

改革にはスタートダッシュが肝心だと思いますが、当面は官僚に頼らざるを得ないようです。
また「官僚に役割を理解させる」ではなく、「理解してもらう」そうです。
社会民主連合出身の菅氏でこれですので、自民党出身の他の党幹部はハテサテ、、、

時間をかけて霞が関を改革!であればよいのですが、下記の池田信夫さんのブログを
読むと官僚側はどうもそれを許さないようです。
●よみがえる「官僚たちの夏」(「池田信夫blog」さん)
 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/fb4bee486bf605868ae8c7b5a0649c6e
記事中の「バックアップ」とは、民主党と省庁の間でもめた際に、大臣からの報復人事で
首を切られてもよい人材を、省庁のトップ(事務次官)に据えたということのようです。
このように官僚のフットワークとチームワークは民主党のそれを上回っているように見えます。

----
霞が関改革以外にも、気になる記事が選挙前から出ています。
●成功するか「解散事前予告」戦術(nikkei BPnet:2009/07/16)
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090716/167975/?P=4
 以下は上記記事から引用 ”参院での問責決議案可決によって、民主党は残された
 重要法案であったはずの北朝鮮関連船舶の貨物検査を行うための特別措置法案を葬った”
「政策より政局」を重んじた結果のようです。

●「民主政権」に“足かせ” 野党3党共通公約、参院への配慮(2009/08/14)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090814-00000609-san-pol
 海上自衛隊の海外派遣や核問題について、今後議論しなくなるのでは?

選挙後ではこちらのニュースが気になりました。
●鳩山代表が翻意 首相主導いきなりつまずく(2009/08/31)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090831-00000690-san-pol

誤解がないように申し上げると、民主党を応援していないわけではないです。
ただ、彼らのマニフェスト通り、国民へばらまきを行い、官僚のいいなりに公共事業を
行ったあげく、国の借金がもの凄く増えるのを危惧しています。ちゃんと行政の無駄を削り
民に力や希望を与え、この国の生産性を向上できるような方向に舵をきってほしいです。
今後もしっかり見守りたいと思います。

追記:
上記の池田信夫さんのブログに、省庁と政治家の関係が分かりやすくまとめられています。
●霞ヶ関というITゼネコン
 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/957b5975c4499c72bd8834ce81f75f34
霞ヶ関をシンクタンクとして使えるのは民主党では小沢さんくらいだろうし、仮に使えた
としても新たな政治家と官僚の癒着ラインができるだけではなかろうか?
記事末尾の水平分離と、それに必要な人材投与を期待したいところです。
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さなえ

行き詰まっていて改革が必要なのは当然なのですが、民主党の政策は、デフレ、雇用縮小、円高、不景気、大きな政府、重税、環境悪化につながるものだと思っています。リーマンショックからようやく立ち直りつつあるところなのにどうなるかと心配になっています。何とか綱渡りに成功すればいいですが…
by さなえ (2009-09-04 22:38) 

MANTA

さなえさん、政治は経済活動といろいろ絡んでますので、当然いろいろ起きる
でしょうね。民主党のお手並み拝見です。来年の参議院選でまず最初の審判
をうけますので、早々のんびりもしてられないでしょうし(毎年選挙があると
いいですね)。ちなみに私もテレビ東京系の選挙特番を見てました。
by MANTA (2009-09-05 07:26) 

おおくぼ

今回の民主党政権は、自民党の小泉政権と似ている気がします。
民主党は、自民党の構造改革路線を徹底化するのかな?と思ったりもします。

竹内薫さんの本に大学は、アメリカのような寄付金制度を導入したら?みたいなことが書いてました。
アメリカは寄付をすると、税金が優遇されるので、寄付が集まりやすいそうです。
by おおくぼ (2009-09-06 13:36) 

Working Dad Oversea

すさまじい選挙結果でしたね。
今回、特に印象的だったのは小泉チルドレンが全滅して、代わりに小沢チルドレンが雨後のタケノコのように大量発生したことかな。

今の選挙で勝つには知名度が高くて風に乗ればいい訳だけど、知名度が高いのは政治家としての手腕とは無関係なわけで、民主党も新人議員の教育に力を割いているみたいですね。これは、自民党が小泉チルドレンに対して行ったものと同じだけど、民主党が弱いところは「人的資源の層の薄さ」らしいですね。

政治と言うのは極めて大事なことなのですが、こういうのを見ていると、国民にとって大事なことを、国民自身がおろそかにしているような気がします。(そもそも、政治家の仕事って、具体的には何なのだろうか?法治国家では法律を作ることなの?)

そもそも自分たちが民主的な政治をするだけの資質を持っているのか?という点から、有権者自身の意識改革が必要になってくるような気がします。
輸入品の近代民主主義を、完全に自分たちのものにするには、まだ相当な時間がかかるのじゃないかな?
by Working Dad Oversea (2009-09-06 21:17) 

MANTA

>民主党は、自民党の構造改革路線を徹底化するのかな?
おおくぼさん、民主党から「構造改革!」ってスローガンを聞いたことが
ありますか?私はありません。むしろ、手厚い社会保障の元、構造改革は
遅れるだろうと見る向きが多いようですよ。

寄付も税収は減るセンスなので、政府としては推進しないでしょう。
いいアイデアなのですけれどね。
by MANTA (2009-09-07 08:27) 

MANTA

>民主党が弱いところは「人的資源の層の薄さ」らしいですね。
Working Dad Overseaさん、おっしゃる通りで私の懸念もそこにあります。
しかも本記事の追記のリンク先をみると、小沢氏は自分達だけでできると
思っている節があり、はぁ・・・って感じです。

ただインターネットは便利です。「管さんって、いつ厚生大臣やってたんだっけ?」
って思ったら、いまはすぐに調べられます。どの議員がどんな仕事をしたか
(あるいはどんな犯罪で捕まったか)も容易に辿ることができます。市民レベル
の情報公開時代ですね。こんなところを足掛かりにして、政治(というか我々
自信)がちょっとずつ変わっいけるものと信じたいです。
by MANTA (2009-09-07 12:54) 

おおくぼ

たしかに民主党は「構造改革」というスローガンを使っていません。
また小泉政権は、福祉の削減政策であり、民主党と逆ですね。

でも、官僚改革と利権団体批判と無駄な公共出費を無くすという方向性は小泉政権と共通します。
この辺りが、小泉政権と民主党政権に、人気が集まる理由だと推測しているんですが・・・。

ただ小泉政権は規制緩和だったので、民主党はどうするのだろう?とは思います。
また小泉政権は、公共投資を大幅に削減し、規制緩和をしたのに、デフレのままでした。
by おおくぼ (2009-09-07 20:44) 

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