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地球には温室効果が不可欠だ [ 地球温暖化を学ぼう]

地球温暖化関係の連載記事の続きである。
随分間の空いてしまったが、これまでにこんな話をした。
頭を冷やすのは誰か?
地球は温暖化している
気温が上がって二酸化炭素が増えたのではない
太陽活動だけでは地球温暖化は説明できない
二酸化炭素には温室効果がある

前回の記事では、ペットボトルの空気がどうやって暖められるかを書いたので、
今回は地球はどうやって暖められているかを考えよう。結論を先に書くと、二酸化炭素
などの温室効果ガスがあるために、地球は暖かく保たれている。

sun.jpg
(Microsoftクリップアートの「太陽」には楽しいイラストがいっぱいあるなぁ)

たとえば日光浴をしてみよう。曇っている日よりも晴れている日の方が暖かく感じる。
当たり前のようであるが、これは地熱よりも太陽からやってくる熱量の方が圧倒的に大きい
ことを示している。このとき太陽はどうやって人間の体を直接暖めているのか?
熱の伝わり方には前回述べたように3種類あるが、太陽と人間の間にある宇宙空間は
ほとんど真空なので、「伝導」や「対流」はおきない。従って太陽からの「放射」だけが
宇宙空間を越えて人間を直接暖めうる。地球についても同じで放射のみが地球を暖めうる。

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では放射によって地球はどの程度暖められているのだろう?
ここで理解を簡単にするために、単純な「地球モデル」を考えてみよう。
計算式については煩雑になるため、別記事にまとめた。詳細はそちらをご覧頂きたい。
・まず地球を球形と仮定する。
・地球の輪切りの面積分で、太陽からの放射を受けるとする。
・受け取った熱量は、地球の自転や大気循環により、瞬時に地球全体(南北・昼夜)に
 行き渡り、地球上は同じ温度になると仮定する。
・大気は一層として、層中の気温は一定と仮定する。

まず地球の大気が太陽や地球から放射される熱量をまったく受け取らないとする。
太陽から放射される熱量と、地表から放射される熱量が釣り合っているとすれば、
地表の温度や熱量のやりとりを簡単に計算することができる(詳細は別記事を参照)。

rad1.jpg
※図1:数字は「放射により輸送される単位時間・面積あたりの熱量」(単位はW/m^2)

この場合は地表の温度は-16℃である。これは現実の地球上の平均表面温度約14℃
(NASAによる報告値:http://data.giss.nasa.gov/gistemp/)に比べると30℃も低い。
これはどうしたことか? 仮に地表の温度14℃程度まで上げるためには太陽からの熱量が
観測値の1.5~1.6倍に増えねばならない。このままでは熱量が足りない。

そこで大気の出番である。太陽からやってくる熱量はそのままにして、地表から宇宙へ
出て行く熱量全部を大気が吸収するとしよう。前回記事に書いたように、二酸化炭素や
水蒸気を含む大気は地球から放射される赤外線を非常によく吸収する。
さて大気に吸収された熱量はどうなるだろうか? 大気の温度はドンドン上がり続けるだろう。
それに伴って一方では、大気から地表や宇宙へ向かって放射されてでていく熱量も増える。
そこで太陽・地表・大気のそれぞれが放出・吸収する熱量が釣り合うと仮定すると、下図の
ように地表の温度と熱量のやりとりを計算することができる(詳細は別記事を参照のこと)。

rad2.jpg
※図2

この場合は地表の温度は先ほどと違って、32℃まで上昇する。ここで注目すべきは、
太陽から放射される熱量は変わらないのに、地表から放射される熱量を大気が吸収するので
地表温度がー16℃から50℃近くも上昇してしまうこと。これがいわゆる「温室効果」である。

次に注目したいこと。温室効果というとつい、地球に熱が溜まっていくイメージがあるが
そうではない。温室効果があろうとなかろうと、太陽から地球へ入る熱量と、地球から宇宙に
出る総熱量は同じ値である(図の場合はどちらも247W/m^2)。違うのは地表面からの熱が
大気へ出て行きにくいということである(大気にでても帰ってきてしまう)

しかしちょっと待て!地表が32℃ということは、今度は現実の平均値の約14℃を大きく
上回ってしまったよ。よいのか?! しかしこれはかまわない。
大気と地表面の大きな温度差は、大気の対流を引き起こすのである。この記事の冒頭で日光浴
の例をあげた。あのとき冷たい風が吹いてくれば、暖まった体はあっという間に冷えていく。
地球も同じである。-16℃の大気は32℃の地表面を冷やしていき、同時に大気は暖まっていく。
結果として現在の気温になると言うわけだ。

これ以上の定量的議論は、大気の対流も含めた熱輸送モデルが必要であり、高度な数値
シミュレーションが必要だ。しかし図のような簡単なモデルからでも、大気の温室効果が地表を
暖めうる方法であることが理解できる。人類にとって、温室効果そのものは実は不可欠であり、
決して「悪役」というわけではない。(なにせ温室効果無しでいまの気温を維持するには、
太陽の5割り増しの熱量が必要なのだ!)

----
ところでこの放射モデルに反する意見が出されている。前回記事のコメント欄に寄せられて
いるが「大気の断熱圧縮が地表温度を15℃程度に保つメカニズムであり、温室効果は
不要である」という考え方である。本当だろうか?しかしここにはまたしても「あるトリック」
がある。次回の連載記事で種明かしをしよう。

また温室効果ガスであるCO2が増えると、気温はどの程度上がるのだろうか?
大気中のCO2は地表からの放射される熱量をすでに十分によく吸収しているので、
これ以上CO2濃度が増えても地球温暖化にはならないという説もささやかれる。
しかしこれは間違いである。次々回連載記事で解説する予定だ。

まだまだつづくよん。

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追記(12/22):
実際には大気は太陽からの放射を多少吸収しており、一方で地表からの放射をすべて
吸収もするわけでもない。Wikipediaの「温室効果」にある図によれば、太陽からの
放射の29%ほどは大気へ吸収されて、のこり71%ほどが地表へ届く。また地表から
放射される熱量の92%ほどが大気へ吸収され、8%ほどが直接宇宙空間へ出て行く。
(元ネタはhttp://eospso.gsfc.nasa.gov/eos_observ/pdf/Nov-Dec06.pdf

これらを加味した場合、地表や大気へ出入りする熱量は下図のようになる。
新規作成_1.jpg
※図3。詳細な数式はこちらの資料を参照のこと。

これによれば、温室効果によって地表へ再放射される熱量は、太陽から入射する熱量
より大きい。なので「不自然だ!」「熱が無限に回るように見える!永久機関はこの世には
存在しないので誤りだ!」とおっしゃる輩がおられる。しかし日常に見られる簡単なケースを
考えればなんの不都合もない。
・お湯の入った水筒を冷ましてみる。
・水筒から逃げようとする熱量は水筒の壁面に一旦捕まり、
 そこから水筒の内外へと再び輸送されていく。
・これを図化すると以下のようである。
E696B0E8A68FE4BD9CE68890_2.jpg
※図4

すなわち、水筒の外から入射する熱量(=0%)よりも、水筒内部から壁面へ伝わる熱量(100%)
や、水筒壁面から内部へ戻る熱量(50%)のほうがずっと大きい。これを永久機関と呼ぶだろうか?
そんなはずはない。そして水筒は確実に冷めていく。上図の壁面を「大気」と考えれば、水筒と
地球の類似性は明らかである。図の見た目や直感に頼らずに、永久機関と平衡状態の違い
程度はきちんと理解したいものである。
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aki

地球温暖化問題に関して興味がるのですが、二酸化炭素が原因なのかどうかはいまいちピンときていません。

次々回の記事を楽しみにしてます。
by aki (2008-12-20 21:00) 

おおくぼ

温室効果は約50℃もあるのです!!!!!!
地球には冷却効果があるので、地表の温度は15℃になるのです。
これは自分のブログにも書いたことあるのですが、勘違いの数値と説明が信じられている場合が多いです。
一般的な説明は、理論値「約−16℃」と実測値「約+15℃」の差「約31℃」が、温室効果と語られますが、間違いです。

ただ今回の記事の図2では、「地表に届く太陽の熱量」と、「大気と雲が地表に向けて放射す熱量」が、同じ値になっています。
けれど「地表に届く太陽の熱量」を47%(32%+15%)とすると、、「大気と雲が地表に向けて放射す熱量」は、2倍近い96%はあります。

注:数値は、以下のサイトの「地球の熱収支表」を借りました。

http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikitotaiyoenergy.htm


by おおくぼ (2008-12-21 01:15) 

期待人

おおくぼさんのコメントは、
重要な指摘をされています。
計算と実際の値は合っていません。
(大気による地表面からの放射に対する吸収が上がると、
地表面の温度が上昇するという傾向は合いますが。)

放射平衡理論による計算値
太陽からの放射   大気と雲の地表への    地表からの放射
 地表へ           放射
  247w/㎡        247w/㎡         494w/㎡

地球大気の実際
太陽からの放射   大気と雲の地表への    地表からの放射
   地表へ           放射
  
  247w/㎡と仮定    505w/㎡         599w/㎡
   (47%)         (96%)          (114%)  
  
 実際の場合
太陽からの放射    大気と雲の地表への    地表からの放射
                   放射
   地表へ
  161w/㎡        330w/㎡         391w/㎡ 
   (47%)         (96%)          (114%)

太陽からの放射
   大気で吸収
   86w/㎡
    (25%)

 地球の気候の実際は、放射平衡モデルとかけ離れています。
 (地球の大気の熱伝達は対流、熱伝導、蒸散熱、凝縮熱など放射伝熱  以外の割合が高く、 放射平衡モデルはそれを計算に入れていませんか ら。また太陽からの放射のうち25%は大気に吸収されるが、モデルではその分も地表で吸収されるとしている)
通常多分割にしていけば、モデルは実際に近似していくと考えるのですが、このモデルは違うようです。
「地球大気の鉛直分布を、大気を複数の層に分割し、各大気層の放射平衡によって説明する多層大気モデルがある。多層大気モデルでは、分割する層数を増やしていくことで地表温度がいくらでも上昇する」
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/index.htm


           
by 期待人 (2008-12-22 22:17) 

MANTA

>地球温暖化問題に関して興味がるのですが、二酸化炭素が原因なのか
>どうかはいまいちピンときていません。
akiさん、地球温暖化の原因に関しては、私は二酸化炭素と違うある事項
が重要だと思い始めています。それが何か?!は、またお楽しみに。

>けれど「地表に届く太陽の熱量」を47%(32%+15%)とすると、、
>「大気と雲が地表に向けて放射す熱量」は、2倍近い96%はあります。
”大気が太陽放射を吸収する効果くらいはいれておかなあかんなぁ”と思って
いた矢先におおくぼさんからご指摘を頂きました。上記記事に追記しました
のでまたご覧下さい。頂いたコメントのとおりで、これを入れると太陽からの
放射よりも、大気からの再放射のほうが地表に多く届きます。
一見奇異に思えますので、理解しやすいように水筒の例も追加してみました~
by MANTA (2008-12-23 08:44) 

MANTA

>計算と実際の値は合っていません。
期待人さん、数字合わせは地球シミュレータにでもまかせましょう(笑)
冗談はさておいて、大事なことはどうやって地球を暖めるかと言うこと。
上記の簡単なモデルで理解できるように、放射平衡以外には地球を暖める
メカニズムはありません。どうやって太陽の5割り増しの熱量を得るのか?
大気をいかに対流させても地表は冷めるばかりです。

>通常多分割にしていけば、モデルは実際に近似していくと考えるのですが、
>このモデルは違うようです。
引用先のサイトは間違っています。地表温度は発散しません。
これは次々回の記事で。
by MANTA (2008-12-23 08:55) 

おおくぼ

水筒の例は理解できませんでした(泣)。

私が連想する例は、サウナ風呂とか、電子レンジです。
あと車のエンジンでもいいです。
太陽電池で動く車は、わかりやすいのでは・・・。
エンジンが動けば、熱が発生します。

参考
『熱とはなんだろう―温度・エントロピー・ブラックホール』(講談社ブルーバックス新書)竹内薫:著
by おおくぼ (2008-12-23 13:56) 

期待人

地表15℃、大気-20℃の放射平衡の図と下記の温室効果のある図が同じ熱・放射収支をあらわしているとは思えないほど数値が違っていますが?
大気放射↑と↓が下記では1対1になっていないようですね。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/57/Greenhouse_Effect_ja.png
by 期待人 (2008-12-23 23:09) 

おおくぼ

私も図2の数値は間違いで、期待人さんのリンクしている図の数値が正しいと思います。
MANTAさんは図1の数値を詳細にしようとして、図2の数値を捏造(笑)したと思います。
ただ期待人さんのリンクした図の数値は正しいのですが、「大気から地表への放射」を、温室効果ガスと書いてあるのが不満です。
せめて「雲と温室効果ガス」と書いて欲しいです。
雲は温室効果ガスと同じか、それ以上の効果があるのですから。

私から見ると、MANTAさんは熱力学の法則に拘るあまりに、対流圏に「入ってくる熱量」と「出ていく熱量」を等しくすることに力が入りすぎています。
熱収支表は、自然の温度調節システムを表で表したものなのです。
対流圏というサウナ風呂を動かす力が、太陽から来て、サウナ風呂が沸いているのです。
ただ、それだと熱くなりすぎるので、対流や潜熱や海流や雨や緑の効果で冷やされます。
そして水蒸気が、エントロピーを対流圏外に捨てることによって、温度の上昇を防いでいるのです。

参考
『図解雑学 地球環境の物理学』(ナツメ社)
広瀬立成:著
by おおくぼ (2008-12-24 05:04) 

期待人


地表面温度15℃のものがMANTAさんから出てきましたので、
おおくぼさん紹介の文献に倣って収支計算してみました。
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikitotaiyoenergy.htm
放射平衡理論による計算値
地表面
175=((175+215)-215)
大気対流圏
72+(390-215-32)=215

地球の熱収支による計算値
地表面
161=(391-329)+17+82
大気対流圏
76+(391-329-17)+17+82=220

放射平衡理論では伝導、対流、潜熱の17+82を考慮に入れていませんから実際の地球と比べて、地表面温度を上昇あるいは大気温度を下降することに導くことになってしまうわけです。


by 期待人 (2008-12-24 16:14) 

MANTA

おおくぼさん、期待人さん、コメントありがとうございます。
まず私はこの記事で、現実の地表温度を温室効果で説明できるとは
一言も言っていません。温室効果がなければ現在の地表温度はもっと
低いはずだ、それはこんなに簡単な放射平衡モデルでも説明できる、
と言っているのです。数字が合っているかどうかではなく、ぜひ放射平衡
以外に地表や大気を暖かくできるメカニズムをご紹介下さい(あるのであれば)。

おおくぼさん、サウナや電子レンジは温室効果の理解例として適当ではない
でしょう。あれらは内部で発熱するのですから、温室効果とは異なります。

期待人さん、大気放射が上記で1対1になっているのは大気を1層として
いるからです。多層モデルもぜひご勉強下さい。次々回の記事で紹介します。
by MANTA (2008-12-24 18:00) 

MANTA

>水蒸気が、エントロピーを対流圏外に捨てることによって、温度の上昇
>を防いでいるのです。
おおくぼさん、上図の大気は「対流圏」ではなく大気全体です。水蒸気が
エントロピーを対流圏外に捨ててもその上の成層圏などに熱は溜まります。
大気全体から宇宙空間への廃熱は放射によってのみ行われます。

>放射平衡理論では伝導、対流、潜熱の17+82を考慮に入れていません
>から実際の地球と比べて、地表面温度を上昇あるいは大気温度を下降
>することに導くことになってしまうわけです。
期待人さん、その通りです。上記記事でそう書きましたがお読みいただいて
ますか?(図2の少し下、「しかしちょっと待て!…」)温室効果に大気の
対流が加わって、地表の気温はちょうど現実の値程度になります。
対流の効果を考えれば考えるほど、より強い温室効果が必要となることをお忘れなく。期待人さんのご指摘通り、対流は地表を冷やすのですから。
by MANTA (2008-12-24 18:12) 

おおくぼ

>「サウナや電子レンジは温室効果の理解例として適当ではない
でしょう。あれらは内部で発熱するのですから、温室効果とは異なります。」

私の主張は、内部で発熱しているなのです。
だから、温室効果はサウナ風呂と同じなのです。
仕組みは、太陽からの可視光線を地球が吸収し、地球が赤外線に変換して、上空に放射します。
そして水蒸気が赤外線の影響で分子運動し、発熱し、地上に熱を放射する。
けれど、そうなると、地球はドンドン熱くなるので、水蒸気はエントロピーを対流圏外に捨てているのです。

>「おおくぼさん、上図の大気は「対流圏」ではなく大気全体です。水蒸気がエントロピーを対流圏外に捨ててもその上の成層圏などに熱は溜まります。」

たしかに地球圏外に捨てないと意味がないのですが、計算上では上空約6千メートル地点で廃棄になるのです。
6千メートル地点からどうやって、地球圏外まで、エントロピーを捨てるのかが問題なんですけど・・・。
現時点では思いつきません。
by おおくぼ (2008-12-24 21:48) 

おおくぼ

不完全な説明ですが、参考までに・・・

http://blogs.dion.ne.jp/tacthit/archives/7704181.html
by おおくぼ (2008-12-24 21:57) 

MANTA

>だから、温室効果はサウナ風呂と同じなのです。
おおくぼさん、違います。ぜひ次の記事をちゃんとお読みいただき、ご勉強
なさってください。おおくぼさん程の強い興味をお持ちならすぐに理解できる
やさしい物理学です。

>6千メートル地点からどうやって、地球圏外まで、エントロピーを捨てるの
>かが問題なんですけど・・・。
なので大気からの放射が必要だと申しているのですが。リンク先も拝見
しました。引用元がどの本かよくわかりませんが、水蒸気は宇宙空間へ
どうやって熱を排出するのですか?伝導ですか?対流ですか?
ほぼ真空の空間でどうやって?放射以外には宇宙空間に熱を捨てる方法は
ないのです。諄いようですがそれ以外にあれば教えて下さい。

「水蒸気が熱を奪っていく」というような直感的な現象のみに頼るのではなく、
真実を見抜く力を磨く、それが科学です。
by MANTA (2008-12-24 22:52) 

おおくぼ

>「水蒸気は宇宙空間へどうやって熱を排出するのですか?伝導ですか?対流ですか?
ほぼ真空の空間でどうやって?放射以外には宇宙空間に熱を捨てる方法は
ないのです。」

6千メートルの地点なので、宇宙空間ではありません。真空でもありません。

>「「水蒸気が熱を奪っていく」というような直感的な現象のみに頼るのではなく、真実を見抜く力を磨く、それが科学です。 」

また理屈はすごく簡単です。
暖かかくなった水蒸気は、上に向かいます、そして冷えて水になり、熱を放熱して、降りて来ます。
それだけです。

また大気中の温室効果ガスが、地上から出る赤外線に反応して、分子運動して、熱を出すことは、科学的な事実です。

理論が先にあるではなく、事実が先にあるのです。
by おおくぼ (2008-12-25 09:46) 

期待人

>大気と地表面の大きな温度差は、大気の対流を引き起こすのである。る。-16℃の大気は32℃の地表面を冷やしていき、同時に大気は暖まっていく。結果として現在の気温になると言うわけだ。

最後の地表15℃の図は大気の対流がないのですね。
大気の対流があれば、地表の温度はずっと下がってしまいますね。

>ぜひ放射平衡
以外に地表や大気を暖かくできるメカニズムをご紹介下さい

根本的に考え方が違います。
太陽熱が地球に入ってきているのですから、冷却されていかねばなりません。
地球の熱収支による計算値
地表面
161=(391-329)+17+82
大気対流圏
76+(391-329-17)+17+82=220
1式右辺は地表面からの冷却の熱伝達を示しているのです。
これ以外になにが必要ですか?
地表面は15℃に保たれているでしょう。
1,2式は正しいでしょう。

>温室効果
「地表からの放射を大気が吸収する。
下向きの大気放射により地表面を暖める。」
上記のような現象を温室効果と定義する。
これは仮想的な現象です。

放射に関係する効果を温室効果とすることを
新定義とすれば、温室効果は仮想ではなく全然違ったものになります。
おおげさなものでなくなります。
(大気温度の上昇など数値計算は同じですがーーー)
下の文献を参照下さい。(おおくぼさんご紹介による)
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kisho/kisho02.html
by 期待人 (2008-12-25 17:31) 

MANTA

>6千メートルの地点なので、宇宙空間ではありません。真空でもありません。
おおくぼさん、質問をはぐらかさないでくださいね。私の聞いているのは
6000m地点ではなく、「宇宙空間」への廃熱方法です。6000mより上では
水蒸気の役割はなく、大気の放射が真空の宇宙空間への廃熱方法と言う
ことでよいですね。反論する材料がなければコメントなしで結構です。
同じコメントの繰り返しであれば削除対象とさせていただきます。

期待人さん、コメントの趣旨が分かりにくいのですが、対流、熱伝導など
放射以外の効果が無視できないことは理解しています(上記記事本文に
ちゃんとそう書いてあります。お読みいただけていないようですが)。
ただし貴殿が引用された下記ページのように、放射の影響は、伝導・対流
潜熱よりも大きいようですね。ご紹介ありがとうございます(^^)
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikitotaiyoenergy.htm
なおこれ以上、長いコメントで同じ数字を羅列されるようでは、本記事が
読みづらくなります故、コメントを削除させて頂きます。
by MANTA (2008-12-26 19:18) 

おおくぼ

はぐらしではありません。
私の前のコメントで・・・「たしかに地球圏外に捨てないと意味がないのですが、計算上では上空約6千メートル地点で廃棄になるのです。6千メートル地点からどうやって、地球圏外まで、エントロピーを捨てるのかが問題なんですけど・・・。現時点では思いつきません。 」・・・と書いているのに、MANTAさんが・・・・「水蒸気は宇宙空間へどうやって熱を排出するのですか?伝導ですか?対流ですか?」・・・・・という質問への答えです。

この質問を読んで、MANTAさんは私の主張を理解してないと思い、返事しただけです。
また6千メート地点以後のシステムは判らなくても、地表から対流圏までの熱収支の理論としては充分機能します。
不完全な理論だから切り捨てるというのは、科学的な態度ではないでしょう。

by おおくぼ (2008-12-26 21:32) 

おおくぼ

水筒の例は、「太陽と地球の関係」を説明できてないと思います。
太陽からのエネルギーは、止まることなく地球に入って来ます(人間の寿命から考えれば永遠に等しいです)。
それに対し、水筒は外部から熱せられないので、外側の温度が低ければ、水筒の温度が下がるのは当然です。



>「なにせ温室効果無しでいまの気温を維持するには、
太陽の5割り増しの熱量が必要なのだ!」

地球が対流圏で発熱して、太陽の約2倍の熱量で、地上を暖めているからです。

by おおくぼ (2008-12-27 09:26) 

MANTA

おおくぼさん、貴殿が6000mより上の大気についてはアイデアがないとの
こと、了解です。ありがとうございました。

水筒の例は、温暖化の例ではないです。本文を良く読んで下さい。

>地球が対流圏で発熱して、太陽の約2倍の熱量で、地上を暖めている
>からです。
無理です。大気の対流では地球を暖められないことは次の連載記事で
指摘します。大気が断熱圧縮などで如何に振る舞っても、その効果は
たかがしれています。
by MANTA (2008-12-27 10:01) 

MANTA

おおくぼさん、コメントを削除させていただきました。温室効果の定義をご自身で勝手にこうだと思われず、ぜひちゃんとお調べ下さい。

久々に連載記事を書きましたが、記事をちゃんとよまずに本旨と外れた質問
ばかりなので、さすがの私もウンザリ気味です。また一部の方のために
他の読者が読みづらい記事になるのは本意ではありません。
このコメント欄はさしあたって承認制とします。ご了承下さい。
もう温暖化の連載はやめようかなぁ…
by MANTA (2008-12-27 16:32) 

NO NAME

MANTAさん

>まず地球の大気が太陽や地球から放射される熱量をまったく受け取らないとする。
太陽からの放射 247W/㎡ 、地球からの放射 247W/㎡
ということですが、これは、地球に水があるとしているのですか?、
無いとしているのですか?
水があって、まず地球の大気が太陽や地球から放射される熱量をまったく受け取らないとするというのは仮定としておかしいので水が無いと仮定します。
そうすると、雲も無いわけですから、太陽からの入射のうち雲に反射されて
いた分が地表に吸収されるので、
太陽からの放射 312W/㎡  地球からの放射 312W/㎡ということになりませんか?
それとも水はあるが、水蒸気は、赤外線放射は吸収しないとするのでしょうか?
そうするとちょっとおかしい仮定のように思いますが。
どちらでしょうか?

by NO NAME (2008-12-29 21:04) 

MANTA

NO NAMEさん、どうも雲の吸収と反射がごっちゃになっておられるようですね。
まず雲などによる太陽放射の反射(アルベド)は考慮しています。図2では
太陽からの放射を大気が吸収してませんが、(反射はするが吸収はしない
大気)、図3では雲などで大気が吸収しています(反射も吸収もする大気)。
by MANTA (2008-12-30 03:03) 

NO NAME

>どうも雲の吸収と反射がごっちゃになっておられるようですね。
まず雲などによる太陽放射の反射(アルベド)は考慮しています。

お聞きしたのは、
図1です。(図2、図3ではありません)

図1では、地球には水があり従って雲もあり水蒸気もあるが、水蒸気は温室効果ガスではなくて、地球からの放射は水蒸気も雲も吸収しないと仮定されているのですね。
by NO NAME (2008-12-30 10:42) 

MANTA

NO NAMEさん、図1限定とは分かりませんでした。どの図でも(温室効果
の有無にかかわらず)、「地球」からの放射は247W/m2ですから。

>図1では、地球には水があり従って雲もあり水蒸気もあるが、水蒸気は
>温室効果ガスではなくて、地球からの放射は水蒸気も雲も吸収しない
はい、そう仮定しています。太陽放射を反射はするが吸収しない大気です。

試みに太陽から地表への入射を312W/m2にして図1のケースを計算して
みると、地表は-1℃です。まだだいぶ寒いです(なにせ温室効果なしだと
太陽からの放射は5割増し必要ですから)。ただし、このときのアルベドは
0.09程度ですので観測されるアルベドを大きく下回ります。まあつまりは
太陽放射を反射するけれども、太陽や地表からの放射を全く吸収しない大気
はそもそも不自然なのでしょうね。
by MANTA (2008-12-30 11:28) 

期待人

> 図2 :地表が32℃ということは、現実の平均値の約14℃を大きく上回ってしまったよ。よいのか?! しかしこれはかまわない。
大気と地表面の大きな温度差は、大気の対流を引き起こすのである。
-16℃の大気は32℃の地表面を冷やしていき、同時に大気は暖まっていく。結果として現在の気温になると言うわけだ。

ところが実際の地球は、図3のように太陽放射の29%は大気に吸収されており、図3で地表の温度が15℃と計算されています。
そうすると、同じ論法でいくと-20℃の大気は15℃の地表面を冷やしていき、同時に大気は暖まっていく。結果として現在の気温14℃よりも大幅に下がって地表の計算値は0℃近辺?になる。
(放射平衡+大気の対流)理論では実際と大きくくいちがいますね?




by 期待人 (2009-11-16 12:04) 

MANTA

>結果として現在の気温14℃よりも大幅に下がって地表の計算値は0℃
>近辺?になる。
期待人さん、ご指摘ありがとうございます。そしてこれは何度か書いたこと
化と思いますが、上記の1層大気での計算ではここまでですが、多層大気
では、地表の気温はもっともっと高くなります。それもまた解説しようかと
思っていますが、どうも温暖化の記事はノイズが多いので、続ける気が
失せています。また忘れたころに続けます。

by MANTA (2009-11-17 20:43) 

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