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二酸化炭素には温室効果がある [ 地球温暖化を学ぼう]

地球温暖化に関する科学的な理解シリーズ、まだまだ続けている。
そういえば今年の冬は寒かった。それをみて「地球寒冷化が来た!」と騒ぐ方々がいた。
そして今年の夏はすごく暑い。ならば「温暖化だ!」と騒ぐのだろうか?
ここで科学的に「地球温暖化とはなんなのか?」について考えて冷静に考えてみたい。
暑いんで頭が回らんけどね。

さて、これまでの記事はこんな感じである。
頭を冷やすのは誰か?
地球は温暖化している
気温が上がって二酸化炭素が増えたのではない
太陽活動だけでは地球温暖化は説明できない

今回は二酸化炭素(CO2)の温室効果について考えてみよう。

教科書には「CO2は地球を暖める効果があります」と書かれている。
CO2はどうやって地球を暖めるのだろうか?
warm.jpg

物を暖める、あるいは冷ます方法は大きく分けて3つある。
 1)伝導(暖かい物に冷たい物を直接触れさせる)
   例:素手でヤカンを触ってやけどした
 2)対流(暖かい物と冷たい物を混ぜる)
   例:エアコンの冷風が部屋全体を冷やす
 3)放射(暖かい物から離れたところを暖める)
   例:電気ストーブの前はほんわりと暖かい
     でもあいだに誰かが割り込んできたら寒い
   赤外線などの電磁波が物体に吸収されるとその物体の温度は上がる。
   また暖められた物質からも、その温度に応じた赤外線などが放射される。
   ポットの内側が銀色なのは、ポット自身が赤外線を吸収しないための工夫だ。
   もちろん人間自身の体温によっても放射は起きている。
   サーモグラフィーはこの放射を利用した温度計測器である。

CO2は3つのうち、どの方法で地球を暖めるのか?
こういうのは簡単な実験で考えると分かりやすい。ここでは2つの実験を紹介しよう。

【実験その1】CO2や空気をいれた透明容器を暖めてみよう。
exp1.jpg
この実験の詳細や結果は下記サイトに詳しい。
1)地球温暖化体験装置(いわき明星大学 田中勝之様)
 http://imufee.iwakimu.ac.jp/~ktanaka/global_warming.htm
2)地球温暖化デモンストレーション実験器
 http://www2.hamajima.co.jp/~elegance/kawamura/ondankajikken.htm
両方の気体や容器は同じように暖められているが、
空気よりもCO2のほうが温度が上がりやすいようだ。
ふむふむ。では次だ。

【実験その2】今度は暖めておいた2つの透明容器を冷やしてみよう。さてどうなるか?
exp2.jpg
この実験の詳細や結果は下記サイトに詳しい。
3)二酸化炭素の温室効果を確かめる
 http://www.chart.co.jp/subject/rika/sc_net/18/sc18_4.pdf
4)エアロゾルと地球温暖化の実験
 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/3124/ondanka.htm
5)地球温暖化のしくみを確かめましょう
 http://www.hekinan-th.aichi-c.ed.jp/kankyou/zisaku/vkk/ondanka.htm
どの実験でも、空気よりもCO2のほうが温度が下がりにくい。

つまりCO2は空気よりも「暖まりやすく」「冷めにくい」性質を持っていることがわかる。
これはなぜだろうか?気体には様々な性質があるが、小さな熱エネルギーで暖まりやすい
気体は、逆に冷えやすい(比熱)。また対流しやすい気体も、対流によって気体全体が
暖まりやすい反面、対流によって冷めやすい。実験その1でもその2でも、容器内外では
伝導や対流が起きているが、暖まりやすく冷めにくいCO2の性質はこれでは説明できない。
すなわち、唯一「放射」によって説明されるのである。

exp3.jpg
図のように、容器内のCO2が容器側面からの「放射」を吸収しているため、CO2の温度が
上がると考えると説明がつく。また温度の上がったCO2自体もCO2そのものや容器に向けて
「放射」を行っているだろう。

さらに空気を入れた容器を黒いビニル袋で覆って冷ますとどうなるか?
この結果は上記の実験5にあるが、面白いことにCO2入り容器と同程度に冷めにくくなる。
これも放射で説明される。容器外への放射を黒いビニルが一旦吸収し、その一部を容器内へ
放射で戻しているためだ。放射によって冷めにくくなる例と言える。

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さて以上はあくまで簡単な実験の例である。実験その1とその2は別々の実験であり、
各実験のCO2濃度もまちまちである。実験その1の場合は、2つの容器の暖まり方を同じに
するのはなかなか難しい。また実験その2では、黒いビニル袋と容器の間にスキマがあれば、
容器表面と外気の対流を妨げる効果もあるだろう。
定性的な理解はここまでにして、ちゃんとした実験結果を見てみよう。

CO2・水蒸気・メタンなど、さまざまな気体は赤外線などの吸収・放射を行う。
このような気体を「温室効果ガス」という。この吸収強度は随分よく調べられていて、
データベースとして整理されている。その1つ「HITRAN」による値が下記にまとめられている。

Barrett, Jack, Greenhouse molecules, their spectra and function in the
atmosphere, Energy & Environment, Vol.16, No.6, pp. 1037-1045(9),
Multi-Science Publishing Co Ltd., 2005.
 http://www.warwickhughes.com/papers/barrett_ee05.pdf

Fig.6には各気体の赤外線の透過率が示されている。
Table.1には各気体の吸収率(1-透過率:単位は%)が示されている。
これによれば温室効果ガスはある周波数帯の赤外線をとてもよく吸収する。100mの厚さの
空気では赤外線の吸収率は7割程である。もの凄い吸収率だ。Table.1を見るとその内訳は
水蒸気の吸収率が5割強、空気中の重量比わずか0.04%しかないCO2が1割程、その他の
メタン・一酸化二窒素などをあわせて1割弱といったところか。

100mの厚さでこの吸収率だから、1000mの厚さの空気の吸収率は大雑把に計算すると
0.7+(0.3*0.7)+(0.3^2*0.7)+ … +(0.3^9*0.7) ≒1 !
つまり1000mの厚さの空気で、ある周波数帯の赤外線をほとんどすべて吸収している!
実際、人工衛星で地球からの赤外線強度を観測すると、ある周波数帯でガクッと減るのだが
その周波数帯は水蒸気やCO2の吸収帯とほぼ一致している。
(上記、Barettの論文のFig.9を参照)

赤外線の吸収率の大きな物質は放射率も大きいことが知られている(キルヒホッフの法則)。
水蒸気やCO2は赤外線の放射も行うので、先の実験と同様に大気を冷めさせないのである。
このように、温室効果ガスの赤外線の放射吸収による気温上昇現象がいわゆる「温室効果」
というわけだ。

ところでこの「温室効果」という言葉はよく誤解を生む。植物園などにある普通の温室は
確かに保温効果が高いが、あれはガラスなりビニールなりで外気と室内を遮って、対流による
室内冷却を防いでいるだけだ(ある程度は放射の影響はあるようだが)。地球温暖化における
温室効果と、実際の温室では熱を閉じこめるメカニズムが全く異なるのだ。下記サイトでは
温室効果ガスによる気温上昇現象は「大気効果」と呼ぶべきだった、と紹介されている。
●温室効果(日本農業気象学会)
 http://phdsamj.ac.affrc.go.jp/topic/1_1.html

しかしCO2や水蒸気がいくらこのような性質を持つとはいえ、暖める相手はペットボトルでは
ない。温室効果ガスに地球全体を顕著に暖めるほどの影響力はあるのだろうか?
次回はそれを考えます。

謝辞:本記事作成にあたり、いわき明星大学の田中勝之先生から一部情報を頂きました。
   ありがとうございます。

※この記事の続きをよむには、サイドバーの「カテゴリーの紹介」をご覧下さい。

----
追記(8/17):Barrett(2005)のTable.1の赤外線吸収率は、上記では「ある周波数帯」
の吸収率と書きましたが、どうやら地球放射の全周波数で積分した物のようです。

追記(2009/05/31):
二酸化炭素の比熱は乾燥空気の比熱よりも大きいので「温める実験」がよいように思います。
直射日光があたる実験では2本のペットボトルを等しく温めることは難しいのですが、下記では
段ボールを使ってその問題をうまく解決しています。ご紹介しておきます。
●二酸化炭素の温室効果実験の仕方(エコハイムキッズ)
 http://www.eco816kids.com/lecture/globalwarming/index.html

追記(2009/08/13):
いろんな気体の比熱が下記サイトに載っておりました。
http://www.es.ris.ac.jp/~nakagawa/term_collection/yogoshu/ll/hi.htm
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セレステ

 今年の夏はすごく厚い? 本当にそうですか いつと比較してでしょうか。 気象庁のデータを見る限り、特別暑いとは思えませんが、まあ場所によっては暑い場所もありますが地球温暖化と局地的な気温上昇は異なる要因でしょう。
 「赤外線の吸収率の大きな物質は放射率も大きいことが知られている」と書かれておりますが、これはあくまでも不透明な物質の場合ではなかったでしょうか、二酸化炭素の吸収できる波長は極めて狭い範囲でほとんどの赤外光には透明ではなかったでしょうか、これに対し水蒸気はほとんどすべての波長に対し不透明のはずです。 太陽光の全赤外光スペクトルに対するそれぞれの吸収率の計算をしなければ意味が無いと思います。 
by セレステ (2008-08-10 17:32) 

セレステ

追記です 温室効果の場合は地表からの輻射に対する吸収と輻射になりますね、その場合は太陽からの全赤外光スペクルを地表からの輻射スペクトルも含めてください。
by セレステ (2008-08-10 17:40) 

すうちい

大nice!
これを知りたかった!!
by すうちい (2008-08-11 00:06) 

MANTA

>大nice!
>これを知りたかった!!
すうちいさん、ありがとうございます。こういう実験だったらちょっとやって
みたくなりますね。気体の種類も変えてみたらどうなるかな?
by MANTA (2008-08-11 12:27) 

アヨアン・イゴカー

温室効果ではなく大気効果であるという指摘(1963年オランダの研究者Businger)、面白いですね。

>14が長波放射として,23が潜熱として,10が顕熱として地表から失われる。これで地表のエネルギー収支は0となる。(太陽エネルギーの収支)

この収支バランスが崩れている可能性も、「温暖化」の一因として調べなければならない訳ですね。同時に、地球に到達する太陽エネルギーの比率の増減も知りたいところです。(約47%が地球に到達するという研究でしたが。)


by アヨアン・イゴカー (2008-08-11 12:29) 

MANTA

セレステさん、コメントはありがとうございます。
>二酸化炭素の吸収できる波長は極めて狭い範囲でほとんどの赤外光
>には透明ではなかったでしょうか
いいえ。上記記事をお読みください。
Barett(2005)のFig.6によれば、波数650cm-1(波長約15μm)付近の
CO2の吸収率は水蒸気を上回ります。
by MANTA (2008-08-11 12:33) 

MANTA

>この収支バランスが崩れている可能性も、「温暖化」の一因として調べ
>なければならない訳ですね。
アヨアン・イゴカーさん、コメントありがとうございます。
よく「地球温暖化は地球の熱収支のバランスが崩れているため」と勘違い
しがちですが(私もそうだった!)、地球へ出入りする熱量は、地球温暖化
が起きようと起きまいと同じで、熱収支はゼロでかまいません。直感的には
なんか変ですよね?それでも温暖化は起きるのです。
詳細は次回をお楽しみに!


by MANTA (2008-08-11 12:44) 

SAKANAKANE

>地球へ出入りする熱量は、地球温暖化が起きようと起きまいと同じで、熱収支はゼロでかまいません。
それは理解していませんでした。とても興味深いです。
by SAKANAKANE (2008-08-11 23:51) 

セレステ

MANTAさん、地表の温度を問題にするなら地表から出る全てのエネルギーを問題にするする必要があります。 15μm帯のみのレーザー光のような単一波長を扱っているわけではないのですから全波長で積分しなければ無意味です。 
by セレステ (2008-08-12 06:42) 

期待人

>人工衛星で地球からの赤外線強度を観測すると、ある周波数帯でガクッと減るのだが
その周波数帯は水蒸気やCO2の吸収帯とほぼ一致している。
疑問に思うのですが、水蒸気、CO2は赤外放射をいつもしているということですが、その周波数帯はどんな値で、人工衛星からは観測されていないのでしょうか?
by 期待人 (2008-08-12 21:05) 

MANTA

>それは理解していませんでした。とても興味深いです。
SAKANAKANEさん、ありがとうございます。「温室効果」というと、どうしても
あの「温室」を思い浮かべるので、温暖化=熱が地球の外に逃げない、と
思いがち。でもそうではないのです。

>レーザー光のような単一波長を扱っているわけではないのですから
>全波長で積分しなければ無意味です。 
セレステさんのような方向けに、記事中でBarett(2005)を紹介してます。
Table.1にCO2を含む大気の透過率がしめされています。この周波数帯
は明示されてませんが、前の文章の流れから地球放射の全周波数帯
で積分をした結果のようです。

>水蒸気、CO2は赤外放射をいつもしているということですが、その周波
>数帯はどんな値で、人工衛星からは観測されていないのでしょうか?
期待人さん、コメントありがとうございます。
放射の周波数はその気体の温度によってきまります。吸収した周波数で
必ずしも放射するとは限りません(地球もしかり)。また人工衛星からは
大気からの放射と地表からの放射の重ね合わせが観測されますが、
単純な大気モデルで考えると、この重ね合わせによる放射エネルギー総量
は温室効果の有無にかかわらず一定です。直感的にはおかしいでしょ?
なぜか? これは次回に説明いたします。お楽しみに。
by MANTA (2008-08-13 12:40) 

期待人

>赤外線の吸収率の大きな物質は放射率も大きいことが知られている(キルヒホッフの法則)。
水蒸気分子、CO2分子が大部分を占めるのなら吸収率も大きく、放射率も
大きいのでしょうが、
大気となると、水蒸気、CO2の割合が微量であり、(酸素+窒素)も活発に動いているため、違ってくるのではないでしょうか?

http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-76.html
by 期待人 (2008-08-14 14:56) 

予報士

今年の冬は寒かった・・・・そもそも昭和の気象データを全く見ていない証拠ですね。気象庁でさえ、平年値は10年ごとに更新され、現在は1971-2000年平均値を『平年』としていますが、既に温暖化したデータを多分に含んだ平年です。昭和の平年と比較してみると今年も全国的に異常暖冬が目立ち、鹿児島と福岡は1日も冬日(氷点下)がありませんでした!今年の夏も猛烈な暑さが続いており、1990年以前の観測データと比較すると毎日必ず全国のどこかで観測史上最も高い記録更新をしています(私のブログを参照してください)。鹿児島は30日連続熱帯夜!!高松は18日連続熱帯夜!!そもそも戦前はこれらの地域の熱帯夜は猛暑の年でも一ケタでしたよ。さらに北半球全体の平均気温の推移を見れば、地球温暖化が進んだことによって異常暖冬や異常猛暑になっていることは明らか。そもそも一般市民の感覚が昔ならば異常暖冬と言っていた今年のような暖かな冬を『寒い冬』など捉えている偏向した感覚があります。地球温暖化に体が慣れてしまって、本来の正常な気候を忘れてしまっているようです。平年値は1990年以前のものに固定すべきであり、高温記録も1990年以前のものと比較すべきだと私は考えます。
by 予報士 (2008-08-15 15:59) 

予報士

上記のセレステ様、近年のデータと比較してはいけません!1990年代以降は地球温暖化が顕著に進んだデータですから。比較するなら少なくとも1961-1990年平年値か、それ以前の過去数十年の平均値でしょうね。そもそも熱帯夜は西日本でも特殊な日であり、都市部でも大半は10日以下でした。ところが今年は鹿児島・高松・広島・大阪・・・熱帯夜の昭和との比較を行ってみれば分かりますよね?もちろん都市化の影響も含んでいますが、北半球全体の気温分布図はNASAのHPでも確認できます。これには都市化の影響が含まれていません。また温暖化は個々の単年の比較ではなく、10年単位、数十年単位の平均値で比較されるべきだということも覚えておいてください。人為温暖化は明瞭過ぎるほど、明瞭!
by 予報士 (2008-08-15 16:05) 

MANTA

>大気となると、水蒸気、CO2の割合が微量であり、(酸素+窒素)も
>活発に動いているため、違ってくるのではないでしょうか?
期待人さん、リンク先のサイトは存じております。温室効果ガスによって
吸収された赤外線は分子の運動エネルギーになって失われる、再放射
されない、などと主張する方々がおられますが、大気に吸収されたエネル
ギーはどこに消えるんでしょう?「失活」などというそれらしい言葉にごまか
されてはいけません。

温室効果ガスで吸収された赤外線は、大気の分子運動などになり大気を
暖めます。その時の大気温度に対応する放射を、大気は「必ず」行います。
仮に放射しない場合は、熱エネルギーは大気にこもってしまいます。
放射以外で宇宙へ熱エネルギーを出せないからです。地球の長い歴史で
大気にエネルギーが溜まり続けたとしたら? 大気はアチアチですね。
実際にはそうはなっていません。
by MANTA (2008-08-16 08:55) 

MANTA

予報士さん、いろいろお書きいただくのはありがたいのですが…

>地球温暖化が進んだことによって異常暖冬や異常猛暑になっていること
>は明らか。
残念ながら明らかではありません。IPCCの報告書でも明らかであるとは
されていません。私が冒頭で申し上げたかったのは、「今年が暑い」「寒い」
で地球温暖化の議論はやめましょう、という事です。

>温暖化は個々の単年の比較ではなく、10年単位、数十年単位の平均
>値で比較されるべきだということも覚えておいてください。人為温暖化は
>明瞭過ぎるほど、明瞭!
前半の10年、数十年単位の平均値で温暖化を考えることは賛成です。
しかし人為的温暖化はそこまで明瞭と言い切れるでしょうか?
私の調べた限りでは、いろいろ議論すべき問題がありそうです。
数回後の本連載に登場することでしょう。お楽しみに…?
(そのために、本連載のオチに困っている、ってのはナイショ)
by MANTA (2008-08-16 09:07) 

予報士

MANTAさま、いろいろご回答ありがとうございました。温暖化に関する専門的な内容や知見が得られ、このブログは非常に参考になります。MANTAさまの主張は一貫して『温室効果ガスの増大が、全球の温暖化を引き起こしている』ということでよろしいのでしょうか?私は一応、そのような趣旨であると理解し、コメントをいたしました。数回後の本連載では否定派の意見を取り入れるということなのでしょうか?また今後の連載も楽しみに読ませていただきます。
by 予報士 (2008-08-16 10:03) 

NO NAME

>温室効果ガスで吸収された赤外線は、大気の分子運動などになり大気を
暖めます。その時の大気温度に対応する放射を、大気は「必ず」行います。
そのとおりです。
水蒸気、CO2は赤外放射吸収分子であり、常時赤外放射分子でもあるのです。
しかし、一気圧下では、大気を暖めることに熱量が移動し、放射にまわる
熱量は少なくなるのではないのでしょうか。(対流、熱伝導が増え、放射が少なくなる)。
高度が上がり気圧が下がってくると、放射の割合が増えてきます。
>大気は熱放射率εが小さいのではないのでしょうか?
CO2の熱放射率ε= 0.2位以下、水蒸気の熱放射率ε=0.7位以下
(PERRY CHEMICAL ENGINEERS HAND BOOK のグラフより 。H.C.HOTTELの論文)
のデータがありましたが、どう解釈されますでしょうか?


by NO NAME (2008-08-16 11:26) 

MANTA

>MANTAさまの主張は一貫して『温室効果ガスの増大が、全球の温暖化
>を引き起こしている』ということでよろしいのでしょうか?
予報士さん、そういうご質問を頂けると思っておりました。おそらくそのような
主張をしたことはないはずです。かっこよく書けば「真実はどこにあるか?」
です。私も温暖化の科学は素人。これらの記事はここ1年くらい、すこしずつ
書きためた私的メモに基づいています。これらは人為的要因を裏付けるもの
でした。ところが最近になって、簡単には無視できない他の要因があること
に気づきました。温暖化懐疑派のページを読んで得た情報ではありません。
それが、なにかって?…ふふふ、またのお楽しみに。
順番に記事にしていきます。
by MANTA (2008-08-16 13:18) 

MANTA

>しかし、一気圧下では、大気を暖めることに熱量が移動し、放射にまわる
>熱量は少なくなるのではないのでしょうか。(対流、熱伝導が増え、放射
>が少なくなる)。
ではNO NAMEさんに質問。大気が放射を行わず、対流・熱伝導だけを
行えば大気に吸収された熱エネルギーは宇宙へ排出されるでしょうか?
答えはNo。つまり大気中でどのようにエネルギー伝搬がなされようとも、
最終的には大気が吸収した赤外線エネルギーと”同量のエネルギー”を
大気が”放射”しなければ、大気中にはエネルギーが溜まり続けてしまい
ます。それこそ「無限機関」になってしまいます。
大気全体で考えれば簡単なことです。CO2分子の「失活」などという
ミクロ現象だけを取り出して、マクロな現象を見落とさないことです。

熱放射率についてはご指摘の資料が手元にありません。吸収率であれば
本記事で紹介しましたBarett(2005)のTable.1に同様の値が示されて
います。
by MANTA (2008-08-16 13:47) 

おおくぼ

最近、丸山氏が『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている 』(宝島社新書)という本を出しました。
第一章が理科系で、後の第二章以後はどうでもいい丸山氏の政治談義です。
前著の『地球温暖化論に騙されるな!』は素人相手のレベルの低い本でしたが、今回はレベルが少しだけ上がって、専門家の人をほんの少しだけ意識した内容になっています。

         ★

ところで、MANTAさんの記事についてです。

大気中の二酸化炭素はわずか0.04%しかありません(MANTAさんの記事も書いてありますけど)。
また地球から出る赤外線の最大量も決まっています。
実験では、現実の大気中の二酸化炭素の割合や、地球からでる赤外線の最大量との比率は、無視されていると思うのですが、どうでしょうか?
私は二酸化炭素が赤外線を受けて熱を出すことは、科学的事実だと信じています。
3原子以上から出来ている分子は、赤外線を受けると原子が回転して、熱を出します。
だから原子数の多いメタン分子の方が二酸化炭素より熱を出すのです。
また水分子は、二酸化炭素分子と同じ3原子から出来ていますが、分子の結合が弱いため、二酸化炭素より多くの熱を出します。

            ★

水蒸気の多い熱帯雨林と水蒸気の少ない砂漠地帯では、二酸化炭素の温室効果は違うと思います。
地球から赤外線は無限に出ますが、最大量は決まっています。
水蒸気の温室効果の働きの少ない砂漠地帯では、二酸化炭素の温室効果がよく働きます。
だから地域差がある訳です。
by おおくぼ (2008-08-16 20:48) 

あいのかぜ

初めまして。偶然このブログを見つけて、しかも、大好きな「海」にかかわっておられる方のブログということで、嬉しくなりました。
私自身は科学者ではありませんが、温暖化の原因を私なりに見つめている者です。菜園で野菜を育て、雲(地震雲を含む)を観察しながら、空気中の変化などを感じながら、今起こっている地球の変化の原因をいろいろに考えています。
空気中のCO2の増加による温暖化を支持するものですが、ただ、ゴアさんの数字は、私が思っている数字よりも大きすぎて不安をあおっているように感じ、背後にエネルギー問題などがあるのだと思っています。
最終的には、10年前から深層海流の動きを注視しています。臨界点に達したとき、寒冷化へ向かうこともあり、と思っています。
今年の猛暑も育てているお野菜に教えてもらいました。今年の秋の訪れが早いだろうということも、お野菜や周りの自然が教えてくれています。四州省の地震は、雲から教えてもらいました。
科学者では無いので、こちらのデーターをいろいろ拝見させていただいて、自分なりに判断する機会を得られることはとてもありがたいです。そして、宇宙の中のこの地球で生きる人間として根本的な生き方を追求していきたいと思います。

by あいのかぜ (2008-08-17 12:07) 

MANTA

>実験では、現実の大気中の二酸化炭素の割合や、地球からでる赤外
>線の最大量との比率は、無視されていると思うのですが、どうでしょうか?
おおくぼさん、その通りです。上記の簡単な実験はCO2の特性を知るには
役立ちますが、大気そのものの性質を知るにはもっと精密な実験が必要です。
その結果が「HITRAN」なのです。それによれば、水蒸気は赤外線をよく
吸収しますし、大気中にわずかしかないCO2も吸収に大きく寄与します。

>菜園で野菜を育て、雲(地震雲を含む)を観察しながら、空気中の変化
>などを感じながら、今起こっている地球の変化の原因をいろいろに考え
>ています。
あいのかぜさん、コメントありがとうございます。
自然を感じるということが科学の基本だと思います。そういう意味では、
あいのかぜさんも「科学者」ですよ!CO2の話題はしばらくお休みなの
ですが(調査航海が始まりますので)、ぜひまたお越し下さい。
by MANTA (2008-08-17 13:14) 

期待人

前回のコメントに名前を入れ忘れて失礼致しました。
>NO NAMEさんに質問。大気が放射を行わず、対流・熱伝導だけを
行えば大気に吸収された熱エネルギーは宇宙へ排出されるでしょうか?
答えはNo。
もちろん、地表面・雲・および大気(CO2,水蒸気などの分子)から放射により熱エネルギーは宇宙へ排出されます。
私が申し上げたのは、
「一気圧の下層大気では大気を暖めることに熱量が移動し、放射にまわる
熱量は少なくなるのではないのでしょうか。(対流、熱伝導が増え、放射
が少なくなる)。」ということです。
ちゃんと上層大気になると、放射の割合が増えると書いておきましたが、何故それが、大気が放射を行わずの話になるのかわかりません。

>CO2、水蒸気の熱放射率εについて、
PERRYのHANDBOOKは化学、機械系の研究所には必ずあるポピュラーのものです。


by 期待人 (2008-08-18 15:40) 

bobby

二酸化炭素に温室効果がある事は、金星をみればわかります。注目しなければならないのは、現在の大気における二酸化炭素濃度のレベルで、濃度が倍になったときに、追加的な「温室効果」があるか、定量的な答えを知る事ではないでしょうか。

おおくぼさんが指摘されていますが、大気中の二酸化炭素は産業革命以前dで0.028%、現在でも0.0358%という事です。もしこの2つの濃度で「温暖化実験」を行ったとしたら、はたして有意な差が見られるでしょうか?

二酸化炭素濃度系を入手できれば、自分で実験してみたいところです。実験自体は簡単なしくみで出来そうですから。
by bobby (2008-08-20 02:02) 

KK

地球における基本的エネルギー(自然エネルギー〕は、二つあることをご存知ですか。
一つは太陽エネルギーです,もう一つは何でしょうか?。地熱エネルギーは太陽熱エネルギーの1万分の一で、無視できます。

もうひとつのエネルギー、それは重力場のエネルギー(引力)です。これをみんな考えない。でも「熱力学第一法則」にはちゃんと入っています。
  ・太陽エネルギー
  ・重力場のエネルギー(引力)
これを地球の温度ではどうなるでしょう!?。
  ・地球の表面(黒体、平衡点、5500M上空)の温度 :-18℃
     これが地球の平均温度となる(実効温度)で、太陽熱エネルギー      による。(シュテファン・ボルツマンの法則)
  ・地球の地表の温度                    :15℃
      この差の温度33℃分が重力場における大気の質量効果(引力)
      によるものです。(大気=窒素+酸素その他)
   これが「温室効果」と間違っていわれている部分ですが、大気の質量   効果によるものです。(熱力学第一法則/ボイル・シャルルの法則)

   地上から上空に行くにつれ温度は100Mあがるごとに0.6℃降下しま   す。これは大気の質量が少なくなるため「大気効果」が少なくなるため   です。
       0.6×55=33℃
   というわけで、温室効果というのは実在しません、
   これに温室効果というのを加えると平均15+33=48℃
  となって、平均気温がイラクのバスラの最高気温くらいになるのです。

   



by KK (2008-09-02 21:50) 

期待人

横から失礼します。
>KK さん
太陽から地球に降り注ぐエネルギー235W/㎡だけでは、地球の表面(地面、海面)温度を平均的に15℃に維持するのには不足しているように思われます。
温室効果ガス(co2など)の働きも太陽からのエネルギー以上を予測する
のは、錬金術のようなものだと思っており、そんなことがありうるのなら、CO2は今頃暖房、加熱に大活躍していることでしょう。

従って、重力場のエネルギー(引力)が、その不足分を埋めているという考えに賛成です。

質問があります。
1.そのエネルギー 地表面1mで200W/㎡前後あるような計算になるのでしょうか?
2.地球から宇宙へはそのエネルギーは出て行かないようですが、位置の
エネルギーに変わっているのか、大気の圧縮になっていることでその働き
をしているのか?
3.金星(92気圧)、火星(750Pa)の大気温度も同様に重力の作用で
  説明がつくと思いますが、数値はどうなりますでしょうか?
by 期待人 (2008-09-15 14:38) 

KK

期待人 さま
こんにちは

>太陽から地球に降り注ぐエネルギー235W/㎡だけでは、地球の表面(地面、海面)温度を平均的に15℃に維持するのには不足しているように思われます。・・


惑星・地球の“平均気温”は“シュテファン・ボルツマンの法則”で計算されますが、太陽と惑星(地球)、その位置、断面積などいくつかの基本的な固有の要素で決まってしまいますが、それは惑星が受けられる太陽エネルギーの限度です。

おっしゃるとおり、「温室効果」を含めて、いかなる名目・いかなる表現、いかなるトリックを駆使してでも、地球の受け得る太陽エネルギーでは平均-18℃以上に増えることはできないのです。そしてそれは実際人工衛星で測定した実測値(地表を加えた平均値として18.7℃だが)と一致します。


質問1.そのエネルギー 地表面1mで200W/㎡前後あるような計算になるのでしょうか?
  
200W/㎡というのは「放射」の強さ(単位面積あたりのW数)だと思いますが、これは「放射」でないです。実際必要なものは“熱”であり温度です。(「放射」は“熱”ではありません。)

大気を含めてすべての物質の温度というのは、物質分子の“内部エネルギー(U)”で決まります。(逆に、内部ネネルギーは温度《絶対温度T》のみに依存します。)
           U=CvT (Cv:定積比熱) 

内部エネルギー(U)を増加させるには、熱(Q)を加えるか、仕事(W)を加えます。《熱力学第一法則》
大気で言えば①熱(Q)の部分が〔太陽熱〕、②仕事(W)の部分が〔重力場における断熱圧縮〕ですね。

①の部分が結果温度で、(MAX) 3~255=252  (太陽熱    Q)
②の部分          255~288= 33 ℃  (重力場・仕事 W)

合わせて地表で285℃分加熱されて地表では平均15℃ということになります。
②は放射によるものではありませんからその数値というものはありません。

したがって、すべてを放射値で平衡させる《放射平衡》というのは、この点からも正しくないと思います。分かるのは、地球に降りそそぐ太陽放射が342W/m2という事位ということでしょう。(それにアルベド0.3)

言われる「エネルギー収支」というのが根拠のないものであることは以下の論文でも断言しています。この論文は、「温室効果」というのが「第二種永久機関」であると断言しています。(ドイツ、114P)

:Gerhard Gerlich, Ralf D. Tscheuschner (2007)
http://arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/0707/0707.1161v3.pdf

質問2.地球から宇宙へはそのエネルギーは出て行かないようですが、位置のエネルギーに変わっているのか、大気の圧縮になっていることでその働きをしているのか?

実際に、地球上では“太陽からの恵み”というように、「炭酸同化作用」等を含めて、地球の大気中ではその〔4割〕】が【仕事】つまり、あらゆる“気象現象”や、大気の大循環、海流の大循環、降雨、風、雲の生成、嵐などに変わります。もし、平衡(=仕事0)したら、人類も生物・植物も生存できない。したがって放射で平衡(放射平衡)は嘘です。人類破滅です。

  ・理科年表オフィシャルサイト  温室効果ガス  (by 国立天文台)
   http://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/kankyou/kan_003.html

地球上には常時熱の偏在があって、これを中和・平準化させようとする“安定機能”があります。これがあらゆる〔気象現象〕ですネ。(エントロピー増大の法則)

すべての物体は温度=内部エネルギーを持ち、内部エネルギーの一部を放射しています。一部は放射で宇宙に出て行くはずですが、たかだか人間の体温(36℃)程度の低温に於ける地球の放射など無視できるくらい小さく、ほとんどは対流か伝導です。(以下参照)

(放射の割合が対流や熱伝導と同じ位になるのは700℃くらいになってからです。地球上では火山噴火くらいしかありません。)
・数値解析よもやま話 第七回 伝熱(ジャパンテクノメイト)
 http://www.jtmcorp.co.jp/yomoyama/07.html
・光加熱の物理  (Fintech)
 http://www.fintech.co.jp/hikaributuri.htm


その他の殆どのエネルギーは「仕事」(W)=断熱圧縮/断熱膨張にかわるでしょう。〔断熱圧縮/断熱膨張〕で〔密度〕が変わり、上昇/下降します。〔位置エネルギー〕に変わったり、〔運動エネルギー〕にかわるでしょう。
大気の〔内部エネルギー〕と〔位置エネルギー〕と〔運動エネルギー〕の和は一定で保存されます。

加熱されると大気は〔内部エネルギー〕を食って膨張し上昇します。よって上昇すると、〔内部エネルギー〕(CvT)が小さくなるので温度(T)が降下するのです。上空では必ず地上より低温となり、1万メートルともなるとー60℃となります。その放射など無視できます。

放射は“熱”ではなく、放射しても相手が自分より温度が低いつまり〔内部エネルギー〕が低くなければ“熱”が伝わることはありません。(熱力学第二法則)

質問3.金星(92気圧)、火星(750Pa)の大気温度も同様に重力の作用で  説明がつくと思いますが、数値はどうなりますでしょうか?

そのとおりだと思います。    
・金 星 CO2  96.5%    90気圧   470℃
・地 球 CO2  0.04%    1気圧   -18℃
・火 星 CO2  95.0% 0.007気圧   -43℃

まず、「温室効果」というのは、もういちど廃熱を回収するという熱の【不可逆過程】に反する【第二種永久機関】ずるいトリックなので実在できるものではありせん。

ヒートポンプは低温ガスをコンプレッサーで高温高圧にして高いお湯を取り出すものです。金星は丁度ヒートポンプ(90気圧)と同じ高圧ですから高温になります。一方火星は気圧が地球の0.7%という希薄なものゆえ、太陽以外の恵みがほぼ皆無なのです。炭酸ガスが金星と同じでも氷の惑星です。
火星と違うのは地球は質量があるため大気があって、仕事(断熱圧縮効果)による昇温(大気の質量効果)あるからです。

















 “地球の平均気温”《5500m上空》は、家庭用冷蔵庫の“冷凍庫”と同じ-18℃です。地上15℃になるのは、大気があることによる断熱圧縮効果・33℃分による昇温です。

 冷凍庫の惑星”が、簡単に「温暖化」するはずがありません!。また、大気の質量効果が無い「温室効果」だったら夜間は氷の惑星のはずです。

by KK (2008-09-16 22:07) 

MANTA

管理人でございます。長らくの出張から戻ってみれば、地球温暖化は地球の重力によって引き起こされたことになってしまってますね(苦)

まず、大気の断熱圧縮による効果では、現在の地球温暖化は説明できません。たとえば、注射器を用意します。注射器の先っぽの穴を塞いで、中に空気を入れます。で、注射器のピストンを思いっきり押し込むと、空気は圧縮されるとともに熱くなります。これを断熱圧縮といいます。ところでこの注射器、いつまでも熱いわけはありません。周りの空気が冷たいのであれば、伝導、対流、放射を経て必ず冷めます。

地球も同じ。地球誕生時は大気の断熱圧縮も起きたでしょうが、その熱はとうに消え去っています。また今も断熱圧縮が起き続けているならば、温暖化に伴って気圧が高くならないといけませんがそんな話は聞いたこと無いです。地球の気温を現在の温度に保つには、上記記事の放射の効果を考えねばなりません。これは次回の連載記事で解説します。

KKさん、期待人さん、私も重力の効果には興味はありますので、反論大歓迎です。ただし上のような長いコメントはご自身のブログなどでしていただき、ここでは簡潔にお願いします(コメントを削除させていただく場合もありますのでご了承下さい)。
by MANTA (2008-09-18 08:50) 

MANTA

bobbyさん、コメントありがとうございます。
>注目しなければならないのは、現在の大気における二酸化炭素濃度の
>レベルで、濃度が倍になったときに、追加的な「温室効果」があるか、
>定量的な答えを知る事ではないでしょうか。
いわゆる「二酸化炭素の温室効果の飽和」ですね。CO2はもう十分に赤外線を吸収しているので、これ以上CO2が増えても温室効果は進まないのではないか?という考えですが、これは誤りです。ご紹介いただいたCO2濃度は地表の値かと思われますが、なんと成層圏のCO2濃度上昇が地表の温度を上昇させうるのです。次々回の連載記事あたりで定量的かつ簡単に説明しましょう。

KKさん、長いコメントありがとうございます。次回からは短めにして頂いて
続きはご自身のサイトでお願いします。
>放射の割合が対流や熱伝導と同じ位になるのは700℃くらいになって
>からです。
地球と宇宙空間の間では、放射での熱エネルギー輸送がほぼ100%です。
また上記記事の簡単な実験にも示したように、大気中であってもある条件
化では放射の影響は無視し得ません。例えば陶器製のTeaPotと金属製
のTeaPotではどちらが早く冷めるかご存じですか?
by MANTA (2008-09-18 08:59) 

KK

MANTAさま
こんにちは、ながくなってすみませんでした。そうしましょう。

大気の断熱圧縮は継続してエネルギー(引力)が印加されます。圧力を維持するためにはエネルギーが必要です。(圧力は温度によっても変わる。

ボイル・シャルルの法則は、“状態方程式”で表されますが、・・状態方程式は《熱平衡状態にある系では、状態量のうち2つの値を決めれば状態が決まり、残りの“状態量”の値も決まる。》というものです。

状態量《P.V,T》・・の3つは相互に関係し、その間に以下の関係が成立する。
 PV=nRT  (n:モル数、R:気体定数)
  http://www12.plala.or.jp/ksp/formula/physFormula/html/node31.html

つまり、温度は基本的に圧力で決まってくるということです。
(気体の圧力Pは体積Vに反比例し絶対温度Tに比例する。)

物の圧力は温度によっても変わる一方、常に放熱があり温度は変わるので、永久機関でないかぎり、エネルギ―なしに温度を持続できない。(また、各状態量は“エネルギー”によります。)

「注射器」がすぐ冷えるというのは、このエネルギーの簡単な理由のためです。
地球は、まさに昼夜分かたず何億年も持続して動き続けているタンク付コンプレッサーです。そのエネルギーは重力場です。

なお、大きな「地球」の実験は不可です。ペットボトルや注射器とか、コンピューターも同じです。以上参考に。

by KK (2008-09-18 23:33) 

MANTA

>「注射器」がすぐ冷えるというのは、このエネルギーの簡単な理由のためです。

KKさん、貴殿のお話は矛盾しています。注射器で圧縮された空気も、ピストンを支え続ける手によって圧力が維持され続けています。にもかかわらず注射器は冷めても良いとおっしゃる。空気が理想気体でないので、ボイルシャルルの法則は成り立たないわけですね。
ところが重力により圧力が維持されている地球大気は冷めてはいけない。なぜですか? 「空気」は理想気体ではないが、「地球大気」は理想気体なのですか?
これは実験などしなくてもわかる、簡単な物理です。
by MANTA (2008-09-19 08:33) 

KK

MANTAさま

断熱圧縮にこだわってiいらっしゃるようですね。「ボイル・シャルルの法則」は一般に「状態方程式」としてよく知られているものです。断熱圧縮に限定されるものではありません。

(断熱圧縮/膨張とは、ボイル・シャルルの法則の一形態で、「仕事」(圧縮/膨張)によるものです。)


例えば、大気の圧力を上げ下げするには、断熱圧縮/膨張だけではありません。ひとつは体積を圧縮すること、もうひとつは加熱することつまり温度をあげることです。

状態方程式の意味は《熱平衡状態にある系では、状態量のうち2つの値を決めれば状態が決まり、残りの“状態量”の値も決まる。》というものです。

状態量《P.V,T》・・この3つは相互に関係し、その間に以下の関係が成立するもの。
 PV=nRT  (n:モル数、R:気体定数)
  http://www12.plala.or.jp/ksp/formula/physFormula/html/node31.html

つまり、温度Tは基本的に圧力Pで決まってくるということですね。

先に言ったように、地球を何か(ペットボトルとか注射器、コンピューターとか)で実験することはできません。

「状態方程式」が成立するためには、理想気体であるとともに「熱平衡状態」にあることが必要です。小さすぎて、関係は成立してもすぐ放熱しては何をしているのかわからない不適当ということです。

大気も無限になければいけません。(大気は理想気体として扱える。)

そういうわけで、注射器は意味ないけど、ちゃんと「ボイル・シャルルの法則」通り持続的に加熱されているので、安心しましょう。



by KK (2008-09-19 21:28) 

MANTA

KKさん、コメントありがとうございます。
しかし私の質問には何一つ答えていただいていませんね。

>大気も無限になければいけません。(大気は理想気体として扱える。)
気体の量が多ければ理想気体と見なすことができる理由は何ですか?
(「注射器の中の空気」と「大気」は同じ物質なのに!)

>大気の圧力を上げ下げするには、断熱圧縮/膨張だけではありません。
>ひとつは体積を圧縮すること、もうひとつは加熱することつまり温度を
>あげることです。
体積の圧縮は「断熱圧縮」そのものですが。また重力では直接大気を加熱することはできません。さて、まだ重力によって大気を暖め続けられるメカニズムはあると主張しますか?

>断熱圧縮にこだわっていらっしゃるようですね。
貴殿の9/16のコメントで「断熱圧縮」という単語が5回も出てきています。
私はそれに答えただけです。論点のすり替えはご勘弁下さい。

上記、答えることができないならば返答は結構です。そういうこととして私も読者の方々も理解するでしょう。なお私の質問にお答えにならず、意味のない主張を繰り返すようならば相応の処置をします。では。
by MANTA (2008-09-20 08:12) 

KK

MANTAさん

>気体の量が多ければ理想気体と見なすことができる理由は何ですか?
(「注射器の中の空気」と「大気」は同じ物質なのに!)

理想気体とは簡単に言えば、いわゆる「気体」(薄いもの)ということです。
これでないのは油みたいに粘っこいもの(粘度が大きい)とか、豪雪みたいな気体以外のものが多く含まれてるもので気体の特徴が薄いものではないでしょうか。

大気は一般的には薄く(薄くとは自由運動が制約されたりしていないもの)気体といえるからです。(量は直接関係はないです。)

ボイル・シャルルの法則が成り立つためには、熱的に「平衡状態」にあるとみなせる、つまり、少なくとも量が多いということも条件の一つということです。(熱容量=熱慣性=量に比例)
ここで量がかんmけいしてくるでしょう。

>体積の圧縮は「断熱圧縮」そのものですが。また重力では直接大気を加熱することはできません。さて、まだ重力によって大気を暖め続けられるメカニズムはあると主張しますか?

物理法則は全部つながっています(整合)。・・熱力学的温度(絶対温度T)の意味をご存知と思います。
モノがあるということは。温度(=絶対温度)があるということと同義ですね。(物質の内部エネルギー)

これの別表現が、ボイル・シャルルの法則です・。物質があるということは、絶対温度があるということですね。真空の宇宙では絶対零度です。(実際は完全真空=物質ゼロ=でないので3K)

モノが多い=圧力がある・高い=ければ絶対温度Tもそれに応じて高くなる。これを式であらわしたものがボイル・シャルルの法則です。
       PV=nRT  (状態方程式)

重力によって大気を暖め続けられるメカニズムはあるかということですが、このようにモノがあることが温度なのです。ぜひ「内部エネルギー:CvT」を勉強されるといいでしょう。

またものがあるということは「熱容量」にも関係します。量が多いと、つまり熱容量が多いと温度変化が緩慢になります。

モノがあり続けることが温度があり続けることです。モノがなくなると宇宙=絶対零度になるのです。

物が少なくなると=圧力が下がると温度が下がるのです。これが高空です。高空では物が少なくなるため温度が降下するのです。(ボイル・シャルルの法則)
さらに少なくなったのが宇宙とかんがえてください。

>貴殿の9/16のコメントで「断熱圧縮」という単語が5回も出てきています。
私はそれに答えただけです。論点のすり替えはご勘弁下さい。

わかりました。
(「断熱圧縮」というのはひとつの現象ということです。)
by KK (2008-09-21 12:37) 

MANTA

KKさん、長いコメントは不要です。自身のコメントの矛盾がわかりませんか?
>大気は一般的には薄く(薄くとは自由運動が制約されたりしていないも
>の)気体といえるからです。(量は直接関係はないです。)
では理想気体と考えられる「大気」を注射器内で断熱圧縮し昇温した場合、注射器の中の「大気」はなぜ冷めていくのでしょうか?これは大気とは成分が違うとおっしゃるのですか?断熱膨張でもかまいません。同じことです。

大気を理想気体として、大気の上昇・下降に伴う断熱的変化を扱っている教科書はたくさんあります。しかしこれらの上昇・下降は短期間でおきるので、大気の固まりは伝導・対流・放射によって熱エネルギーを失わないと仮定できているのです。長期間では大気全体は循環を繰り返しながら内部エネルギーを徐々に失っていきます(維持できないし、増えもしない)。つまりは注射器の場合と同じです。なお気体の内部エネルギーの獲得・損失において、放射の影響が無視し得ないことは本記事の本文に書いた通りです。

さて、まだコメントはおありでしょうか?これ以上の長く矛盾に満ちたコメントについては削除させていただきますのでご了承下さい。
by MANTA (2008-09-21 17:33) 

期待人

横から失礼します。
>地球温暖化は地球の重力によって引き起こされたことになってしまってますね(苦)
的外れな話をされますので、まずこれは地球温暖化の原因とかとは全然関係ないことを明記しておきます。

高度が高いところと比較して大気圧が高いから、地表面近傍の大気温度が高いのです。(大気をつなぎとめておくため、間接的には重力効果ということになります)

次の比喩のように穴の開いたおけを想定すれば、注射器にエネルギーの入りと出を続けたら、昇温した状態が維持されるのではないでしょうか?
地球の大気はそんな状態がつづくわけです。

http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-68.htmlからの引用です。
「この膨大な大気が持つ比熱によって「ストック」されているエネルギーは定常収支に影響を及ぼすことはない。「フロー」しているエネルギーの入力と出力はほぼ一定であるため、収支は釣り合っているとされている。これは穴の開いた桶に水を入れるようなものだ。桶には一定の水があっても、その水は絶えず入れ替わっている。」


by 期待人 (2008-09-23 23:50) 

MANTA

>注射器にエネルギーの入りと出を続けたら、昇温した状態が維持される
>のではないでしょうか?
期待人さん、その通りです。では地球大気へのエネルギーの入りをどのよ
うにして継続させればよいのでしょうか?(大気があるだけではエネルギー
の入りにはならない。エネルギーが増えはしないのだ)
太陽からのエネルギーの流入を考えればよいのです。太陽からの放射は
大気にはほとんど吸収されませんが地表を暖めます。そして地表からの放射
は大気を暖めます。これが大気にエネルギーを与え続けるのです。
あるいは大気を圧縮し続けますか?それも大気にエネルギーを与え続け
ます。しかしそれでは気圧も上がり続けます。そんな話は聞いたことがない。
従って前者の地表からの放射の役割が重要なのです。

ご紹介いただいたサイトでも、地表からの放射が大気に吸収されている
という記述がありますね(以下、引用)。
>ここで、288Kの放射量(390W m-2)あたりの大気エネルギーの比を
>とると、以下のようにして求まる。
288Kはまさしく地表からの放射です。
by MANTA (2008-09-25 00:58) 

期待人

 MANTA さま
>太陽からの放射は大気にはほとんど吸収されませんが地表を暖めます。
間違いではないですか?
太陽からの放射は、30%弱大気(雲を含む)に吸収されます。
残りの70%強は地表面に吸収されます。
30%弱という数値を無視されるとは?

>あるいは大気を圧縮し続けますか?
大気が積み重なっているから、何もしなくても地表面近傍では1気圧に圧縮され続けます。(間接的には大気を保持できる重力があるため)
それが、地表面近傍の大気温度(15℃)が放射平衡温度(-18℃)と比較して高く維持されている理由です。

>地表からの放射は大気を暖めます。
地表からの放射伝熱は、地表からの全伝熱
のうちの1/3強を占めているだけです。
放射伝熱のなかで、CO2の寄与は20%位でしょう。
従ってCO2は赤外線吸収飽和に近いこともあり、CO2の濃度上昇による大気温度上昇は小さいと予測されます。


by 期待人 (2008-09-25 16:55) 

おおくぼ

通りすがりなんですが、コメント欄での議論を読むと、SF的な話が目立つんですけど。
私も懐疑論者のつもりですが、KKさんや期待人さんの、「温室効果は存在しない」という主張は、トンデモ以外ありあえないでしょう。
地球の熱収支表を見れば、大気から地表への莫大な熱が移動していることは数値で明快に書いてます。
教科書の基本を無視した話は、時間の無駄では?



掲示板での懐疑論者の標準の議論は、そんなトンデモではありません。
温室効果があっても、水蒸気がメインの働きをしていて、二酸化炭素は、野球の比喩で言うなら補欠みたいな役割で、無視できるというものです。
例えば海のド真ん中と内陸の砂漠では、水蒸気の量が全く違います。
内陸の砂漠では、ふだん補欠の二酸化炭素が活躍します。



あと温暖化は地域差が重要です。北半球のアラスカも南半球のオーストラリアも温暖化してますが、温暖化の時期がズレます。
大気中の二酸化炭素は世界中一定なので、理論上はズレるは変です。
風や海流や気圧の影響が大きいからでしょう。
by おおくぼ (2008-09-30 16:28) 

MANTA

期待人さん、コメントありがとうございます。たしかに「太陽からの放射は大気にはほとんど吸収されません」は極端すぎましたね。期待人さんのおっしゃるとおり、大気も太陽からの放射を吸収します。「圧縮し続ける」という表現もわかりにくかったようです。次の連載記事でもう一度、大気の圧縮について触れたいと思いますので、この話題はこれくらいにしましょう。

ただし本記事で重要なことは、ご指摘の通り、
>放射伝熱のなかで、CO2の寄与は20%位でしょう。
です。そしてこのCO2が赤外線吸収飽和に近い状態にもかかわらず、
CO2増加が温室効果に大きく寄与することもまた事実。これも本連載記事
で解説しますので少々お待ちを。

----
おおくぼさん、コメントありがとうございます。
>教科書の基本を無視した話は、時間の無駄では?
同意します。次の連載記事で「教科書」を紹介しますので、皆様はそれに
反論いただければよろしいかと思います。これ以降、記事のコメント欄は
CO2の温室効果に関する議論のみに留めましょう。
by MANTA (2008-10-01 03:50) 

期待人

>CO2は暖まりやすく、冷めにくい。

正月休みに実験データを眺めてみました。
http://www.chart.co.jp/subject/rika/sc_net/18/sc18_4.pdf
下のようなデータがありました。
照射 15分 空気  26.9℃→30.9℃、
         CO2 26.9℃→30.1℃
CO2は空気よりも「暖まりやすく」とはいえません。

実験条件によって結論は変わり、
そんなに単純なことではないのでは?

by 期待人 (2009-01-06 17:11) 

MANTA

>実験条件によって結論は変わり、
>そんなに単純なことではないのでは?
期待人さん、その通りです。記事にも書いたとおり、「2つの容器の暖まり方
を同じにするのはなかなか難しい」でしょうね。おそらくペットボトルを冷ます
実験のほうが再現性も高いでしょう。
なおちゃんとした実験については、記事後半にあるとおりです。
結論は記事タイトルの通りです。
by MANTA (2009-01-11 23:03) 

おおくぼ

懐疑派がよく批判する『 地球温暖化の予測は「正しい」か? 』江守正多:著(化学同人:発行)を読んでみました。
江守氏の本は専門家でもない人が読んでもわかりやすく書かれているので、好感が持てました。
私は温暖化・二酸化炭素・原因・否定派で、IPCCのシミュレーションを信頼していません(信頼してないだけで、重要性は認めています)。

感想としては、懐疑派の江守氏批判は的外れだと思いました。
特に懐疑派がよく唱える「赤外線吸収は飽和しているから、温室効果ガスが増えても温暖化しないという説」。
でも、このトンデモ説が発生する原因は、教科書によくある温室効果の説明にもあると思います。
対流圏を多層モデルにして、ステファン・ボルツマンの法則で温室効果を計算する方法は変だと思います。
たしかに温室効果ガスが増えることは、多層モデルになることと同じ効果があります。
けれど層の現実的な厚みを無視しているし、層を増やせば計算上は平均温度は際限なく上げることができます。
だから「赤外線吸収・飽和説」は、教科書的な説明の裏返しのような気がします。



あと江守氏の本で気になったのは、水蒸気の熱暴走ついての説明です。
丸山茂徳先生の本にも書かれてましたが、水蒸気の正と負のフィードバックをどうやって、コンピュータ・シミュレーションに組み込むかです。
江守氏は、お茶を濁している感じに思えました。

by おおくぼ (2009-07-22 02:28) 

MANTA

>けれど層の現実的な厚みを無視しているし、層を増やせば計算上は
>平均温度は際限なく上げることができます。
おおくぼさん、いずれも誤りです。また近いうちに解説いたしましょう。

by MANTA (2009-07-24 12:53) 

kagakushanohashikure

>3)二酸化炭素の温室効果を確かめる
 http://www.chart.co.jp/subject/rika/sc_net/18/sc18_4.pdf

こちらの図2をごらんください。

なんで空気の方が温まりやすいんでしょうね?
by kagakushanohashikure (2009-08-11 23:57) 

MANTA

kagakushanohasikureさん、既出です > 2009-01-06 17:11
by MANTA (2009-08-12 04:15) 

kagakushanohashikure

ニュートンによる“冷却の法則”
“比熱容量”を考慮に入れて実験すべきですね。

これは、
自分の都合に合わせた実験でしかありません。
by kagakushanohashikure (2009-08-13 07:06) 

MANTA

その通りです。記事の追記(2009/05/31)にあるとおり、ペットボトルを
温める実験のほうがよいでしょう。ただし2本のペットボトルを等しく温める
のは意外に難しいかもしれません。逆に2本のペットボトルを冷ますほうが
簡単でしょう。比熱の違いを考慮して、CO2入りペットボトルのサイズを空気
入りペットボトルのサイズよりもちょっと小さくすれば、冷ます実験もよいかも
しれませんね。
by MANTA (2009-08-14 07:27) 

kagakushanohashikure

んん~、
私も考え違いをしていたのですが、
この実験を見て、
別々に実験してはいけないというのが解ったのですよ。

この実験で、
“CO2は空気よりも「暖まりやすく」「冷めにくい」性質を持っている”
と言い切られては、
頭と尻尾の長さを測って、
トカゲの方が蛇よりも長いと結論付けるのと同じです。
by kagakushanohashikure (2009-08-16 15:42) 

MANTA

kagakushanohashikureさん、この程度の実験では粗っぽいですね。
実際にはHITRANに示されているようなCO2の吸収強度をちゃんと測る
べきでしょう(というように本文にも書いています。先のコメント既出と言い、
どうやらあまりお読み頂かずコメントを書かれているようですね)。

また、そもそもペットボトルの中のCO2濃度は大気に比べて格段に高いの
ですから、これも温室効果のアナログとは言い難い。ただしペットボトルの
実験の細部に穴があるとはいえ、初等の実験としてはこれらをもう少し改良
したもので十分かと思います(同じペットボトルで温めると冷やすの両方を
やってみるとか)。ポイントは、HITRANのような専門家にしか分からない
資料を持ち出さなくても、身近にある実験材料でCO2の特性を体感できる
可能性があるということかと思います。
by MANTA (2009-08-17 08:05) 

kagakushanohashikure

“専門家”なんてぇ言葉に騙される御方とは思いませんでしたが・・・。

誰にでも・・・解りやすく説明できなくては、
どこぞの総理大臣と同じ、
“なったもん勝ち”で、やりたい放題ということになりますな。

大気中濃度、ほんの微量なCO2を、
鉄の塊のように拡大解釈しておりますね。

空気よりも鉄の方が温まりやすく、冷めやすいだろうというのは、
実験しなくても解りそうなことでしょう?

(本文をあまり読まずに投稿していることはお詫びします。
レスを期待してもいなかったので、
MANTAさんの誠意は感じております。
私の投稿もMANTAさんのHPをさらに長くして、ROMされる方を減らしているとは思いますが・・・失礼。)
by kagakushanohashikure (2009-08-17 19:32) 

MANTA

>誰にでも・・・解りやすく説明できなくては、
>どこぞの総理大臣と同じ、
>“なったもん勝ち”で、やりたい放題ということになりますな。
kagakushanohashikureさん、この点はおっしゃる通りですね。
私も温暖化研究は素人、だからこそペットボトルの実験などを持ち出して
HITRANの分かりにくさを補完したつもりでしたが、かえって分かりにくかった
かもしれませんね。いやはや、科学を分かりやすく語ることは難しいものです。
(二重投稿のコメント、整理させて頂きました~ コメントありがとうございます)
by MANTA (2009-08-18 08:32) 

おおげさのたぐいです

【実験その1】は確かにCO2が赤外線で色が付いてる事の実験になりますが

【実験その2】とhttp://www.chart.co.jp/subject/rika/sc_net/18/sc18_4.pdf
の実験は、単にCO2の比熱が大きいというだけの実験になっています。

空気とCO2は重量あたり比熱は同じ程度ですが、CO2の方が分子量が大きいために同じ容積ならCO2を含むほうが重くなり、比熱が大きくなります。

特にリンク先は高等学校のようですから、ちょっと高校の先生にしては困りますね。

by おおげさのたぐいです (2010-03-01 20:26) 

おおげさのたぐいです

なお、比熱が同じに調整してあれば、理屈では赤外領域で色が付いてるCO2の方が早く冷えます。

ただ、失礼ながら この程度の容器の大きさでは、対流により冷える量が大きいので放射冷却の差は殆ど出ないでしょう。

by おおげさのたぐいです (2010-03-01 20:53) 

MANTA

>【実験その2】と
http://www.chart.co.jp/subject/rika/sc_net/18/sc18_4.pdf
>の実験は、単にCO2の比熱が大きいというだけの実験になっています。
おおげさのたぐいさん、そのとおりだと思います。記事の追記にすでに
解説済みです。

>ただ、失礼ながら この程度の容器の大きさでは、対流により冷える量
>が大きいので放射冷却の差は殆ど出ないでしょう。
私もそう思いましたが、一方で上記の実験5では、
http://www.hekinan-th.aichi-c.ed.jp/kankyou/zisaku/vkk/ondanka.htm
黒いビニル袋で覆ったペットボトルAは覆っていないBよりも明らかに冷め
にくいようです。これは放射の効果と考えるべきではないでしょうか??
by MANTA (2010-03-02 02:22) 

おおげさのたぐいです

それも単に、包装で包むと冷めにくいという実験になっています。
放射に対する影響を実験するなら
2重にした黒いビニル袋と2重にした白いビニル袋と、白、黒を表、裏入れ替えた組み合わせ、2重にした透明なビニル袋の5つで比較するべきでした。



by おおげさのたぐいです (2010-03-02 04:15) 

MANTA

>2重にした黒いビニル袋と2重にした白いビニル袋と、白、黒を表、裏入れ>替えた組み合わせ、2重にした透明なビニル袋の5つで比較するべきでした。
おおげさのたぐいさん、それがよいですね! しかも冷ますのではなく、
温める方の実験を。果たして放射の影響はちゃんと出るのか?
書いているうちに自分で実験したくなってきました(笑)

by MANTA (2010-03-02 12:44) 

おおげさのたぐいです

温める方の実験が成功すればいいのでしょうけど。
エコハイムキッズの実験は太陽光で行っているので、赤外線だけを吸収するという実験になっていません。
また、せかっくシリカゲルを最初使いながら、
CO2を炭酸飲料から得ているため、CO2側に水蒸気が含まれている可能性が大です。

ペットボトルサイズで良好な実験結果を得るのは難しそうですね
by おおげさのたぐいです (2010-03-03 05:40) 

MANTA

>エコハイムキッズの実験は太陽光で行っているので
!!ほんとうですね。ダンボールでずっと覆っているとばかり勘違いして
いました。あとCO2はドライアイスで作るとよさそうですね。うーむ、ますます
実験してみたくなってきた…
by MANTA (2010-03-03 18:42) 

おおげさのたぐいです

ドライアイスにも固めるための糊代わりとして多少水が入ってるので注意が必要です。

http://www.hyogo-c.ed.jp/~rikagaku/jissen/no_45/kitagawa/kitagawa.htm

これはペットボトル内に黒いゴムを入れて温室効果が確認されたと言っています。 これも温室効果ではなく対流による温度上昇効果とペットボトル壁面との放熱の比みたいな実験ですね

自分で実験するより、この手「の間違った温室効果実験」みたいな記事をお書きになるほうが面白いかもしれません。
by おおげさのたぐいです (2010-03-04 05:23) 

MANTA

>自分で実験するより、この手「の間違った温室効果実験」みたいな記事
>をお書きになるほうが面白いかもしれません。
おおげさのたぐいですさん、それはあまり生産的ではないですね。そのような
否定をしたところで、HITRANの結果が変わるわけでもありません。

エコハイムキッズの実験について、私なりに改良するとすれば、
・直射日光や風は2つのペットボトルに同じようにあたるとは限らないので、
 段ボール等で覆いをかぶせたままにする。
・一番難しいのは、ペットボトルをCO2で満たすこと。水蒸気も温室効果ガス
 だが、定積モル比熱は小さいので、水蒸気がペットボトル内に多く入って
 いると、温度を上げ過ぎるセンスに働くかもしれない。炭酸水やドライ
 アイスからのCO2の取り出し方に工夫が必要。
・上記の比熱の影響をちゃんと考えるために、ペットボトルを温める実験だけ
 ではなく、冷ます実験もおこなうべき。
といったところでしょうか?
by MANTA (2010-03-05 08:17) 

おおげさのたぐいです

メートルクラスの容積が無いと
壁面での対流による放熱が大きくて実験にならないと思いますよ

ペットボトルサイズでどうしてもやるなら、ボトルをさらに別の透明(赤外線でも)な容器に入れて、外側の容器の空気をボトル内と同じ温度に調整して対流が起きないようにしないと難しいでしょう。

by おおげさのたぐいです (2010-03-06 07:16) 

クロップサイエンス

炭酸ガス濃度の上昇は温暖化の原因ではありません。

地上からの赤外放射のうち、炭酸ガスが吸収できる波長域の赤外線はほとんど吸収されています。
従って、現在以上に炭酸ガス濃度が増加しても、その波長域で大気圏から宇宙に向かって出ていく赤外線はもともとほとんどありませんから、現在以上の温室効果は生じません。
「温室効果 ウェキペディア」の温室効果気体の項目の「大気通過後の放射スペクトル分布」の図をご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E5%AE%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C

「2.8μm,4.3μm,15μm付近の二酸化炭素、6μm付近および18μm以長の水蒸気などは、多くが吸収されており、二酸化炭素や水蒸気が増加したとしてもこれ以上吸収されにくい。」と記載されています。
地上からの赤外放射のうち、窓領域の波長の赤外線のみが正味の宇宙空間に向かって失われていく赤外線です。他の波長の赤外線は水蒸気と炭酸ガスとメタンにほとんど吸収されていて、吸収分の9割は水蒸気が吸収しています。
炭酸ガスとメタンは現在以上に濃度が高まっても、吸収できる波長域で吸収されずに宇宙空間に出ていく赤外線はほとんどありませんから、温室効果は増大しません。
濃度が高まると本当に温室効果が高まり、温暖化する可能性があるものは、窓領域に吸収波長域を持つオゾンです。
炭酸ガス濃度が高まると温室効果が増大するから、温暖化するという説は論理的に破綻しています。
by クロップサイエンス (2010-05-15 00:42) 

MANTA

>地上からの赤外放射のうち、炭酸ガスが吸収できる波長域の赤外線は
>ほとんど吸収されています。従って、現在以上に炭酸ガス濃度が増加し
>ても、その波長域で大気圏から宇宙に向かって出ていく赤外線はもともと
>ほとんどありません
あ、これ、明らかに間違いです。クロップサイエンスさん、もうすこしちゃんと
温室効果のことを勉強されるとよいでしょう。またここで解説しますので、
それをお待ちいただいてもかまいませんが。
科学的理解をせずに直感に頼ると、過った理解をしがちです。
by MANTA (2010-05-15 21:28) 

クロップサイエンス

MANTAさんへ
「間違いです」と主張する具体的根拠が示されていませんでしたので、おそらくこれを根拠としているのだろうと思われる「地球温暖化懐疑論へのコメント Ver.3.0」
http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/
の67ページ 「議論26 炭酸ガスは地球放射の赤外線をこれ以上吸収しない」への反論について、コメントします。
この反論では600~700 /cm付近では確かに吸収が飽和しているとしていて、炭酸ガスが吸収できる波長域の地球放射は全て吸収してしまっていること自体は認めています。

その上で、炭酸ガスは濃度が増すと、地球放射の吸収、射出する回数が増えて温室効果は増加するとしています。
赤外吸収が飽和しているのに温室効果が増加するということは炭酸ガスが赤外線を吸収できる15μm付近の波長域での下向きの大気放射が増加するということになり、その波長域での上向きの地球放射を越えてしまうので、物理的にあり得ません。
近藤純正氏は「温室効果気体は固有の波長の範囲内で黒体以下の放射エネルギーしか出さない」と述べています。
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke03.html

また、反論では「気体濃度が増えると、吸収線の幅が広がることにより、吸収量が増加する」としていて、「図17の黒く見える部分だけ吸収が増える」と述べています。
しかし、これは大気に水蒸気が全くないというありえない前提条件の場合だけ成り立つことです。現実には大気中に数万ppmの水蒸気が存在していて、図の黒く見える炭酸ガスの吸収波長域に隣接した波長域の赤外線を既に100%吸収してしまっています。
従って、水蒸気と炭酸ガスを合わせた全体としては、炭酸ガス濃度が増加しても赤外吸収は増加しません。
http://www.geocities.jp/obkdshiroshige/ondanka3/skgup3.html
現在以上に濃度が増した場合に、本当に温室効果が生じる温室効果ガスは大気の窓領域の波長の地球放射を吸収する余地が残っているオゾンのみです。

ということで、議論26の反論はことごとく間違っています。
「間違っている」と言っている方が間違っています。

今後、炭酸ガス濃度が倍増すると地球の平均気温が2~3℃上昇するというのは、現在の炭酸ガスの濃度で既に炭酸ガスが吸収できる波長域の地球放射を100%吸収してしまっている以上、ありえない話です。



by クロップサイエンス (2010-05-18 02:16) 

おおくぼ

私は理科系ではないので、専門的なことはわかりません。
でも地球の熱収支の計算を見ますと、興味深いです。

大気&雲からの地表への赤外線放射量は大きいのです。
太陽から地表への可視光線放射量の約2倍です。

ということは理論的には、温室効果が上がれば、3倍、4倍にもなるということになります。
by おおくぼ (2010-05-18 14:21) 

MANTA

>赤外吸収が飽和しているのに温室効果が増加するということは炭酸ガス
>が赤外線を吸収できる15μm付近の波長域での下向きの大気放射が増
>加するということになり、その波長域での上向きの地球放射を越えてしま
>うので、物理的にあり得ません。
クロップサイエンスさん、大変失礼ながら、物理的に間違っているのは上記
です。また引用サイト(geocitiesの方)に「高層で吸収が増してもそれに
よって地表を温暖化させることができません」とありますが、これも明らかに
間違い。せっかくのチャンスですので、放射平衡モデルをちゃんと勉強される
ことをお薦めします。下記はもっとも単純なモデルの例です。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-12-16-1

仮に大気が赤外線を「100%吸収」しているとしても、大気中の温室効果ガス
の「光学的厚さ」が増えると地表の温度は「上がり」ます。このとき、地球から
宇宙への放射は「温室効果ガスがゼロ」の場合と同じです。

もう一度いいますが、直感や思い込みで分かったつもりにはならないほうが
よいでしょう。ここが科学の楽しいところでもありますので、ぜひご自身で
改めてお調べ下さい。あるいは連載の続きを気長にお待ちください。
by MANTA (2010-05-18 18:44) 

MANTA

>大気&雲からの地表への赤外線放射量は大きいのです。
>太陽から地表への可視光線放射量の約2倍です。
おおくぼさん、コメントありがとうございます。これも直感で考えるとおかしい!
と思いますよね(私も最初、アレ?と思いました)。でもちゃんと考えると、
おかしなことなんて何もないです。下記は昔に書きましたが、説明の一例。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-12-16
(図3)太陽が地表を直接温める効果よりも温室効果のほうが大きいです。
多層大気モデルを考えると、温室効果はより大きくなります。
ちゃんと考えるって大事。
by MANTA (2010-05-18 19:02) 

おおくぼ

地球の温室効果に関しては、観測的な事実なので疑っていません。
初めて知った時は、不思議だなあ〜と思いました。

私が疑っているのは、実は金星なのです。
金星は自転スピードが遅いにもかかわらず、昼と夜の温度差が小さいのです。
ということは、金星の地表に届く、もの凄く小さい太陽からのエネルギーを温室効果で何倍にもしているのか?
それとも太陽からのエネルギーを、わずかしか逃がさない閉鎖的な惑星なのか?

金星探査機「あかつき」に期待しています。
「あかつき」は金星の外側を飛びながら、金星から放射される赤外線を分析することで、金星の大気の謎を解けるみたいです。
by おおくぼ (2010-05-18 20:21) 

MANTA

「あかつき」は金星の温暖化観測もするのですね。JAXAさんのページには
具体的にどんな成果が得られるのか、あまり書かれていませんでしたが、
また調べてみたいと思います。ありがとうございます。
by MANTA (2010-05-19 07:51) 

クロップサイエンス

おおくぼさんの「大気&雲からの地表への赤外線放射量は大きいのです。
太陽から地表への可視光線放射量の約2倍です。」の部分は合っていますが、「理論的には、温室効果が上がれば、3倍、4倍にもなるということになります。」の部分は違っています。
大気放射の熱源の大部分は地球放射で、水蒸気や炭酸ガスが上向きの地球放射を吸収して熱を受け取るから下向きの大気放射が生じます。
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikitotaiyoenergy.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E5%8F%8E%E6%94%AF
http://www.sato.sd.keio.ac.jp/lectures/spring/EUFP/02.pdf

従って、熱源の地球放射を上回る大きさの下向きの大気放射は生じません。
夜間、地球放射と大気放射の差の分だけ地表は冷えます。温室効果気体の赤外線吸収による下向きの大気放射は地表を温めているのではなくて、冷えにくくしているのです。上空の冷たい空気が、赤外放射で、より暖かい地表を温めることはできません。
温室効果ガスが何倍になっても、上向きの地球放射と同じ大きさの下向きの大気放射が大気放射の大きさの上限です。
仮に炭酸ガスが何倍にも増えて、下向きの大気放射(温室効果)が2倍になったとしたら、その増えた分の熱はどこから来たのでしょうか。
上向きの地球放射が2倍にならないと熱収支上、つじつまが合わなくなりますが、実際には地球放射を2倍にするような数十度もの地表温度の上昇はありえません。
したがって、炭酸ガス濃度が何倍かに増えても、下向きの大気放射(温室効果)が2倍になることはありません。水蒸気と炭酸ガスが地球放射により受け取る熱の量が変わらないからです。

ウィキペディアの「温室効果」の「温室効果ガスと温室効果」の項では次のように記載されています。
「もともと二酸化炭素が多い大気であれば、赤外線の多くは吸収されており、「余っている」赤外線は少ないので、ここで二酸化炭素が増えても、増えた二酸化炭素が吸収できる赤外線は少ないため、もともと二酸化炭素が少ない大気に二酸化炭素が入ってきたときに比べ、温室効果の増強が小さく、気温の上昇も小さい。」
上記はまだ吸収できる赤外線が若干残っている場合ですが、現在の濃度の二酸化炭素は吸収可能な波長の赤外線を100%吸収してしまっているので、これ以上炭酸ガスが増えても温室効果の増大がほとんどないことは明らかです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E5%AE%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C
炭酸ガス濃度300ppmの光学的厚さは0.2071、600ppmの光学的厚さは0.2156、大気の光学的厚さは1.3です。この場合、炭酸ガスが倍増して光学的厚さが増加することにより、MANTAさんが言われるように地表の温度は上がりますが、その昇温効果は0.37℃でそれほど大きくはありません。
http://ziddy.japan.zdnet.com/qa3071085.html
by クロップサイエンス (2010-05-19 22:28) 

おおくぼ

>温室効果気体の赤外線吸収による下向きの大気放射は地表を温めているのではなくて、冷えにくくしているのです。上空の冷たい空気が、赤外放射で、より暖かい地表を温めることはできません。



あの〜これはコタツと同じなんですけど。
赤外線は空気ではありません、電磁波です。
温室効果は、コタツが人体を温めるのと同じです。

>従って、熱源の地球放射を上回る大きさの下向きの大気放射は生じません。



時間差を考えればいいのではないでしょうか?
太陽から地球に入る量と出る量の差で、出る量が少なければ、地球の内部はドンドン熱くなります。

温室効果が大きくなるということは、大気から地表への赤外線放射が増えるということです。

地球の熱収支がややこしくて理解しにくい理由は、地表部分と「対流圏より上の部分」との関係だと思うのです。

熱収支は、トータルでは、100%入ってきて、100%出ていきます。
地球という家には、対流圏という部屋があるのです。
熱収支の計算は二重なので、複雑なんだと思うのです。

私は理科系的には素人ですが、クロップサイエンスさんの主張は観測的事実を無視しているように思えます。
TVゲームの世界がどんなに論理的に整合していても、現実と整合するとは限りません。
by おおくぼ (2010-05-20 02:37) 

おおくぼ

統計はとても面白いです。
こちらのブログが興味深いのは、統計を重視しているからなのです。

例えば、『反社会学講座』(ちくま文庫)という面白い本があります。
「温暖化論争」ではありませんが、統計は宗教や道徳や信念と無関係だったりするので、議論にはとても便利です。

WEB版「反社会学講座 第2回 キレやすいのは誰だ」

http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson2.html

日本のネットに広げられている「温暖化論争」の大半は、統計の基本情報を重視するか否かで、決まると思うのです。
自分に都合の悪い統計や事実を「信じない」というのも、議論に負けない優れた方法です。
でも、そんな方法を選ぶ相手と議論をするのは、貴重な人生の浪費のような気がします。
by おおくぼ (2010-05-21 17:11) 

おおくぼ

>多層大気モデルを考えると、温室効果はより大きくなります。
ちゃんと考えるって大事。


これは金星の場合は、よく当てはまるような気がします。
金星の地表は、太陽からのエネルギーが地球に比べて、ほんの少ししか入ってこないのですから。
金星の気圧は地球の90倍で断熱圧縮によって熱くなりますが、地表の熱は、時間が経つと上空にいきます。
だから、どうしても上空からの赤外線放射が必要です。

やはり「あかつき」への期待は大きいです。


by おおくぼ (2010-05-21 17:30) 

クロップサイエンス

「観測的事実を無視しているように思います。」というおおくぼさんのコメントの観測的事実とは具体的に何を指すのでしょうか。
炭酸ガス濃度が上昇することにより、温室効果が増大して、気温が上昇したという観測的事実はどこにもありません。

ミランコビッチサイクルによって、北半球高緯度の日射が変化し、地球全体の気温が変化することにふれずに、
「南極の気温と炭酸ガス濃度には大変よい相関がある」と記載したり、相関している図を掲載している例がいくつかあります。本HPの「気温が上がって二酸化炭素が増えたのではない」の項や、
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300295309-2
元副大統領アル・ゴア氏の「不都合な真実」がその代表的な例です。
http://www.mission-k.net/globalwarming/gore/gore.html

マスコミが炭酸ガスによる地球温暖化を盛んに報道し、IPCCやゴア氏がノーベル賞をもらうような状況下では、非常に多くの人が、そのような記載により、「炭酸ガス濃度と気温は極めて相関が高いから、炭酸ガス濃度が上がると気温が高くなるにのはゆるぎない観測的事実に違いない」と誤解します。このような掲載の仕方をすると多くの人々を科学的真実から遠ざけてしまいます。
必ずミランコビッチサイクルによる温度上昇が炭酸ガス濃度の上昇よりも先にあることを記載した上で、そのような図を載せたり、相関があることを記載したりするべきです。

地球の公転軌道の離心率は10万年周期、自転軸がゆらぐ歳差は1.9~2.3万年周期、地軸傾斜は4.1万年周期で、これらを計算して北半球の高緯度の日射を算出したものがミランコビッチサイクルです。
http://homepage2.nifty.com/synchrotime/solar/miranko.htmlこのミランコビッチサイクルによる北半球高緯度の日射の変動の結果、地球全体の気温が変動し、氷期と間氷期が生じることは既に学会の定説になっていて、IPCCの4次報告の本文に記載されています。
ミランコビッチサイクルは2億5千万年前~2億年前の中生代三畳紀の深海堆積物の地層でも確認されています。
http://www-sys.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~paleo/research/m_ikeda.htm
ミランコビッチサイクルによって気温が上昇すると、その結果として炭酸ガス濃度が上昇します。気温が10度上がる時に炭酸ガス濃度は100ppm上昇します。また、メタン濃度も気温上昇の結果として上昇します。
http://www.sizen-kankyo.net/blog/2007/01/000090.html
炭酸ガスもメタンも温室効果ガスですが、それらが増えたから気温が上がったのではなくて、気温が上昇するから炭酸ガス濃度、メタン濃度が上昇し、非常に高い相関関係が生じるのです。
 
気温が上昇し、炭酸ガス濃度が上昇すると、正のフィードバックが生じて、
さらに気温が上昇するという主張があります。
過去100年間で気温は0.7度上昇し、炭酸ガス濃度は100ppm上昇しました。この気温の上昇が100%炭酸ガス濃度の上昇によるものと仮定すると、100ppmの炭酸ガス濃度の上昇は0.7度の昇温効果があることになります。
これを氷期と間氷期の関係に当てはめると、10度の温度差のうち、正のフィードバック効果による気温上昇は最大でも0.7度しかなく、かなり小さいことがわかります。実質的な正のフィードバック効果はほとんどないといってもいいのではないでしょうか。

1980年頃からの急激な気温上昇は太陽活動などの自然要因で説明しきれないから、炭酸ガス濃度の上昇のような人為的要因も加わっているのは確実だとの主張があります。そのように考えるとシミュレーションと実測値が良く一致するというのです。もしかしたら、こちらの方を観測的事実と言っているのかもしれません。
しかし、これは炭酸ガス濃度の上昇による気温上昇の直接証拠をつかんでいるわけではなく、間接的な推定であって、証拠としては非常に弱いものです。

1980年代、1990年代の急激に見える気温上昇は、
1900年代後半の8000年ぶりの非常に活発な太陽活動(ウィキペディア、太陽活動参照、気温への影響は15~20年のタイムラグがある)、
PDO(太平洋十年規模振動)がマイナスからプラスに転じて広範囲の海面温度が上昇したこと、
http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/climate/pdo/pdo_month.html
平均に用いる観測点の数が大幅に減らされて都市部の観測点の割合が大きくなり、ヒートアイランド現象の影響を強く受けるようになったことによるもので、地球放射による赤外線を吸収しつくしていて、これ以上の温室効果を発揮できない炭酸ガス以外の要因で説明できます。

最近の10年でPDOがプラスからマイナスに転じ、太陽活動もおととしから100年ぶりの不活発な状態となっていて、0.3度下がっていますから、過去110年では0.4度の上昇にとどまっています。

日本では都市化の影響が少ないとされる中小都市の17地点の平均が日本の平均値として用いられていますが、東北大学名誉教授の近藤純正氏が厳密な補正を行ったところ、気象庁発表の過去100年の気温上昇は都市化や日だまり効果のために、0.4度も過大な値だったことがわかっています。
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kisho/kisho41.html
by クロップサイエンス (2010-05-22 05:09) 

クロップサイエンス

上記の8000年ぶりの非常に活発な太陽活動の括弧内の検索のためのキーワードのウィキベディア、太陽活動は記憶違いでした。正しくはワペディア、太陽変動でした。
http://wapedia.mobi/ja/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%A4%89%E5%8B%95

中世極大期以来の極大期で現代極大期と呼ばれているようです。
by クロップサイエンス (2010-05-22 09:00) 

おおくぼ

クロップサイエンスさんへ

今回、横槍を入れたのは気になる部分があったからです。

>「観測的事実を無視しているように思います。」というおおくぼさんのコメントの観測的事実とは具体的に何を指すのでしょうか。


クロップサイエンスさんの以下のコメントです。

>従って、熱源の地球放射を上回る大きさの下向きの大気放射は生じません。
夜間、地球放射と大気放射の差の分だけ地表は冷えます。温室効果気体の赤外線吸収による下向きの大気放射は地表を温めているのではなくて、冷えにくくしているのです。上空の冷たい空気が、赤外放射で、より暖かい地表を温めることはできません。


このコメントが観測的事実を無視しているように思えます。
具体的には次の本を読んで下さい。

『 地表面に近い大気の科学』 (東京大学出版会)
近藤純正:著
by おおくぼ (2010-05-22 12:14) 

おおくぼ

クロップサイエンスさんへ

他のコメント内容は私にではなく、こちらのブログの管理人さんであるMANTAさんに向けてだと思うのですが、横槍を一つだけ入れさせてもらいます。

ミランコビッチ・サイクルという数万年規模の変化で、1980年頃からの、30年間ぐらいの変化を説明できるのでしょうか?
精度が違いすぎると思うのです。
ミランコビッチ・サイクルで考えると、1980年頃からの温暖化は誤差の範囲内ではないでしょうか?
by おおくぼ (2010-05-22 14:53) 

クロップサイエンス

おおくぼさんへ。 近藤先生は次のように記載していて、私の理解と全く同じものです。
「Rn0 は夕方の正味放射量を表わし、次式で与えられる。

  Rn0 =(地表面の出す赤外放射量)-(大気放射量)

地表面の出す赤外放射量は地表面温度(絶対温度)の4乗に比例する。
絶対温度=(273.2+摂氏の温度)のことである。例えば20℃は絶対温度で293.2K であり、単位として K をつけて示す。

大気放射量は、大気中に含まれる水蒸気、二酸化炭素など温室効果気体が出す赤外放射量である。赤外放射は可視光線より波長が長く、目には見えない電磁波である。

地上から上空までに含まれる大気中の水蒸気量が多ければ多いほど、大気放射量は多くなる。そのような場合は正味放射量が小さくなる。逆に大気が乾燥しているときは大気放射量が少ないので、正味放射量は大きく、冷却量が大きくなる。冬の晴天夜の冷却が激しいのはこのためである。」
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kisho/kisho02.html

「従って、熱源の地球放射を上回る大きさの下向きの大気放射は生じません。夜間、地球放射と大気放射の差の分だけ地表は冷えます。温室効果気体の赤外線吸収による下向きの大気放射は地表を温めているのではなくて、冷えにくくしているのです。上空の冷たい空気が、赤外放射で、より暖かい地表を温めることはできません。」のどの部分がどういう観測的事実と異なるのか、お知らせいただけませんでしょうか。
by クロップサイエンス (2010-05-22 16:03) 

おおくぼ

クロップサイエンスさんへ

議論が長くなりそうな気配ですね。
現時点でも、私たちは第三者から見れば、ただのブログ荒しにすぎないと思います。
私のブログは、過疎ブログなので余裕があります。
もし、私(おおくぼ)と議論をしたいなら書き込み下さい。
ただ私は理科系ではなく、経済学が専門ですので、温暖化の知識は本から得たものがほとんどです。

『 地表面に近い大気の科学』については、第一章の「基礎編」と第二章の「大気放射」を精読することを期待します。

クロップサイエンスさんと同じように、近藤純正先生のサイトから引用すると・・・・

>「身近な気象」の「地球温暖化の話」の章でも述べたことだが、 約半世紀前にプラスという学者が「地球大気中の二酸化炭素が2倍に増えると 地球の地面付近の平均気温は3.8℃上昇する」と予測している。
現在のように格段に進歩したコンピューターを使って詳細な計算を行なっても、 プラス氏の予測と大差のない結果が得られている。
つまり、最近の 多くの計算結果は3〜7℃程度の範囲内にある。
その一例が図4.1の赤色の 実線①である。
より確かな観測データの解析がなされれば、気温上昇の大きさは、それほど でないかもしれない。
また、現在、見落としている重大な物理・化学過程を 考慮すれば、予測値②のような傾向となるかもしれない。
ここで、”温暖化はそれほど大きくないのか!”と 早合点してはならない。
いまは、気温観測値について都市化の影響の吟味をして、より信頼性の 高い温暖化の実態把握が急務である。
予測値②では平均気温だけ見ていると上昇が小さいので安心できるように 思うかもしれないが、温暖化の影響が別の面に現われる可能性がある。
たとえば、地域によって大きな高温化と低温化、集中豪雨、干ばつなど 異常気象が頻発するようになるかもしれない。


引用元

http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke04.html


by おおくぼ (2010-05-22 20:15) 

クロップサイエンス

おおくぼさんへ。 5時9分のコメントでは、よく読んでいただくとわかると思いますが、もともとミランコビッチサイクルで1980年以降の温暖化を説明していません。
ミランコビッチサイクルは数万年サイクルで生じる氷期と間氷期の交代を起こすものです。
コメントの前半の主旨は氷期と間氷期の交代では、温度の上昇によって炭酸ガス濃度とメタン濃度が上昇して高い相関が生じるのであり、炭酸ガスの上昇によって温度が上がるように誤解させる書きぶりとしないでいただきたいというものです。

1980年以降から2000年頃までの温暖化は吸収できる波長域に赤外線が残っていない炭酸ガスではなくて、8000年ぶりの非常に活発な太陽活動(現代極大期)と、PDO指数がマイナスからプラスに転じたことと、都市部以外の観測点が大幅に減少したことが影響しています。

白亜紀の炭酸ガス濃度は2000ppmもありましたが、気温は現在と同じ位だったことがネイチャーに掲載されています。
http://www.ailab7.com/ondanka.html
炭酸ガス濃度は現在の5倍以上ですが、現在の390ppmでも吸収可能な波長域の地球放射は吸収しつくしていますから、それだけの濃度になっても温室効果は増さず、高温にならないのは当然です。
by クロップサイエンス (2010-05-22 22:03) 

クロップサイエンス

おおくぼさんへ 近藤先生も下記の部分について、地球放射の飽和のことが考慮されていないためにありえない計算をおこなっていることを見抜いていないようです。
いくら高性能コンピューターを駆使しても、誤った計算式を入れたら、誤った答えしか出しません。
「約半世紀前にプラスという学者が「地球大気中の二酸化炭素が2倍に増えると 地球の地面付近の平均気温は3.8℃上昇する」と予測している。
現在のように格段に進歩したコンピューターを使って詳細な計算を行なっても、 プラス氏の予測と大差のない結果が得られている。」

これらの予測は成層圏などの高層の炭酸ガス濃度が低いために未飽和で、炭酸ガス濃度が増加すると赤外線吸収量が増加し、吸収の増加とともに地表温度を上げるという筋書きになっていますが、地表からの地球放射が高層に達する前に全部下層の炭酸ガスと水蒸気に吸収されてしまい、下向きの大気放射として全部地表に向かって放射されていることを考慮し忘れています。
高層の炭酸ガスにいくら赤外線を吸収する潜在力があっても、地表から来る吸収可能な波長の地球放射は全く来ませんから、実際には地球放射を吸収して、下向きに再放射することは不可能で、温室効果を発揮できないのです。
上空5500mの大気は-28度で、その温度での赤外放射はしますが、炭酸ガスが倍増しても、地球放射が届いていないので、赤外放射の値は変わりません。よって、地表の温度を左右することはできません。
衛星による観測でも高層大気に炭酸ガスが吸収できる波長での地球放射が届いていないことは確かめられています。

これに関連した記載がありましたので、下記に引用します。
「元々濃度の対数に比例するのは『吸収量』なんです。でもプラスの研究以降(もしかしたら以前から)赤外吸収しただけで温暖化していいことになってしまったので、気温も二酸化炭素濃度の対数に比例して上がることになってしまいました。当然これで飽和による気温上昇の頭打ちもなくなります。

その上で更なる赤外吸収が可能であることと二酸化炭素濃度の対数に比例して吸収が増大することを十分に考慮してモデルを作成したため、昨今話題の温暖化予測を出している気候モデルは温室効果ガスが増え続けるだけで飽和なんてお構いなしにどこまでも気温が上昇する恐ろしいものになってしまいました。
なんで飽和するとは言いながらまだまだ気温が上がるなんていうんだろうと不思議だったけどこういうことでした。そのFlashで気候モデルは高層の温室効果ガスまでも温暖化要因に組み込んでいるって示したけど、実質的にはそんなのどうでもよくて、気候モデルはとにかく温室効果ガスが増えれば気温が上がるようにできています。高層が未飽和っていうのはそのモデルを作るための口実でしかないのかもしれません。
実際にはプラスの研究を元にしてフリッツ・メラーや真鍋淑郎らが水蒸気や対流もちゃんと含めた気候モデルで二酸化炭素倍増により2.8度上昇するというシミュレーションを出し(左図)、しかもそういう気候モデルによる気温上昇値をもう動かさないように1975年チャーニー委員会で決定してしまい、そうして決まった『気候感度二酸化炭素倍増で1.5~4.5度』はIPCC以降もずっと使われ続けることになっちゃったのは『温暖化の<発見>とは何か ワート/2003』にある通り。詳しく知りたい人は自分で読んでね。

後は高めでも低めでも好きな気候感度を選んで、もしくは自分らでそれっぽい値を出して、その気候感度に対して温室効果ガス増大シナリオを与えてシミュレーションすれば、飽和とか波長とか全く気にせずいくらでも気温を上げることができるわけです。
もちろんこういう前提を課した気候モデルで気候再現実験をやれば、当然温暖化の原因は温室効果ガスによるものだという結果が出ます。結果が出ますというかそういう前提を課した時点でもう結果は決まってますけどね。
で、IPCCの見解は温暖化の原因はほぼ確実に人為起源の温室効果ガスによるものですよ、となるわけです。」
http://www.geocities.jp/obkdshiroshige/ondanka3/skgup3.html
by クロップサイエンス (2010-05-23 01:21) 

MANTA

しばらく静観しておりましたが、まずお二人ともコメントが長い!!
荒らしとは思いませんが、もう少し要点をまとめてください。
以下は箇条書きになりますがご容赦を。

・ クロップサイエンスのコメント(2010-05-19 22:28)
>従って、熱源の地球放射を上回る大きさの下向きの大気放射は生じません。
>(中略)
>仮に炭酸ガスが何倍にも増えて、下向きの大気放射(温室効果)が2倍
>になったとしたら、その増えた分の熱はどこから来たのでしょうか。
前半はその通りです。後半は熱と放射がごっちゃになっていますね。
どのような放射モデルでも地表→大気上層へ行くほど気温は下がります。
温室効果が増せば→大気から地表への再放射が増えて→地表の気温が
上がるので→地表からの放射が増えてます。上空の冷たい空気が地表を
温める、という発想自体、間違っています。上空の冷たい空気は、下層の
大気を冷めにくくしており、下層の大気は地表をさらに冷めにくくするのです。

・おおくぼさんのコメント(2010-05-20 02:37)
>時間差を考えればいいのではないでしょうか?  太陽から地球に入る量と
>出る量の差で、出る量が少なければ、地球の内部はドンドン熱くなります。
これは間違いです。入る量と出る量は同じです。それでも温室効果がおきますよ。
時間差も不要です。こればっかりは式で理解したほうが分かりやすいでしょう。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-12-16-1

・クロップサイエンスさんのコメント(2010-05-22 05:09)
>ミランコビッチサイクルによって、北半球高緯度の日射が変化し、地球全体
>の気温が変化することにふれずに…(以下略)
このブログでは「1980年代以降は、日射量変化では温暖化は説明できない」こと
を示しています=いまの温暖化はミランコビッチサイクルでは説明できません。
この点は、おおくぼさんのコメント(2010-05-22 14:53)と同じです。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2010-01-11
by MANTA (2010-05-23 09:10) 

MANTA

続きです。あらかじめご注意いたしますが、もう長いコメントは不要です。
この記事の本旨からも離れてきましたし、同じ主張の繰り返しも目立ちます。
コメント削除対象フラグが立ってるとお考えください(笑)。

・ クロップサイエンスさんのコメント(2010-05-22 05:09)
>しかし、これは炭酸ガス濃度の上昇による気温上昇の直接証拠をつか
>んでいるわけではなく、間接的な推定であって、証拠としては非常に弱い
>ものです。
その通りです。だからといって同コメントで挙げられた要因では、1980年代
以降の気温上昇は、説明できません。
・1900年代後半の非常に活発な太陽活動では説明できません。
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2010-01-11
・PDOの周期は10年程度ですので、1980年から30年続く単調な気温の
 上昇傾向は説明できません。
・"ヒートアイランド"は海水温上昇や衛星で測定している気温上昇には
 無関係です。 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-07-10

・クロップサイエンスさん(2010-05-22 22:03)
>白亜紀の炭酸ガス濃度は2000ppmもありましたが、気温は現在と同じ
>位だったことがネイチャーに掲載されています。
これは面白いですねぇ。しかしだからといって炭酸ガス濃度の現時点以上の
増加が気温上昇を引き起こさない、とは言えません。貴殿のお好きなミランコ
ビッチサイクルで気温が下がっている+2000ppmで温暖化=いまと同程度
の気温、だったらどうしますか? ようするに地球の平均気温は、太陽からの
入射量と、温室効果の2つで決まると言うことです。そして貴殿は温室効果
をちゃんと勉強すべきでしょう。

・クロップサイエンスさん(2010-05-23 01:21)
>地表からの地球放射が高層に達する前に全部下層の炭酸ガスと水蒸気
>に吸収されてしまい、下向きの大気放射として全部地表に向かって放射
>されていることを考慮し忘れています。
何度も言います。それは放射平衡モデルから考えると、明らかに間違いです。
誤りだらけの懐疑派サイトを熟読・引用し、長いコメントを書かれる時間が
おありでしたら、以前に受けた指摘を真摯に受け取って、ご自身で調べられ
てはいかがでしょうか?
http://www2.nict.go.jp/y/y222/SMILES/MACS/7/note/Radiation1.pdf
by MANTA (2010-05-23 09:12) 

おおくぼ

コメントの順番が入れ替わってしまったので、前のは削除して下さい。
再投稿します。

MANTAさんへ

私の理解は正確ではありませんが、素朴な算数なんです。

雲&大気が出す下向きの温室効果のエネルギーは、「どこから来たか?」ということなんです。
1日間に太陽から地表に届くエネルギーの約2倍もあるわけですから。

これが私のコメントの要点です。
by おおくぼ (2010-05-23 10:19) 

mushi

>クロップサイエンスさん
MANTAさまから指摘が入りましたが、私も一点だけ。(MANTAさん、不要ならこのコメントもどうぞ削除してください)
人工衛星いぶきの観測データを見たことはあるでしょうか?
http://www.jaxa.jp/press/2009/10/20091030_ibuki_j.html
図1を見ると、二酸化炭素の吸収は飽和などしていないように見えませんか?
また、図2は、(当然地表付近も含む)大気柱中の二酸化炭素を定量したものですが、もし飽和しているのならこんな分析はできないと思われませんか?
それと、geocitiesのサイトで飽和の根拠としている図(上から2つ目)ですが、これは天頂角から地表に届く光を観測したものなので、地表からの放射が飽和していることの論拠にはなりえないと思います。

科学者は二酸化炭素の飽和に気づかないバカばかりだ、と本気で思われているのなら、どうしようもありません。ただ、私は科学者達はそんなに愚かではないと思っていますよ。
by mushi (2010-05-23 10:28) 

MANTA

おおくぼさん、ちょうどこちらのコメント整理中でした。失礼いたしました。
>私の理解は正確ではありませんが、素朴な算数なんです。
>雲&大気が出す下向きの温室効果のエネルギーは「どこから来たか?」
温室効果というと、地球に余分な熱が溜まって温度が上がると勘違いして
いる人が多いようです。温室効果があろうとなかろうと、地球へ入・出力する
エネルギーは釣り合っていて差し引きゼロです。雲&大気が下向きに出す
放射のエネルギーの多くは地表から来ています(一部は太陽から直接入射)。

mushiさん、コメントありがとうございます。私もいぶきのデータは見てません
でした。打ち上げ後もがんばっているようですね。
by MANTA (2010-05-23 21:33) 

おおくぼ

エネルギーは差し引きゼロなのは、平均気温が一定であることからわかります。
そして大気が出す温室効果のエネルギー元は、地表が吸収した太陽の可視光線を赤外線に変換し、上向きに放射したこともわかります。
でも大気の温室効果は、上下方向に放射します。
それでいて温室効果は、一日間の地表が吸収する太陽エネルギーの2倍もあるということは、対流圏内のエネルギーの蓄積を考えないと理解できないと思うのです。
by おおくぼ (2010-05-23 22:10) 

おおくぼ

追記

部屋を温めるのと同じで、初回だけ温めておいて、あとはプラスマイナスゼロの熱収支で調節すれば、平均気温は一定になると思うのです。
by おおくぼ (2010-05-23 22:23) 

おおくぼ

多層大気モデルの欠点は、層を増やせば増やすほど、温室効果を無限に増やすことができる魔法の方程式であることです。

エネルギーは、1は1のままですから、1が2や4になることはありません。
by おおくぼ (2010-05-24 03:42) 

MANTA

>対流圏内のエネルギーの蓄積を考えないと理解できないと思うのです。
違います。先にご紹介しましたサイトを読まれていないようですね。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-12-16-1
温室効果ガスは地表を温めるのではありません。冷えにくくするのです。
理解できないのであれば仕方ございませんが、直感に頼るのは危険です。

>多層大気モデルの欠点は、層を増やせば増やすほど、温室効果を無限
>に増やすことができる魔法の方程式であることです。
そう書いてある資料もありますが、それは間違い。層を増やせば1層あたりの
放射吸収率が下がりますので、温室効果は無限には増えません。
by MANTA (2010-05-24 08:48) 

おおくぼ

>温室効果ガスは地表を温めるのではありません。冷えにくくするのです。
理解できないのであれば仕方ございませんが、直感に頼るのは危険です。


はい、理解できません。これについては議論しても無駄なので、議論は中止したいとます。
私には温室効果は、雲&大気の出す赤外線によって、地表を暖めているとしか思えません。



>そう書いてある資料もありますが、それは間違い。

MANTAさんの紹介している・・・

http://www2.nict.go.jp/y/y222/SMILES/MACS/7/note/Radiation1.pdf

にも書いてあります。
リンク先のpdfにも書いてある通り、問題点はあるものの現実には多層大気モデルでいいと思います。
でも条件が必要で、数式を素直に信じるのは危険だと思います。

>層を増やせば1層あたりの放射吸収率が下がりますので、温室効果は無限には増えません。

地球の対流圏の場合、本当に放射吸収率は下がっているのでしょうか?
無限に増えるのはおかしいというのは、直感ではわかりますが。

by おおくぼ (2010-05-24 13:58) 

クロップサイエンス

コメントと引用が長すぎました。以後、気をつけます。
mushiさんへ
いぶきのデータの図1を見ると、二酸化炭素の吸収は一見、飽和していないように見えます。二酸化炭素が地球放射を主として吸収する波長15μmは図にないので、14の所で見るとゼロよりも少し上になっています。この少し上の所は上空の220K(-53℃)のところの放射をとらえていると考えられています。この放射は地表から来た放射とは違うものです。地表からの地球放射はその高さのところまでにすべて吸収されてしまっています。
Fig.9の人工衛星ニンバスがとらえたサハラ砂漠と地中海での上向き放射も二酸化炭素の吸収の底の所が220k放射の点線の所になっています。
その点線のところが実質的なベースラインと考えるべきでしょう。
http://www.warwickhughes.com/papers/barrett_ee05.pdf
図2の大気柱中の二酸化炭素の定量は波長1.6と2.0μmの太陽光の反射を測定しています。温暖化に関係する15μmの分をとらえたものではありませんので、15μmの吸収の飽和の有無と無関係です。
geocitiesのサイトでの飽和の図は熱赤外の波長なので、天頂角から地表に届く光を観測したものではないのでは。
二酸化炭素が15μmの地球放射をほぼ100%吸収し尽くしていることは定説になっています。
http://www.cr.chiba-u.jp/edu/2004/RSandEV/Takamura2004.pdf
温暖化懐疑論へのコメントver3の反論でも飽和と書いています。
by クロップサイエンス (2010-05-24 22:01) 

おおくぼ

不毛な議論が続いている気がしますので、こちらの記事への書き込みは今回で終りにします。

今までご迷惑かけてすいませんでした。
by おおくぼ (2010-05-25 00:11) 

MANTA

おおくぼさん、お気をお使い頂きまして恐縮です。放射平衡モデルは前にも
一度議論しましたね。今度こそ、ぜひ勉強されることをお薦めします。

クロップサイエンスさん、飽和していていいのですよ。それでもCO2が増える
と温室効果が増すということを理解してくださいね。ウソじゃないですから。

by MANTA (2010-05-25 00:17) 

クロップサイエンス

温暖化のコンピューターシミュレーションの先駆者である真鍋氏のCO2濃度の気温への効果に関する図ですが、この図は炭酸ガス濃度が300ppmで吸収可能波長での地球放射が未飽和の場合に成り立つ図です。
http://macroscope.world.coocan.jp/ja/edu/clim_sys/greenhouse/index.html
実際には本ページの上の方の記事でMANTAさんも書いているように、炭酸ガス濃度が産業革命以前の280ppmでも1000mの高さになると炭酸ガスが吸収できる波長での地球放射は吸収され尽くしていて、飽和しています。従って、600ppmの線は誤りで、300ppmの線とほぼ同一の線になるのが正しいのです。シミュレーションに吸収が飽和することを加味し忘れ、それが現在のシミュレーションに至るまで延々と続いているとしか思えません。
そのすぐ下の図も良く引用される図ですが、その説明が議論23の反論のところにあります。
「図16のAが放射を出す代表位置で、ここで大気が赤外線に対してより不透明になったとすると、放射を出す位置がAダッシュに変わる」と書かれていますが、実際にはその位置まで炭酸ガスが吸収できる波長の地球放射の赤外線は届いていませんから、炭酸ガス濃度がより高くなってさらに不透明になったとしても、その位置の炭酸ガスによるさらなる吸収は起こらず、Aダッシュへの移動も、最初からあり得ません。ここでも、飽和のことを忘れた説明になっています。
ということで、真鍋氏の放射対流平衡のシミュレーションには致命的な欠陥があり、現実と違った世界を描いています。
http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/pages/236/chap3.pdf
人工衛星ニンバスからの観測でも地表からの15μm の地球放射は全くとらえられていませんから、これ以上に炭酸ガス濃度が上がっても、宇宙空間に出て行く赤外線はもともとなく、温室効果が増大しないことは明らかです。
http://www.warwickhughes.com/papers/barrett_ee05.pdf

観測された事実は誤っているかもしれないシミュレーション、仮想現実よりも信頼できます。
by クロップサイエンス (2010-05-29 13:04) 

mushi

>クロップサイエンスさん

1.6umや2.0umの寄与が少ないことはその通りですが、ゼロではありません。寄与が少ないからと言って無視できるものではありませんよね?
それと、いぶきのデータを出したのは、あくまでも「二酸化炭素の吸収は(全領域で)飽和している」ということを否定するためのものです。本質的に重要なのは、MANTAさんの書かれている通り、たとえ飽和していても温室効果ガス濃度上昇に伴い温室効果は強まることです。
このあたりはコメント欄で議論してもしかたがないことです。私自身、人に説明できるほど十分理解できているかというとそうでもないと思っていますし。どうぞご勉強ください。
by mushi (2010-05-29 21:01) 

クロップサイエンス

mushiさんへ  1.6μmと2.0μmの波長は太陽から来る下向きの放射なのですが、地球放射のような上向きの放射であるかのように誤解しています。図2.1.5の(a)の黒体放射にある左の山は太陽からの下向き放射、右の山は上向きの地球放射で温室効果が問題となる部分です。
図1.3のように炭酸ガスは1.6μmと2.0μmで太陽からの放射を妨げて、地表を冷却するように作用していますが、15μmでの上向きの地球放射の吸収による温室効果の方が圧倒的に絶対値が大きいため、差引では温室効果ガスと考えられています。
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikitotaiyoenergy.htm

MANTAさんのように、「飽和していても温室効果ガス濃度上昇に伴い温室効果は強まる」というのは矛盾した言い方で、最後は観測された事実と仮想の世界を描いたシミュレーションのどちらが信じるに値するかということになると思います。
シミュレーションは神のごとく1点の誤りもなく、全ての要因を含んだものであれば、観測的事実と同じものになりますが、前提条件や数式に誤りがあれば、超高速のスーパーコンピューターが計算したとしても、現実とは違う誤った答えを出します。
by クロップサイエンス (2010-05-30 02:01) 

MANTA

mushiさん、クロップサイエンスさん、コメントありがとうございます。
いろいろご議論頂くのは結構なことだと思います。ただ、少し本題とはずれ
すぎました。とくにクロップサイエンスさんには、なんども下記を繰り返し説き
ましたし、そのための解説記事を書くまでお待ちいただくようにも申し上げ
ましたが、馬の耳になんとやらのようですね。
「飽和していても温室効果ガス濃度上昇に伴い温室効果は強まる」

自習用資料も提示しましたが、それもされてはいないようで残念です。
これ以上、コメント欄にクロップサイエンスさんから無駄な書き込みを頂き、
そのたびにmushiさんやおおくぼさんにフォロー頂くのも申し訳なく思い
ますし、私もこれ以上お付き合いする気はありません。では。
by MANTA (2010-05-30 21:34) 

MANTA

mushiさん、お気づかい、ありがとうございます。
by MANTA (2010-06-05 12:58) 

TSUNE

この実験では、まず、温度計はいったい何を測っているのか?をよく考えてみる必要がありますね。温度計が示すのは瓶の中の「気温」だけでしょうか? 温度計は、ガラスの中のアルコール(水銀でもいい)の体積を読み取っているわけですが、アルコールのエネルギーは、どのように吸収され放出されるのか?

次に、瓶の中の気体は、どのようにエネルギーを受け取っているのか?を考える必要がありますね。気体の放射吸収によって気温が決まっているのでしょうか? この実験では、気体の温度は、ほとんど瓶との熱平衡(正しくは定常状態)で決まってますね。温度が変化する過程では応答時間を考慮する必要があり、気体の「比熱」を考える必要がありますね。
by TSUNE (2012-05-07 13:15) 

MANTA

TSUNEさん、調査船に乗っていたりしましたのでお返事が遅くなりました。

>温度計は、ガラスの中のアルコール(水銀でもいい)の体積を読み取っている
上記の2や5の実験ではデジタル温度計を使っておられますね。
比熱の話も上記で既出です。またこれも繰り返しコメントしたことですが、
本記事はあくまで概念であり、CO2の挙動に対する正確な測定はすでに
HITRANなどにまとめられています。いずれにせよCO2が放射を吸収する
性質があることに疑う予知はありません。
by MANTA (2012-05-25 08:01) 

pc西谷

ここに文句を書く人はいても、自分で実験機材を揃えて反証しようとする人は誰一人いないのですね。

二酸化炭素犯人説こそ石油会社が流したデマだと思っています。
by pc西谷 (2014-08-05 16:37) 

MANTA

pc西谷さん、コメントありがとうございます。
近頃多忙につき、お返事が遅くなりました。

>ここに文句を書く人はいても、自分で実験機材を揃えて反証しようとする人
>は誰一人いないのですね。
??
上記では実験結果を紹介したつもりですが、、、何に対する「文句」であり、
何を「反証」と言っているのか、わかりかねますが。

>二酸化炭素犯人説こそ石油会社が流したデマだと思っています。
これも??
そんなデマ流しても、石油会社は損こそすれど得なしですよ。

by MANTA (2014-08-22 23:26) 

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