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2つの"盗作"ニュースを見て [ ブログ著作権メモ]

前の記事への雑感。ながくなったので別記事にしました。

余談その1:
松本零士氏の詩はいいですね。
「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」(銀河鉄道999より)

"夢はいつかかなう。だからあきらめるな"という、当たり前で陳腐な言葉でなく、
なんとも銀河鉄道に似合う詩になっています。

一方、槇原氏の詩は「夢」と「時間」が対等になっています。
(夢→わたし、時間→あなた、と置き換えるとよく分かる)
対等かなあ… じゃあないよなぁ…
「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」(約束の場所より)

槇原氏の唄は好きですよ。ホント。誤解なく。その分、松本零士氏の凄さを認識。
盗作かどうかは…他人がどうこういうことじゃない。お二人で解決してもらいましょう。
あとね、松本先生、いいフレーズですけど私はじめて聞きました(^^;)

-----------------------
余談その2:
毎日新聞の記事「<ゲド戦記>挿入歌の歌詞が朔太郎の詩と酷似」では、
著作権問題の専門家のコメントを借りつつ「盗作とは言い難いが、モラルの問題だ」といった内容で締めくくっている。

この新聞記事、なにをいいたいのだろうか?
盗作ではない=著作権違反ではない、ということ。
違法性のない事件でも問題提起として記事にすることはある。新たな法律策定の提案とともに。しかしこの記事にはそのような文脈は見当たらない。では芸術家のモラルを問いたかったのだろうか?それは大事かもしれないが、自社のモラルを問うほうが先だろう。(こちら)。

同様の記事が他紙に載っていないところをみると、毎日新聞のスクープのようだ。
スクープで世間を適度ににぎやかすことが目的だったのだろうか?
そういえば少し前にも似たような内容不明のスクープがあったっけ(こちら)。
そういうことは週刊誌でやったほうがよいのではないか?
つまりは、本件は新聞で報道するほどのことだったのだろうか?

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追記(10/26):
ニュースによれば、盗作騒動はなにもなく収束したようです。槇原氏側は(おそらく名誉毀損として)法廷闘争には持ち込まないこととし、松本氏側は「私の作品のセリフだと主張したかっただけだ」とのことだそうです。まあそれがいいですよ。

●松本零士さん、槙原敬之の盗作騒動収束へ
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061026-00000043-nks-ent


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ひま馬

こんにちは、MANTAさん。初めてお邪魔します。
今回の件に限らず出来るならおおやけにせず、当事者間ですみやかに解決したほうが双方のためだと思うのです。
訴えた側に対してもなんとなくよい印象を持てない場合が多い気がしますから、
つまり訴えても訴えられても人気商売されてるかたにとってプラスとはならないんじゃないんですかねー。
by ひま馬 (2006-10-22 09:40) 

ちゃめ

 零士先生の台詞と、槇原さんの詩は、仰る通り視座の違いがあるね。
 零士先生の台詞の後半部分には、夢を実現しようとする主体的意志を持った人間の存在を感じられるけど、槇原さんの詩は、科学者のように物理現象を客観的に観察した結果を述べている言葉に思える。
 深さで考えれば、零士先生の方が深いよね。

 まぁ、著作権の問題は Manta さんの書かれているとおりなんだろうけど、この事件で零士先生の株は下がったね、僕の中で。
 何故かというと、彼にとっては大事なテーマなんだろうけど、それを「僕が訴えてきたテーマだから、彼が知らないはずは無い」という理由で、槇原さんの詩にイチャモンをつけるのは、自意識過剰と受け取らざるを得ない。

「夢」と「時間」について、深く考えた創作者なら、この台詞は出てくると思うよ。
by ちゃめ (2006-10-22 11:03) 

ともしび洞

こんには。初めてお邪魔しました。

弊ブログにコメントを頂き、有り難うございました。拝読して少し思うところがありましたので、MANTA さんのコメントに対するレスの形で書かせて頂いております。よろしければ、またお立ち寄りのうえ、一度ご高覧下さい。

有り難うございました。^^
by ともしび洞 (2006-10-22 13:16) 

愚零闘武多

当ブログへのコメント・TB頂き、ありがとうございました。

この件で双方とも株を落としてしまったような気がします。私はスリーナインを知っていましたが問題のフレーズは知りませんでした。「知らないはずがない」というなら‘知っているという証拠’が必要になるんですがね。それに対する槇原氏側も対応しているのがレコード会社でしかもズレたことをやっているようですし、どうなんですかね?

松本氏の言う『プライドの問題』として断固許せないというのが本当なら裁判でもなんでもやってはっきりさせるべきでしょう。槇原氏も本当にやってないというのが本当なら公の場に出て釈明するなり積極的に裁判をやるべきだと思いますよ。そうしないと本人だけでなくファンまで傷つけることになるでしょうから。
by 愚零闘武多 (2006-10-22 23:29) 

MANTA

- ひま馬さん、コメントありがとうございます。おっしゃるとおりですね。マンガかもアーティストも夢を売る仕事ですからね。

- 松本氏がオリジナリティーを主張する気持ちは分かりますよ。>ちゃめさん
創作者は総じてそういうもんです=私が作った!っていいたいですよね。
まあどちらが正しいか白黒つけるのか、あるいはこのあたりでお互いの創作物を尊重するということにするかは当事者に考えていただきましょう。
by MANTA (2006-10-22 23:31) 

MANTA

- ともしび洞さん、コメントありがとうございます。著作権の問題とモラルの問題は同じように議論できないと感じています。私もいつ著作権違反してしまうかわかりませんので、まずはルールの確認の意味をこめて記事を立てさせていただいています。

- 愚零闘武多さん、TBありがとうございます。今回は同じ単語が繰り返された短いフレーズであり、概念も一般的なものなので、松本氏側が槇原氏側を訴えたとしても勝てないのではないか、との見解が多いようですね。となれば松本氏はこのあたりで槇原氏の作詞についても一定の理解をしめして、両者の作品ともすばらしい、として幕を引くのが一番いいとおもいます。999の本の売上もあがったんではないかなぁ(事実、私はちょい読みたくなってます)。
by MANTA (2006-10-22 23:40) 

honyapin-turedure

わたしにはむずかしい問題なのでうまく言えませんが、ちゃめサンのおっしゃってる様に、けっこう誰の頭の中にも出てくるフレーズの様な気がします。だから・・・・今回の件ワタシは松本先生に対し、いいイメージ持てませんね。こじつけって気がします
by honyapin-turedure (2006-10-23 13:34) 

かっぱ

 1つの曲を作るのに、ものすごい数の人が携わると思うのです。その過程で、これ松本先生のフレーズに酷似してますよ、って指摘した人がいたのでしょうか?思ったけど黙ってたのでしょうか?、指摘したけど見過ごされたのでしょうか?それともいなかったのでしょうか?
 論文には査読があるので類似性にチェックが入りますが、もっと広く世間に広がる楽曲に盗作の疑惑がかかるなんて、どうなってんでしょう?
by かっぱ (2006-10-23 18:30) 

HOKUTEN

フレーズと言うのは、短くなればなるほど、理念を考えて行けば行くほど、似てしまったりするものだと思いますけど・・・。
私としては、松本零士さんが自分のテーマに固執しすぎたと思ってみています。
誰でも、深く深く考察して行けば、その人なりの、しかし、他の人の似たところまで行く事があるのだから。
by HOKUTEN (2006-10-24 01:01) 

MANTA

- コメントありがとうございます > ほにゃぴんさん
難しい問題ですね。特に本当に難しいのは「これが盗作かどうか」であって、裁判して無理やり結審させる以外はだれも判定できません(当事者が真実を語れば別でしょうが)。でも著作権というルールは難しいとは言わず、ぼちぼち学ばんとあかんなあ、とおもいましたです。

- どうなっているんでしょうね?音楽業界 > かっぱさん
昔から何度も同じような著作権騒動が起きることから察するに、ほとんどNo Checkなんじゃないでしょうか。それよりも売上Upのほうに力を注いでるのでは?
by MANTA (2006-10-24 06:33) 

MANTA

- 「夢」「時間」「裏切らない」の組み合わせでできてる文章ですからね > テレマーカーさん
この3つを組み合わせてフレーズを作れば、おのずと件の作品のようになりますなぁ。

本記事は(私の意図とは違って)、「松本氏と槇原氏、悪いのはどっち!」ショーのようになってしまいました。全体としては松本氏の旗色が悪そうな上に、松本氏のイメージダウンになってるようですね。
by MANTA (2006-10-24 06:48) 

ちゃめ

 議論が活発だね。

 さて、ここで問題だ。
 これは盗作かな?
「人は夢を見ないと生きてゆけない。夢を無くしたら生きてゆく意味が無い」(by ちゃめ)

 オリジナルはこちら。
「男はタフでないと生きてゆけない。優しくないと、生きてゆく資格が無い」(by レイモンド・チャンドラー)

 どうでしょうか?
 言葉は違うけど、かなりグレーだよね。
 槇原さん VS 零士先生よりも、こっちの方がグレーだと思うよ。
(これは例として書いた物なので、騒がないでね(笑))
by ちゃめ (2006-10-25 00:33) 

MANTA

- はっきりしていることは、レイモンド・チャンドラーさんから抗議を受けない限り、どんな人から批判されようとも上記記述は罪にはなりません。では、レイモンド・チャンドラーさんから抗議を受ければ、下記の書き込みも私は削除してレイモンドさんに謝罪しないといけないでしょうか?
むむむ…
私なりの回答は別記事に譲ります。タイトルだけは決まってます。
「著作権に恐れずにブログを書く方法」です。近日中にアップします。
by MANTA (2006-10-25 12:47) 

ちゃめ

槇原敬之が沈黙を破って、ついに声明文を掲載したそうな。
http://www.makiharanoriyuki.com/home.html
ご連絡まで。
by ちゃめ (2006-11-07 20:43) 

MANTA

- いまさら声明文か… なんか逆にがっかりだわ。
情報さんきゅーです。 >  ちゃめさん
by MANTA (2006-11-08 07:30) 

MANTA

すっかり忘れてましたが、
http://www19.atwiki.jp/999pakuri/
槇原・松本騒動はとりあえずの決着をみたようです。
槇原氏勝利の様子です。似てるだけじゃ訴えちゃ駄目ってことか。
by MANTA (2009-06-02 20:28) 

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