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もう次の航海だぁ! [▼研究実況 Now!]

次の調査航海の準備が佳境で、忙しい1週間でした。
次航海では、先日のマリアナでの調査航海で回収したばかりの装置をまた使います。
9ヶ月間も海底にいた装置はどこかしら痛んでいるものです。これを1ヶ月足らずで
再整備するのは結構大変。

特にこの1週間は、毎日9時から20時くらいまで、昼休みもそこそこに装置の
組立作業をしてました。加えて一部の修理部品がなかなか届かずヒヤヒヤ。
関係者は肉体的にも精神的にもヘトヘトです。
Bさん、Iさん、Tさん、学生の皆様、お疲れ様でした。 特に短期間で物品の準備をされたBさん、Iさん!

しかも10台を越す装置の再整備・組立作業をしつつ、こんな実験も。

新型の海底観測装置の浮上試験。
先日の乗船レポートでも登場した海底電位差磁力計(OBEM)というやつですが、
フレームがちょっと小さくなって軽くなりました。
クレーンを使って、新設計のこの装置を海に浮かべてみてます。


不安げに見守る関係者の前で、、、おー無事に浮いた。
水面でのバランスもよさそう。よしよし。
この装置も次の航海で海底に設置予定です。初陣です。がんばれよ!


実験の様子を遠景でパチリ。
クレーンつき4tトラック(ユニック車と呼びますね)で岸壁で実験。この日はいい天気。
絶好の実験日和?でした。実験には当研究所や神奈川県警の潜水関係の方々にもお手伝い
いただきました。ありがとうございました!

まあいろいろありましたが、ここまでは順調!
来週は装置整備の仕上げをして、金曜日には調査船に機材搭載(艤装)、日曜日には出港
です! …が、今回の航海には私は参加しないのです。別件で忙しくて乗れなくなってし
まいました。ざんねん。再整備した海底装置が、無事海底にたどり着きますように…
あと、去年設置した装置が全部帰ってきますように…

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ちなみに次航海の行き先は、昨年行ったフィリピン海です。去年海底においた装置を1年ぶりに
回収して、代わりに今週整備した装置を海底に設置してくるのです。この手の海底観測は
長くても普通1年くらいで終わりなのですが、このプロジェクトでは3年にわたってデータを取ろう
というわけです。

調査の目的は、”沈み込んだ海洋プレートの成れの果て、スタグナントスラブの実態に迫る”
です。映画「日本沈没」では、「メガリス」と呼ばれてましたね。
スタグナントスラブは地下深くにあるので、海底装置を長期間おくのです。
地下400〜600km = 富士山150個分以上の深さを探る大実験です。

※ちなみにこの新型装置の「おもり切り離し装置」はひとつだけ。
ダブル切り離し機構にはなってません。


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コメント 2

ちゃめ

 おおっ、新型だぁ!
 スマートな外見だね。
 寒い海底で頑張ってね。

 しかし、クレーンが4t ユニックというのは…。
 ちょっと情けないような気も…。
 なーんて。
 経費節約だね!
by ちゃめ (2006-10-21 22:02) 

MANTA

- まあこれは東京大学さんの装置ですけどね。
クレーンはちっちゃめだけど、でもチョイと海で試験できるなんて、すごくない?(^^)
by MANTA (2006-10-21 23:32) 

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